私は年が明ければいよいよ70歳となります。すると体力もそれ相応になります。すると現在のシステムを解体するのも大変な作業になるのでは ? それが一番の悩みなんです。

 しかし、私のシステムにはスピーカーボックスはありませんので比較的楽かも知れません。これが軽快な音を出す絶対条件なんです。

 多くのお方は 「スピーカーは箱に入れる物だ !」 と何も疑わず何も考えずに当たり前のように考えております。それが間違いの基なのです。原因はスピーカーシステムメーカーにあります。何せスピーカーシステムが一枚の板であれば高くは売れません。当然見た目の重厚長大の物になります。価格も当然それなりの長大価格になります。当然利益も長大です。

 試しに 「高価スピーカーシステム」 で検索してみると面白いですよ。中には 「? ? ?・・・」 と思える物もあります。

 スピーカーシステムは決して調度品ではありません。あくまでも音楽を聴くための道具です。例えば高価な雨傘を買ったとします。しかし、それらは雨の日に使うと濡れてしまいます。そこでもったいないからと言って使わなくては何の為の雨傘か解りません。本末転倒とはこのような事だと思います。

 今度作るスピーカーシステムは決して張ったりで作る者ではりません。あくまでも私の個人用の音楽を楽しく聴くためのシステムです。当然見た目など全く拘りません。しかし、そのシステムで何年楽しめるか ? この事が最大の問題かも知れませんね !
 このウーハーは知人に頼んでイーベイで手に入れたジェンセン製と思える物です。この手のウーハーはともかく軽快な低音なのです。何せコーン紙はペラペラで非常に軽いのです。しかし、残ねんなから大入力には耐えられません。とは申せ一般家庭で鳴らすのであれば大入力の必要など全くありません。それよりも音質優先の考え方をしませんと思わぬ失敗に繋がります。
 オーディマニアの中には装置が猫の目のように絶えず代わっている人がおります。そのようなお方は恐らく自分の好みの音が見出せないでいるのだと思います。それにしても現在のAV用のトールボーイスタイルの物の音は私には聞いていられません。何せダボダボの低音らしき音。切れの悪い中音。伸びの無い高音らしき音。どれをとっても誉めようがありません。やはりそれらはAV用なのだと思います。やはりスピーカーとは云え人の声が人の声として聞き取れる必要があると思っております。

 それにしても私のシステムは見た目は最悪システムです。誰がどのように見ても誉められた者ではりません。メインシステムは数年の内に解体するよていですが、その時にサブシステムはどうしようか ? 迷っております。

 次なるメインシステムは古い古いジェンセンと思える38cmウーハーを利用した5チャンネルモノラルシステムにしようと考えております。モノラルシステムにする理由はモノラルシステムは聴き易いからです。その他のユニットは現在しようしている中から再利用するよていです。大切な大切なミッドユニットは恐らくダイアトーンになるであろうと思います。何せダイアトーンP-610Aの艶っぽい音は魅力的ですのでね。
 一台は3チャンネルマルチシステムです。

 一台は私が産まれた頃のマグナボックスの30cmフルレンジスピーカーです。これだけが真空管式のパワーアンプで鳴らしております。これはいずれはR120によるロフチンホワイトアンプで鳴らす予定にしております。一台は私が高校生時代に買ったダイアトーンP-610Aのエッジレス式スピーカーです。

 これらはここ数年間代わっておりません。やはり聴き易い音は善いと思います。
 メインシステムの音質は決して重厚長大な音質ではありません。軽快な音です。しかし、ほとんどの時間聞いているのは写真に示したサブシステムの3セットです。
2020/大晦日
 私は年が明ければいよいよ30周年を迎えます。現在のラインナップからは考えられませんがデビューは真空管式のOTLアンプでした。とは申せ真空管式アンプはアッと言う間に止めてしまいましたがね。何せ真空管は良い物が無くなってしまったのが原因でした。

 その後はアマチュア時代に作ったリニアーICを使用したプリアンプが好評でそちらに舵をきりました。現在はメインシステムを含めて10台のパワーアンプを使用しておりますが一台を除いて全てパワーIC式となっております。私は未だ真空管は好きですがやはり性能・音質共に優秀な物は優秀だと認めて然るべきと思います。

 私のメインシステムは5チャンネルマルチシステムですが実際には単に張ったりのシステムでしかありません。何せ5チャンネルともなりますと聴き疲れが伴いまして長時間は聴いていられませんのでね。
2020/12/30
 スピーカーシステムとスピーカーユニットについてです。

 何と現在のスピーカーシステムの情けない事か ! 私はあんな物はくれても断ります。現在のスピーカーシステムは単に音を出すだけの駄物でしかありません。しかし、それは何も現在だけに限った事ではありません。その始まりはバブル時代に遡ります。

 当時はどんな物でも高くなければ売れませんでした。要するに 「高い物は良い物だ !」 だったのです。事オーディオ機器に関してはそれ以上の感性が働いたのだと思います。ここで面白い話しをしましょうね。それは某プリアンプML-1についてです。

 ML-1と言えばオーディオマニアであれば誰でも知っている超有名なプリアンプです。そのML-1の面白いお話です。

 マーク・レビンソンはML-1を引っさげて我が国に上陸しました。ノルマンテ゜ィーに上陸するようにです。しかし、一向に売れません。困り果てたマーク・レビンソンは当時オーディオ界の貴公子と呼ばれた早瀬冬彦を尋ねました。その内容は 「どうしたら売れますでしょうか ?」 でした。

 その応えに早瀬冬彦は 「頭に 1 を付けなさい」 だったのです。それまでの値段は¥340.000.-でした。その結果マーク・レビンソンはそれを¥1,340.000.-にしたのです。で、結果は ?

 爆発的に売れたのです。要するに 「高い物は良い物だ !」 だったのです。私は作る側の人間としてML-1の製造原価は恐らく数万円にも満たないと思います。しかし、彼は憎い事をやってのけたのです。それは当時有名だったニーブの72チャンネルの調整卓に使われていた天才と言われたディスクリートICの設計者だったジョーン・ハーディーが作り上げた990と云うディスクリートICの模造品を作り、更に交換不能の為にピンの位置を変えた専用ディスクリートICを使ってML-1を作ったのです。

 その結果最終的には¥1,360.000.-に及ぶプリアンプで名をはせたのです。解ってみると誠に馬鹿みたいな話しなんです。しかし、この話の原因を作った早瀬冬彦が成し遂げた技は大した物だと思います。更に、それに騙された多くのオーディオマニアも大した者(?)だと思います。でもね、皆さん、未だにそれに騙されているオーディオマニアが存在するのです。だから私はオーディオ評論家と称する連中はペンシ師だと申し上げているのです。

 さてさて、実際にはスピーカーによって音質のほぼ全ては決まってしまうと考えております。そのパーセンテージはスピーカーが約80パーセント、プリアンプが約15パーセント、パワーアンプが残りの5パーセント程度でしょうね。そんな理由で私は現在の多くのスピーカーシステムでは音楽を聴こうとは思わないのです。

 そんなこんなで次回は現在の私のスピーカーシステムの存在理由についてです。
 パワーアンプに関しては今回で終わります。次回からはスピーカーについてに移ります。
 そこで楽しい真空管アンプと云う意味で作ったのが写真のアンプです。

 このアンプの内容は6BM8シングルアンプです。

 ここに使われてい6BM8は我が国で製造された信頼出来る物です。出力は3W×2の小型の物です。鳴らしているスピーカーはマグナボックスのダイナミック型スピーカーとしては非常に古典的な物です。高効率スピーカーですので出力は全く問題ありません。とは申せ皆様にこのようなアンプを作る事はお勧めしません。何せ作るのが大変なんです。この小型のシャーシー内にトランス類の全てを収める必要があります。
 私は幸いにも写真のハンドブックを持っております。このハンドブックには我が国で作られた真空管は全て掲載されております。このハンドブックは近所の図書館が年末に無料放出した時に手に入れました。大変に価値ある物を手に入れたものだと思っております。この一冊があれば少なくとも我が国で作られた真空管であれば何でも使えます。

 すると楽しい楽しい現在に蘇らせた真空管アンプが出来上がるのです。やはり現在に活きる真空管アンプであれば楽しいアイテムでありませんと無意味な物になってしまいます。

 さてさて、そのような意味で実用品としてのオーディオアンプであれば何も真空管である必要などありません。
2020/11/13
 私の勝手な解釈ですが、果たしてプッシュプルアンプは必要だろうか ? なんです。確かに私はKT-88などのハイパワーアンプは作った経験はありません。何故なら6L6GCのプッシュプルアンプで出力不足を感じた事が無いからです。理由は私が使っているスピーカーは全て高能率な物ばかりからかも知れません。更に私は近年の超低能率電熱器型スピーカーシステムは今後とも使う積りはありません。更にそのようなスピーカーシステムが発する音は切れが悪く聞くに堪えない音である事も理由の一つです。

 しかし、近年は大型スピーカーシステムであっても何故かほとんど全てが低能率なんです。理由は恐らくカタログデーターを良くしたいが為の結果なのだと思います。果たしてそれで良いのか ? 私はそのようには思えません。やはり音楽を楽しく聞く為には軽いコーン紙で軽快な音で楽しみたいと思っております。例えば近年のスピーカーシステムが発するウッドベースの音はほとんど全てが ボーン と鳴ってしまいます。ボーン なんて音を出すウッドベースなどありません。

 要するに高能率スピーカーシステムを使っているお方達はよっぽど広い部屋で聞いていなければ私はプッシュプルアンプは不要だと思っております。更に今までに色々な回路方式でプッシュプルアンプを作ってみましたが結果としてほとんど変わらない音で鳴ってくれるのです。結局は最も簡単な回路であるP-K分割による位相反転回路で良いのではないかと考えております。

 更にプッシュプルアンプは少なくともパワー段の直流バランスは定期的に調整しなければなりません。しかし、ほとんどのオーディオマニアはそのような事は行っておりません。要するに当初のカタログデーターで聞いているお方はほとんど居ないと云う事です。結果として歪みの多い状態で聞いているオーディオマニアがほとんどだと云う事です。

 そんな事であれば2~3ワット程度のシングルアンプの方がよっぽど安心して、更に優秀な音で音楽を楽しめる事になります。しかし、現在は信頼出来るそのような真空管がほとんど無くなってしまったのです。現在のほとんどの真空管は何処で作ったか ? 更に本当に信頼出来るのか ? 甚だ疑問です。そんな理由で私は今後は真空管式のパワーアンプは作らないと思います。何せ何か不都合が起きると作った側の責任にされてしまいます。

 しかし、自家用としては手元に残してあるかつての信頼出来る真空管を使ってシングルアンプは作るであろうと思います。何せ私は何度も申し上げるように基本的には真空管が好きです。それは単に好きと云う事では無く私は最初はディバイスとして真空管しか無かった時代からのファンです。要するに真空管に対する郷愁の念と言うべき時代の人間です。

 とは申せ以前は所有していたRCAの6L6-GCやNECの6L6-GCは既に手放しました。更にGECのPX-25も手放しました。理由はそれらは少々規模が大き過ぎて使っても無駄だと思ったからです。私にはそれらよりも例えば38のような小型管に楽しさを感じます。38とはかつての5球スーパーラジオのパワー管として使われていた規模としては小型のST管です。考え方次第で楽しい真空管なんです。要するに欲張っていないのです。

 例えば欲張った真空管でハイパワーアンプを作っても結果として何も意味が無ければ無駄その物でしかありませんのいでね。やはりソリッドステートが当たり前になった現在であれば真空管は楽しむ為のアイテムであって然るべきと思います。すると誰も顧みない忘れ去られた真空管を現在に蘇らせる事の方がよっぽど意味があると思います。
 何せ30年程経ておりますので作った本人の私も詳しい事は忘れました。今回の件で倉庫の奥から引っ張り出した次第です。実に大きく重いアンプでした。幅は何と40cmもありました。更に何故かインターステージトランス式にもなっているようです。

 パワー管は6B4-Gです。これで何とモノラルアンプなんです。このアンプは恐らくオーバーホールを行えば実用になると思います。何故なら私も最近ステレオ再生に疲れてきてモノラル装置をワンセット作ろうと考えています。これ以外にもモノラルアンプは何台かありますので5チャンネルマルチ再生も真空管式パワーアンプだけで作れます。

 このアンプは少々凝った内容になっておりまして初段管は6Z-DH3A、次段は76、ドライバー管は6F6なんです。しかし、私の記憶では性能も音質も極々普通の結果だったと記憶しております。

 正直申し上げましてバカみたいなパワーアンプです。しかし、所詮は趣味ですのでこのようなバカみたいなアンプがあっても許されると思っております。

 次回はプッシュプルパワーアンプの私なりの総論です。 
 私にはこの回路も先日のカソード結合型の変形のように思えます。しかし、実際にはほぼ完璧な動作をするそうです。そこで私も既に30年程前の事ですが作ってみました。それが写真です。
2020/11/12
 交差型位相反転回路は別名ホワイトパワートロン型と言います。しかし、私はかつてはオーディオ回路の載った色々な雑誌を読み、更に勉強もして来ました。しかし、この回路によるパワーアンプは上杉佳朗氏の著書のみで他にはお目に掛かった事がありません。理由は恐らく作るのが大変だからだろうと思います。その基本回路を示します。
 しかし、多くのオーディオマニアは何故か複雑な回路を好むようでクォード型のような簡単な回路は敬遠します。これは昔の映画の 「理由無き反抗」 のようです。そこで次回は最も複雑と思える交差型位相反転回路についてです。
VR
Q2
Q1
 左がクォード型回路です。恐らく多くのお方は珍しい回路に見えると思います。何せ妙な回路です。

 私はこの回路は先日のカソード結合型の変形だと考えております。Q1に発生したカソード出力はQ2のカソードに直結されております。しかし、Q2のコントロールグリッドはVRを通ってQ2のコントロールグリッドに接続されております。

 先日申し上げましたようにカソード結合型の場合はカソードから突き上げてもQ2は10パーセント程度下回った出力しか出ません。そこでQ2からの出力をVRを通してコントロールグリッドで出力調整をしているのだと思います。するとVRを調整する事により交流バランスの調整が可能と云う事になります。もしこの回路で良好な調整が出来れば非常に優秀な回路だと思います。

 実はかつて私はこの回路とほぼ同じ回路で作った事があります。残念ながらその時のデーターは残っておりませんが極々普通のプッシュプルアンプの結果でした。音質も極々通の音質であったと記憶しております。

 クォードの場合はアメリカのメーカーはマランツもマッキントッシュもプロ用を意識した設計だったのに対して一般家庭用の高級アンプを狙った設計だったと思います。これはこれで私は大変に意味のある事であり現在に通用する優秀な回路設計だったと思います。
2020/11/4
 このシリーズも終わりに近付いて来ました。今回はクォード型位相反転回路についてです。最終回は交差型位相反転回路の予定です。
 そのような事も原因として揚げられますので現在は顧られなくなったと思われます。

 これより簡単な回路としてはP-K分割もあればカソード結合型もある訳です。更に考え方によってはクオード型などもあります。しかし、クオード型も実際には他メーカーで使われた事はありません。クオード型は決して優秀な性能を示す訳ではありませんが実用には全く問題なく使用可能な性能を示します。世の中余り重箱の隅をつつく様な事はしないのが無難だと思います。

 次回はクオード型回路についてて゜す。
 その結果のグラフが左です。見事に結果に発揮されております。

 一部のオーディオマニアにはNFBを極端に嫌うお方がおります。しかし、それはあくまでも限られた回路で、更に極限られた真空管にのみ当てはまる事であり全てに当てはめてしまうのは間違いです。

 この性能からすれば現在に通用する性能であり決して侮れない回路だと思います。

 しかし、現実してはこのような複雑な回路にする必要は無く、もっと簡単な回路で同様の結果が得られます。
 数は実際の回路です。この回路は上杉佳朗著による管球式ステレオアンプ製作80選による物です。この回路では実際にNFBが掛けられておりますので誤差の約20パーセントはほぼ解消されているものと解釈致します。

 この回路による最終性能も載っております。その結果やはりNFBの効果は充分に発揮されているようです。
 これを説明したのが左図です。

 V2の増幅率はP-G帰還ですのでRg1/Rになります。

 しかし、この回路は現在では全く顧られませんので必ずしも理解する必要は無いのでは ? と思います。私も実際に作った経験はありません。
 音声信号S1はそのままV1に入ります。V1により増幅された音声信号S2はRg1を通過してV2のグリッドに入ります。するとV2はRg2のプレートに接続されたP-G帰還による増幅を与えられます。しかし、この時にV1とV2の出力電圧に約20パーセントの誤差を生じるそうです。しかし、20パーセント程度の誤差であればNFBを掛ける事により解決してしまうのでは ? と私は思います。
S3
S2
S1
2020/10/23
 今回は現在では全く顧られなくなったオートバランス型位相反転回路についてです。

 しかし、この回路については私も良く解りません。何故か変なんです。要するにどう考えてもバランスするとは思えないのです。その証拠に実際にも位相反転後の両者に約20パーセントの誤差を生じるそうです。
 Q2の出力は当然正相の信号になります。ここで位相の異なる二つの音声信号が得られた結果となります。このように申し上げますとカソード結合型位相反転回路は完璧のように思えます。しかし、真空管はグリッドでコントロールした結果とカソードでコントロールした結果とは出力電圧が約10パーセント程度異なるのです。そこでマランツの場合はVR1でその差を調整する回路が設けられているのです。

 しかし、これがまたまた問題があります。それは各ディバイスは正確な性能を有している訳では無く各々誤差を持っております。これがカソード結合型の最大の欠点を持つ結果となります。要するにQ1とQ2の増幅率が異なるために必ずしもQ2の負荷抵抗を10パーセント増やすだけでは解決しない結果となるのです。そこでマランツの場合はR2とR3の値を変えてその分VR1を設けて解決しているのです。

 しかし、その問題はこれだけでは済まないのです。それは真空管とは劣化すると云う事です。時間と共にこの両者の音声出力電圧に誤差が大きくなって行きます。これは定期的に交流調整を必要とされる結果となります。

 以上がカソード結合型位相反転回路の説明です。しかし、カソード結合型位相反転回路は私の経験では位相反転回路は勿論、パワー段の直流調整も完璧にした状態では非常に優秀な音質になります。しかし、それは使用条件にもよりますが長くは続きません。要するに定期的に各調整が要求される事になると云う事です。しかし、一般のオーディオマニアはそのような事はしません。ここが最大の問題なのです。

 この辺の話をしますと非常に長くなってしまいます。よって、ここで止めますがほぼ全てのオーディオマニアは最良の状態では使っていないと云う事です。

 次回は古典型位相反転回路についてです。
Q2
Q1
 図はマランツ8Bです。私も当時は憧れて憧れて憧れ抜いたものでした。とは申せ当時高校生時代の私に買える筈などありません。そこで悔しいのをバネにして 「いつか見ていろ俺だて !」 で頑張った積りです ?

 さてさて、この回路を真似する事は可能です。しかし、出力回路はウルトラリニアー巻き線を持った入手不可能な物です。更に、例えばウルトラリニアーにしなくても出力トランスとは各々位相特性が異なります。よって、各所にある位相補正回路は全く異なる事になります。要するに再現不可能と云う事になります。

 マランツは何故か厄介な回路が好きなようでプリアンプの7型にしても何も K-K 負帰還にしなくてもと思える内容の回路だと私は思います。

 その辺の事は今回の話題から外れますので触れません。ここではカソード結合型の理屈について申し上げます。

 S1は入力された音声信号です。そのS1はQ1によS2とS3に分割されます。その時にQ1には負荷抵抗がありますのでほぼ2倍の増幅率を持つ事になります。S3の位相は当然逆相です。

 それと同時にR1を通してS1はQ2のグリッドに与えられます。しかし、その音声信号はC1によりアースされてしまっております。要するにQ2のグリッドには初段のスクリーングリッド電圧である直流電圧のみ加わっている事になります。要するに直流としてはQ1のグリッドと同電位である訳です。しかし、Q2のカソードにはQ1のカソードの音声信号がそのまま加わっております。その結果Q2はカソードからの突き上げ電圧により動作する事になります。
C1
VR1
R3
R1
S4
R2
S3
S2
S1
2020/10/15
 さてさて、いよいよ現在はほとんどのプッシュプルパワーアンプが使用しているカソード結合型位相反転回路についてです。

 この回路は理解するのに少々厄介ではあります。しかし、この回路の理論が理解されるとその他の古典型位相反転回路もクオード型位相反転回路もほぼ全て理解する事が可能です。これらを全てとは申しませんがある程度の物を実験しますと最終的な結論に達する事になります。この件に関しましては最終章で申し上げる事にしましょうね。
 図の回路は比較的新しく設計された回路のようで抵抗の値が現在の24分割の数値の物が使われております。

 前回のP-K分割もウイリアムソンも位相反転によるアンバランスが発生しません。そこで最終的にはパワーステージの直流バランスのみ取れば完成とする事が可能です。これはある意味価値のある事だと私は思います。

 さてさて、私は過去色々な回路のプッシュプルアンプを作って来ました。しかし、ウイリアムソン型だけは作った事がありません。理由はわざわざ作る意味が無いと思ったからです。最初から不都合が解っている物を作る必要はありませんのでね。

 それよりも可能性のあるカソード結合型に軍配は上がると思います。カソード結合型とは別名ムラード型と言います。現在のプッシュプルアンプの多くがカソード結合型を採用しているようです。やはり回路が簡単で、更に高性能とあれば当然の事だと思います。

 そこで次回はカソード結合型についてです。
 私の記憶に間違いなければウイリアムソンはNFB技術を開発したお方でして大変に偉大なお方だったと思います。ウイリアムソンに限らず電子技術は色々な偉大なお方達の存在があって現在に至っているのだと思います。例えば現在のトランジスターにしろICにしろあの偉大なロバート・ノイスと云う大変に偉大なお方のお陰だと私は思っております。

 ウイリアムソンが何故一段多く入れたのか ? 恐らくバイアスの深いパワー管を充分ドライブ可能とする為であろうと思います。しかし、結果として段数が増えた分歪みが多くなったのではないか ? そこで苦肉の策としてNFBを思い付いたのではないか ? 

 しかし、段数が多くなりNFBは余り深く掛けられません。理由は各段で少しずつ位相の誤差が発生するからです。そこでウイリアムソンアンプは軽いNFBに限られます。

 ここで余談ですが、図の回路は初段のカソードに直接NFBを戻しております。すると初段のカソードの自己バイアス電圧がそのまま出力に現れてしまいます。これは大きな問題とはなりませんがやはり直流電圧は防げるものであれば防ぐべきだと思います。
2020/10/1
 ウイリアムソンアンプとは図を見てお解かりのようにP-K分割位相反転回路の後ろに一段増幅の回路を設けた物です。
 これらの欠点は周波数特性として現れます。多くの物が20数キロヘルツからダラ下がりとなるようです。更に、少々バイアス電圧の深いパワー管には使えない事も欠点の一つとして欠点と言えば欠点です。

 このP-K分割回路によるアンプは我が国の場合はある程度の高級機には使われたものでした。よって、当時使われたパワー管は6AR5・6BQ5が多かったようです。

 しかし、現実的には数デシベルのNFBを掛ける異にりほとんど全ての欠点は取り除かれてしまいます。更に、上記のパワー管であれば最大出力は10ワットから10数ワットまで出ますので実用上全く問題は発生しません。にも関わらず当時からオーディオマニアは超々オーバースペックを好みました。その結果ピュアオーディオの片隅に追いやられてしまいました。これは淋しい淋しいオーディオマニアの性なのだと思います。そして、それは現在にも至っている事になります。

 ここでオーディオマニアが好む超々オーバースペックの問題点に関してです。

 確かにオーディオマニアが好む超々オーバースペックはそれだけ採れば正しいかも知れません。しかし、実際に我々はアンプその物だけの性能を追っている訳ではありません。追っているのは最終的な音です。それも一般家庭での小音量での音です。その為には大出力アンプなど何の意味もありません。逆に大出力アンプは小音量では歪みが多く音質の悪化を招きます。要するに超々オーバースペックは音質の悪化を招くだけでやってはいけない事なのだとお考え下さい。

 次回はウイリアムソン型についてです。
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 図はご覧のようにアルテックのかつての回路図です。但し、古い時代の物ですのでコンデンサー及び抵抗の値は現在はありません。

 P-K分割はプレートとカソードの出力位相が逆である事を利用した回路方式でトランス結合方式と同様最も簡単な回路だと言えます。とは申せクォード方式はもっと簡単な回路かも知れません。

 左の回路は初段の6SJ7の出力電圧を6J5に入れ、その逆相の出力電圧はプレート側、正相の出力電圧はカソード側に出力されます。その出力電圧をパワー回路に入れ、出力トランスで合成させる回路方式です。

 この辺の事はここで改めて詳しく説明する必要も無かろうと思います。

 P-K分割位相反転回路はプレートとカソードに同じ値の抵抗を入れる必要があり、これで増幅作用がありません。それが一つの欠点であり、もう一つの欠点はプレート側の出力は出力インピーダンスがカソード側よりも高い事が上げられます。

 このような事が原因でマニアの間では嫌われた回路となり余り高級機には使われなかったようです。
2020/9/30
 お待たせを致しました、それではP-K分割位相反転です。つまらない説明よりも実際の過去の実機の回路図で説明しましょうね。 

余談ですが   No,22