今回のお話はハイカットフィルターから始まり少々横道に反れてしまいました。しかし、今回のお話は皆様当たり前のように考えている事が深い深い意味があった事を気付かせてくれたと考えております。増してやdBとは何ぞやと云うお方も居ようかと思います。

 実際に我々オーディオマニアは当たり前にデシベルと言っておりますが実際には単にベルなのだと云う事をご存知無いお方も多いと思います。要するに我々は長さの単位で少々短い物に対しては平気でミリメーターを使います。それが少々長くなりますとセンチメーターを使います。それと同じで元々の単位はペルなんです。そのベルとは考案者であるベル博士のベルです。当然 Bell ですのでベルは大文字で表現する必要があります。近年は何故か db と表記している場合があります。それは余りにもベル博士に対して失礼な事なのです。

 d はデシの d です。言わずと知れたデシリッターの d です。要するに1/10の意味です。しかし、ベル博士は弱電の場合は電圧・電流に関して1/10では少々使い辛いので特例として1/20としたのです。すると例えば20dB/octの場合は書き換えますと1B/octと表現しても間違いではありません。しかし、これだけの説明では少々チンプンカンプンのお方も多いかと思います。そこで次回は話しの途中ではありますが デシベル・ベルについて少々と云う事にしたいと思います。
 私はマルチチャンネルシステムをやり始めて50年程になりますが、その結果として2・3チャンネルの場合は-12dB/octは使用するユニットによって違和感を感じる音になる事が多いのです。その結果としてのCR型なのです。

 NF型の場合はチェビシェフ・ベッセル・バターワースにしろ肩特性は多少異なりますが全て-12dB/octなのです。更にCR型の場合は写真のようにクロス周波数を無段階で調整出来ます。非常に便利なんです。
 簡単に説明しますと例えば100Hzの1オクターブ上となると200Hzです。5kHzで考えますと10kHzが1オクターブ上の音となります。多くのお方は5kHzは聞えると思います。しかし、お歳を召しますと10kHzとなると少々厄介な周波数になります。しかし、何故かオーディオマニアは頑固で思い込みの豊富なお方か多いようで20kHzまで聞えると豪語する人が多く居ります。確かにワーブルトーンであれば聞えると思います。しかし、単音となると多少とは言いません。大いに聞えない人がいっぱい居ます。

 私の場合は自宅で確認出来ますのでとりあえずシングルトーンで13kHzまでは聞えます。しかし、その周波数を超えますと少々気を配りませんとその存在は確認出来ません。少々歳を召してしまった結果です。

 さてさて、この回路はチャンネルディバイダーに使える回路です。NF型のチャンネルディバイダーが考案されるまではこの回路を使用しておりました。当方の2chNや3chNはこのCR型回路に依るチャンネルディバイダーです。では何故今更CR型なのか ?

 その理由は2・3チャネルの場合は-6dB/octが聞き易いからです。
 左がその回路です。ハイカット周波数は R と C の時定数で決まります。一次の時定数ですので遮断特性は -6dB/oct となります。-6dB/oct とは1オクターブ進むと -6dB になると云う意味です。ここでオクターブとはについてしつこいと思いますがもう一度。

 例えば G(ト音記号ではソ) は441Hzです。ここでちょっぴり余談ですがG線上のアリアはバイオリンでG線のみで弾ける曲だそうです。とは申せ私はバイオリンは持った事はありますが弾ける訳がありません。何せバイオリンはアームを握るとあかちゃんの腕を握っているようで怖さを感じてしまいます。更に余談ですが太宰治のヴィオロンの妻と云う作品がありますね。私はヴィオロンとは何だと思っておりました。某お方に尋ねてみたらフランス語ではバイオリンをヴィオロンと発音するそうです。余談でした !

 さてさて、ト音記号のソの1オクターブ上の音は2倍の882Hzです。要するに1オクターブとは周波数で考えますと2倍2倍が各々1オクターブとなります。
C
R
2020/2/28
 このページをご覧になっているお方の中でハイカットフィルターが内臓されたプリアンプをご存知のお方は少ないと思います。何故ならハイカットフイルターを必要としたプリアンプはヨーロッパの一部の地域のみ必要とした物に限られていたからです。では、何故 ?

 それは当時はFM放送はまだまだ未発達で多くがAM放送でした。ヨーロッパはアメリカや我が国と違い各国は隣接した環境です。すると各国勝手な搬送周波数で放送していたのです。するとその搬送周波数が近いと共に干渉してビートを引き起こします。そのビートはピーと云うノイズとして現れてしまったのです。そこでラジオを聞く時の為にハイカットフィルターを使ったのです。しかし、現在はオーディオ装置でラジオを聞く人は非常に限られていると思いますので現在では不要な回路なのだと思います。ではその回路は ?
 私もDJ用のカートリッジを使っておりますが、それはそれで理由があっての話でそれをターンテーブルにまで当てはめてしまうのは間違いなのです。それにしてもDJ用のターンテーブルは劣悪な物だったとは私も知りませんでした。ここでついでにまたまた道草です。

 例えばプロ用のブレーヤーは放送局用の物もプロ用です。放送局用のプレーヤーは信頼性抜群の非常に優秀な物だと思います。しかし、DJ用とは使用目的が違います。それを一束一絡げにしてプロ用としてしまうのは大変な間違いです。この件に関してはこれ以上の説明は不要ですね。この事に関連してついでにアンプについてです。

 プロ用のパワーアンプを使っているお方も多いと思います。それは間違いなのです。私も以前あるお方から頂いたプロ用パワーアンプのウォルバーレンのハイパワーアンプを使った経験はあります。当然冷却用のファンが付いております。当然ボーとうるさい雑音を伴います。そこでファンの代わりに抵抗でファンの代わりでアンプの保護回路を騙して使いました。何故なら冷却ファンを単に外してしまうと電子回路は故障と判断して電源を落としてしまうからです。しかし、片チャンネル300ワットものハイパワーアンプです。もしもアースが浮いたりしたらスピーカーは一瞬にして飛んでしまいます。当然処分しました。

 プロ用のパワーアンプの目的は大音響でホールの隅ずみまで音を響かせるのが目的です。或いは青空天井のジャズライブなどが大きな目的です。それをハイパワーだからと言って 「大きい事は良い事だ !」 でリスニングルームに持ち込むなど持っての他なのです。百害あって一理無しなのです。

 同じような事はスピーカーシステムにも言えます。以前はPA用のスピーカーシステムは巨大な物がほとんどでした。しかし、現在は非常に小型になりました。その犯人はエレクトロボイス(EV)なのですが、決して悪くはありません。何せ目的が違います。EVのPA用スピーカーシステムは小型で使い易く、更に安価なのです。更に言わせてもらえば音質などどうでも良いのです。何せ目的は広大な範囲の隅ずみまで音を届かせる事です。オーディオマニアが使う物ではありません。

 次回はハイカットフィルターについてです。
 しかし、効果が無いとの苦情でした。話をよくよく聞いてみますとハウリングでは無くプレーヤーが発するゴロだったのです。しかし、それでもお客さんは納得してくれませんでした。そこで私は 「試しにプレーヤーを叩いてみて下さい」 と申し上げました。するとお客さんは 「えっ 今までは物凄い音がしたが何もしない !」 でした。

 更に話を聞きますと使っているプレーヤーはDJ用の物だったのです。お客さんはDJ用はプロ用だから良いものだと思っていたそうなのです。
2020/2/27
 当時のプリアンプに付属させていた回路はサブソニックフィルター・ランブルフィルター・ハイカットフィルター・トーンコントローラーです。中には更に工夫を凝らした物もありましたが極々一部の物でしたので割愛する予定です。

 サブソニックフイルターは既に説明しましたので省きます。先ずはランブルフィルターからです。

 ランブルフィルターなどと言っても聞いた事が無い人がほとんどだと思います。ランブルフィルターとはローカットフィルター回路なのです。では、その目的は ?

 ゴロの除去です。ゴロとはプレーヤーが発する低音の雑音の事です。現在は機械加工技術が発達してゴロを出すようなプレーヤーは皆無です。しかし、当時は機械加工技術が未熟でした。更に経済的にも困窮していた時代です。16cmのプレスターンテーブルなども当たり前にありました。それらのドライブ方式は安上がりのリムドライブです。当然低い周波数で振動してしまうのです。その低い周波数を除去するのがランブルフィルターだったのです。当然現在に至っては不要回路です。しかし、しかしなのです。変な話があるのです。

 某お方から久々にサブソニックフィルターである SW を頼まれました。
 さてさて、上述の如く昔の物はこのフラットアンプに色々な付属回路を搭載しておりました。しかし、現在は多くの物が単に音量調整のボリュームのみで付属回路は何も付いていない物がほとんどです。そのような物は私の記憶が正しければ最初の物はクワトレの物だったと思います。50年以上前の事です。確かジュリアス・クワトレとか云う御人が送り出したプリアンプと称するラインアンプでした。ラインアンプとは音声信号が1ボルト程度を扱うアンプを意味します。

 クワトレのラインアンプは私の記憶に間違いが無ければ単にコレクターフォロアーによる2段増幅で非常に簡単な回路だったと記憶しております。しかし、馬鹿高い物でした。要するにそのような高価な物を買えるような極々一部の超高級マニアを相手にした物だったのでしょうね。当然そのようなお方は多くのお方が例えばエレクトロボイスのパトリシアンとか、タンノイのオートグラフ、シーメンスのオイロダインなどのようなスピーカーシステムをお使いのお方を相手にしたアンプだったのだと思います。当時はそれらに比べればJBL(当時はジムラン“ジムブラザースランシング”と呼んでいました)などはまだまだ一般家電品の高級機と言った程度だったと思います。当然我が国にはそれにも相当する物はありませんでした。あったとすればエトーンが巨大なスピーカーシステムを販売していました。しかし、ユニットは確かJBL製だったと記憶しております。

 そのようなスピーカーシステムを鳴らしていますと普通に録音された普通の音のソフトであれば各付属回路は不要です。そんな事もありクワトレは話題性はあっても実用していた話しは聞いた事はありませんでした。

 その後付属回路の一切無いラインアンプは私の記憶が正しければマーク・レビンソンのML-1だったと思います。ML-1に関しては面白い逸話がいっぱいあります。そんな話をしていますと大変な長文になってしまいますので割愛します。

 次回は当時のフォノイコライザー回路内臓のプリアンプに搭載されていた各付属回路についてです。

 
 横軸・縦軸共に広範囲を表示しますので共に指数表示です。これを両対数グラフと言います。この斜線の一点を表示したのが上のグラフと云う事になります。

 この場合は通常はフルボリュームでの特性表示とするのが普通です。何故ならボリュームは中点ですと高域での減衰も共に表示してしまうからです。この件はいずれ説明する事になると思います。ここではその為に測定器のアッテネーターは非常に複雑な回路になっていると説明しておきます。

 更に正確に表示するには本来は歪み率特性も表示すべきと思います。しかし、現在は回路自体が優秀になりその必要が無くなったと云うのが正直なところです。要するに歪み率を表示しますと低周波発信器の歪み率を表示するのとほぼ同じ結果となってしまうからです。

 この事は電圧回路ですと真空管式もトランジスター式も条件は変わらないようです。しかし、真空管式とトランジスター式で大きく異なるのは出力インピーダンスと云う事になります。この事もいずれ説明しなければならない大切な大切な、更にもう一回、非常に大切に事なのです。何せ音質に大きく関係して来ますのでね。

 
クリップ点
出力電圧
入力電圧
 横軸は周波数で、表示範囲は非常に幅広いので対数表示します。

 縦軸は増幅率と周波数特性を同時に表示します。この表示は指数関数で表示しますので通常は1m/m目盛のグラフ用紙(方眼紙目盛)での表示になります。要するに横軸は対数目盛、縦軸は標準目盛の片対数グラフでの表示です。

 入出力特性は下図の表示となります。
数十kHz~100kHz程度
数ヘルツ~10Hz程度
増幅率
周波数
ボリューム
セレクター
EQアンプ等
Q
2020/2/26
 フラットアンプについてです。

 通常は図の構成になります。セレクターで音声信号を受けてボリュームで音量調整します。その後に Q なるフラットアンプで増幅します。実際にはこの増幅作用が問題となります。この問題についてはいずれ説明致します。

 昔はフラットアンプに色々な付属回路を搭載しておりました。前回のサブソニックフィルターから始まり、ランブルフィルター・ハイカットフィルター・トーンコントローラーなどです。これが何故か一瞬にしてほとんどの物が搭載しなくなってしまいました。この理由は後述します。

 ここでは先ずはフラットアンプの性能についてです。
 回路は門外不出で明かしません。私もその程度の秘密があっても許されますのでね。

 この周波数ですと音楽には全く影響を与えずにハウリングにのみ効果を発揮します。更にプレーヤーに少々ショックを与えても何ともありません。効果抜群です。

 これも私が作る物ですので 「軽薄短小」 です。とかく人はオーディオマニアに限らず 「重厚長大、豪華絢爛」 を好む傾向にあります。しかし、私は儒教の元、やはり人は座って半畳寝て一畳だと思っております。何せ私は未だに可能なものならば東北地方の曲がり家に住みたいと思っています。曲がり家の目的は改めて申しませんが人が人として活きる必要にして充分な内容を備えていると考えております。

 知らず知らすの間に道草話しになりました。次回はフラットアンプについてです。 
  或いは現在の多くのスピーカーシステムの低音特性が悪くハウリングの周波数まで再生していないのかも知れません。何せ現在の多くのトールボーイ型スピーカーシステムは60Hz近辺に大きなピークを作り一聴低音が出ているように演出している物がほとんどですのでね。

 しかし、それでは音楽その物は楽しめません。やはり音楽は可能な限り本物に近く、更に楽しく聴くものだと私は思っております。

 そこで私はパッシブ型は諦めてアクティブ型を作りハウリングの問題を解決しました。写真がそれです。回路は各周波数 10・20・30Hz で急激に遮断しています。
 この回路はコンデンサーである C と抵抗である R の時定数によりローカット周波数の基点が変わります。一次の時定数ですので特性は -6dB/oct になります。この定数を10倍にしますと特性は-12dB/octになります。

 しかし、これが実際には幻の理論でありまして、現実にはそのようにはなりません。私の実験では-8dB/octが正しい値であり、それが理由で私は幻の理論だと言っております。

 実際にはそれが原因で当時のサブソニックフィルターはほとんど効果を示さなかったのです。そこでサブソニックフィルターは忘れ去られた回路になってしまったのが現実です。

 しかし、ハウリングは現在でも発生しておます。それが表立った問題にはなっていない理由は恐らくオーディオマニアは余りにも少な過ぎて陰に隠れてしまっているのだと思います。

 
2020/2/12
 サブソニックフィルターとは本来レコード再生時に発生するハウリングを防ぐ為のローカットアィルターを意味します。

 このハウリングは再生する環境により大きく影響されるようで、以前の私の部屋では大変に悩まされたものでした。しかし、現在の部屋になりましたら何故かほとんど発生しません。理由は未だ解りません。恐らく部屋、或いは床の共振周波数による影響であろうと思います。その共振周波数は大変に低い事が推測されます。恐らく10Hz程度が多いのでは ? と思っております。何故なら20Hz程度のフィルターを通すとほとんどの場合に消え去ってしまいます。

 昔のオーディオアンプには多くの物が装備されていてたものでした。しかし、近年は例えフォノイコライザー内臓アンプの場合でも装備されていない物がほとんどになりました。理由は恐らく昔のCRタイプの回路の場合はほとんど効果が無いからだと思います。理由は後述します。

 更なる理由は各メーカーはレコード再生を主体としたオーディオマニアはお客として歓迎していないのかも知れません。何せ現在はCDの時代も通過してデジタル配信により音楽はダウンロードする時代となりました。すると我々オジン族も既に遠く遠く忘れ去られた人類なのかも知れません。とは申せ私は決して寂しくは思っておりません。理由は例えば昔々の衆議院と参議院の存在がそれを物語っていると思っているからです。

 本来参議院の存在は若くたくましい人達が行き過ぎるのを抑制する役割を背負っておりました。しかし、現在はその本来の目的は忘れ去られ、現在の参議院は各政党の数稼ぎになっているとしか思えません。やはり本来の意味を忘れますとそこには弊害のみ残ってしまうのでしょうね。残念ですね。

 さてさて、昔々のサブソニックフィルターの回路は図に示す物がほとんど全てでした。        
 その理由は当時のディバイスは真空管しかありませんでした。すると真空管では一般的に単にプレートフォロアー回路であり直流は増幅しません。更に当時のパワーアンプも当然交流増幅アンプでした。更にまだあります。それは最終負荷であるスピーカーの性能も悪く問題になるまでの周波数まで反応しませんでした。そこが現在に至っては最大の問題なのです。とりあえずここで図の定数をお知らせします。

R1=1kΩ~47kΩ(ボリュームで可変可能)
R2=2kΩ(200ΩでMC可能。更にボリューム式で可変可能)
R3=100kΩ
R4=一般的には100kΩ
C=0.0025μF(組み合わせにて可)

 ※但しQは差動回路による増幅回路であり、更に増幅率は100dB(10万倍)を有している事。

 以上を守ればSPレコードはそれらしく鳴る事は鳴ります。しかし、まだ問題があります。それは78r・p・mと云う高回転による動きによりレコードが反っているとその超低域でスピーカーは前後に激しく揺す振られてしまうのです。それを防ぐためにパワーアンプは例えばオルソン型とかの古い古いタイプを使い、更に当時のスピーカーを使用すればそれらは防げます。しかし、音質は期待出来ません。やはり古い物でも駄目な物は駄目なんです。

 そこで必要となるのがサブソニックフィルターなのです。サブソニックフィルターを入れればスピーカーの激しい前後の振れはなくなります。すると近年の優秀な機器が使える結果となります。

 長くなりましたので次回はサブソニックフィルターの効果と使い方についてです。
Q
R4
R3
C
R2
R1
 その回路は左です。勿論略図です。

 蔵書に載っていた回路には R4 がありません。しかし、その他の参考回路のほとんど全てに R4 が挿入されているのです。実はこの R4 が大変な働きをします。それでは各抵抗・コンデンサーの働きの説明です。

 R1 はカートリッジの負荷抵抗です。これはMC型の場合は多くの物が1kΩが適合するようです。MM型の場合は各カートリッジメーカーは47kΩを推奨しているようですが、実際には10kΩ程度が良い物がいっぱいあるようです。

 R2 はこの回路の増幅率を決定します。

 R3 はSPにはロールオフがありませんのでこの値が最終的には高域の増幅率を決定します。

 問題は R4 なのです。コンデンサーである C は周波数により抵抗値が変わります。この特性を一般にインピーダンスと呼びます。コンデンサーは例えどのような物であっても直流に達しますと抵抗値は無限大に達し直流は流さなくなります。すると図の回路の場合に増幅回路である Q が仮に直流アンプであったとしますと直流までも増幅してしまいます。ここが最大の問題点なのです。

 しかし、当時はこの回路で問題は発生していませんでした。では、何故 ?
2020/2/2
 実はSP盤用フォノイコライザー回路は多くの物がLP発表以後に公表された物ばかりで本来実際に使われていた回路はほとんど公表されておりません。理由は私が申し上げますように問題点が見出されて改造した回路なのです。そこで私の蔵書の中から本来昔から使われていた回路であろうと思える回路を見付けました。それは昭和35年誠文堂新光社が発行した文献でプロ用として発表された回路です。
 このようにメンテナンスを行う事により昔々の古い古い安物のターンテーブルでも現在に至っても立派に役に立ってくれます。

 私はLP用にもう一台プレーヤーを持っております。しかし、それは近年のダイレクト式ですので78r・p・mは付いておりません。しかし、この古いパイオニアのPL21を使えばLPもSPも両方使えます。更に、LP用のスタイラスでもSPもきちんとトレースしますのでこれ一台で充分と言えば充分なんです。

 要は何回も言ってますように 「何を使っているか ? では無く、どのように使っているか ?」 の問題なんです。

 次回はSP用のフォノイコライザーアンプの問題についてです。
 写真はモーターのシャフトに注油するための注油口です。

 現在は多くのモーターはパーマネント型で注油は不要です。しかし、当時のモーターは注油は必ず必要です。これは数年に一度程度で充分です。この時についでにリムのシャフトにも注油すべきと思います。

 この場合の油の種類です。やはり軽負荷の場合はミシン油が最適なんです。ミシン油は潤滑効果のある油の中で最も精製度が高い油ですのでミシン油が最適なんです。
 それはターンテーブルの内側をツルツルになるまで磨き上げる事なんです。

 恐らくガラードをお使いのお方もトーレンスをお使いのお方もターンテーブルの内側を磨いているお方は少ないと思います。これをやりますと見違えるほど回転はスムースになります。

 この場合に何もピカールのような金属磨きなど使う必要はありません。台所で使うクレンザーで充分です。ターンテーブルはほとんど全ての物がアルミニューム製ですので水で洗っても全く問題はありません。但し、余り強く磨きますとアルマイト処理が削れてしまいますので最低の注意は必要です。

 リムのゴムは何故か劣化はしずらいようで私のプレーヤーも数十年問題ありません。

 更に、やる事があります。それは注油です。
2020/2/1
 それではリムドライブ式のターンテーブルを現在に活かす使い方です。
 多くのお方が 「こんな昔の物を使っているのか !」 なんて思うでしょうね。しかし、実際に使ってみるとLPだろうがSPだろうが立派に鳴らしてくれます。私は何もダイレクトドライブにしなくても、更に今更ベルトドライブ式などする必要は無いと思っております。それには使い方の問題があります。この件は後述と云う事で。

 上の写真のターンテーブルの白く写っている物は私の自作のストロボスコープです。しかし、これが現在に至りますと無意味になりつつあるのです。ストロボスコープは蛍光灯の点滅にシンクロさせて使います。しかし、現在は安定器を使った蛍光灯器具がほとんど無くなってしまいました。現在の蛍光灯器具の多くがインバーター式なんです。するとストロボスコープはシンクロしません。なんて時代なのでしょうね。私に言わせると少々行き過ぎなのでは ? と、そのように感じております。ここで少々道草です。それはシンクロとLEDについてです。

 例えば現在はLED式の信号機が増えました。実はLEDはそのまま規定の使い方をしても短時間で寿命を迎えてしまいます。そこで現実的な使い方としては高速で点滅させるのです。するとその状態では寿命は2倍になります。しかし、それでも短時間で寿命を迎えてしまいます。そこでシャント抵抗で緩衝材として使うのです。すると予測不能なくらいに寿命は延びます。その寿命を想定出来ているお方は恐らく居ないであろうと思っております。

 さてさて、何故ここでLEDのお話をしたかと申しますとLEDも使い方次第でストロボスコープを利用出来ると云う事です。それは商用電源をLEDの規定電圧に落としてそのまま半波整流します。勿論コンデンサーを入れてはいけません。するとLEDは商用電源の半分の周波数で点滅を繰り返します。するとその周波数にストロボスコープは反応して動作します。要は何をどのように利用するか ? の問題なんです。それでは商用電源は正確な周波数で送られているのか ? の疑問が生じると思います。それではその答えです。

 非常に正確に交流を刻んでいるのです。それは肝心な発電所がそのように正確な周波数で電気を送っているのです。

 発電機は使用量が増えると負荷が当然大きくなります。そこで原子力発電所も火力発電所もタービンに送り出す水蒸気の量を増やします。それをコントロールしているのが電源の周波数なのです。するとそれに連動して電圧も一定値を保っているのです。

 これは水力発電所も同じで送り出す水の量をコントロールして周波数を基にして電圧もコントロールしているのです。よって、発電所は無駄な電力は発電してはいないのです。ね、電気って不思議で、更に面白いでしょ !

 長くなりましたので続きは次回。
 若いお方はリムドライブを知らないかも知れませんね。その構造は写真のようになっております。

 要するにモーターのシャフトに被せたプーリーにゴム製のリムを押し付けターンテーブルを回します。構造が簡単ですので回転数は多くの物が33、45,78回転を装備しておりました。中には16回転を装備していた物までありました。
 それは写真の物です。私が少々お化粧を施してあります。

 勿論リムドライブ式です。
2020/1/31
 さてさて、78r・p・mのターンテーブルについてです。

 皆様の中にはカラード301や401、或いはトーレンス124型をお使いのお方も多いと思います。ガラードの場合は言うまでもなくリムドライブの典型的な物です。トーレンス124型の場合はベルトドライブ式リムドライブ型です。その他にも78r・p・mで回せるターンテーブルをお使いのお方も多いと思います。

 私の場合は昔々某お方から頂いた古い古いパイオニア製のPL21を押入れの奥から引っ張り出してSP盤を回しております。
 私はそのような物は不要と考えております。何故ならMMやMI・IM型にもっともっと優秀な物がいっぱいあるからです。オルトフォンの各カートリッジは確かに優秀な音質だと思います。我が国の各放送局で使用されているデノンのDL-103も確かに優秀な音を再生していると思います。しかし、何もあのような高価なカートリッジを使わなくても優秀な音を再生するカートリッジは他にいくらでもあります。

 人は時として自らを省みる事が必要なのでは ? と、そのように考えております。

 次回は78rpmのターンテーブルについてです。
 反省だけなら猿にも出来るのですが、反省すれば振り返られます。その時点で己に戻れば先も見通されます。

 これは何もレコード再生に限らず何にでも言える事だと思います。

 このページはとりあえずオーディオのページですのでオーディオに限った事を申し上げますが、例えばMC型カートリッジを使った場合に昇圧トランスを使うのが当たり前と考えている人が多いと思います。しかし、フォのイコライザー自身が充分な増幅率を持っている物であれば何も動作が非常に複雑な昇圧トランスなど使う必要などありません。

 更に現在のオーディオ機器は大変なオーバースペックの物がほとんどです。すると極々一般的なフォノイコライザーアンプでもそのまま接続すれば多くのオーディオシステムは問題なく再生されると思います。しかし、その場合にカートリッジの負荷抵抗は ? の問題が新たに発生します。これは大変な一歩前進だと私は思います。

 その結果の当方の色々なフォノイコライザーアンプとなった訳です。当方の各フォノイコライザーアンプは全てMCカートリッジ対応となっております。当然昇圧トランスを使う必要などありません。すると音質しては伸び伸びとした爽やかな音質で楽しく音楽を聴く事が出来ます。要は 「何故 ?」 の結果なのです。では、良い音を聞くのにMCカートリッジは必要か ?

 私は必要など無いと思っております。しかし、多くのオーディマニアは高価なMCカートリッジを欲しがるし、更にオーディオマニアとしてMCカートリッジが必要不可欠だと考えていると思います。
 人はとかく思い込みには弱いようで、専用となるとそれを使わなくてはならないと云う思い込みか ? 或いは拘りか ? なのです。要するに 「何故なのだ !」 と考えないのです。そのように言う私も ___用 となると何も考えずに無条件で当たり前のように判断してしまっていたのです。
 鉄針の場合は非常に鋭い針ですので  の部分をトレースしていると考えて間違い無いと思います。

 SP用の針先は少々大きいので A 点をトレースしていると考えられます。それに対してLP用の針先は少々小さいので B 点であると考えられます。

 私の言いたい事は音溝の何処をトレースしても結果としては同じであると云う事です。そこで試してみました。その結果は ?

 LP用の針で全く問題はありませんでした。要は音溝の何処をトレースしても結果は同じであると云う事です。
B
A
2020/1/15
 ここからは具体的なSP盤の再生方法についてです。

 ほとんどの皆様はLPはLP用のカートリッジでの再生。SP盤に対してはSP用のカートリッジ(針先)で再生する事が当たり前に考えていると思います。そのように言う私も当然そのように考えとおりました。当然私は以前はデノンのDL-102を使っておりました。

 DL-102はカタログデーターでは高域は10kHzまでとなっていたと思います。10kHzと言いますと現在では決して高音としては扱われておりません。しかし、実際にSP盤を再生しますと 「これで充分 !」 と思えるのです。

 これは余談ですがこの事は何もSP盤に限った事では内容でLP盤でも同じような事が云えるのでは ? と私は思っております。理由はLP盤でもレコードカッターの構造から考えて10kHz以上まで録音されているか ? 否か ? なんです。

 確かにLPはSPに比べれば聞き易い音にはなっております。しかし、録音帯域となると話は少々異なって来ます。これはホワイトノイズとピンクノイズの違いのように聞えます。そのような意味で確かにLPは聞き易い音だと思います。そのような事もあり今でもレコード再生は止まないのだと思います。

 さてさて、ここからSP盤再生用のカートリッジについてです。今でもSP再生用のカートリッジは何種類か販売されております。そのように言う私もシュアーのM44のSP盤再生用のスタイラスを使ってSP盤を再生しております。

 ここでワンポイントアドバイスですが、M44は製造中止で現在は販売店の在庫を探すしか入手方法はありません。更にSP盤再生用の交換針はシュアーからは販売されておりません。入手方法は我が国のJICOで供給しております。JICOはそれ以外にも色々と販売しております。皆様も困ったら先ずは除いてみる事をお勧めします。

 さてさて、人は困ったら先ずは最初に戻ってみましょう。それはレコードは音溝の何処をトレースしているか ? です。
 私も国内プレス盤ではありますが当時のアメリカ録音のSP盤は何枚か持っております。探せばオリジナル盤もありますが高価過ぎて私には買えません。例えばルイ・アームストロングのオリジナル盤となりますと一枚数十万円です。それらは時としてFM放送で流す事があります。その音は音質として許せる音なのです。しかし、私に言わせれば再生方法が余りにも当たり前過ぎましてオリジナル盤の良さを出した再生ではないのです。放送局のエンジニアはその世界のプロではありませんので仕方がありません。

 しかし、このページをご覧になっている皆様は決してプロではありませんがベテランだと思います。すると良い物はもっとその良さを発揮させる技を持っていて然るべきと思います。更に言わせてもらえば少々問題があってもそれを克服して然るべきと思います。それがマニアだと思います。その道しるべを私が・・・。

 いやいや、それは言い過ぎですね。そんな時に部屋やケーブル、その他の小細工程度では悪い物は悪い物にか再生出来ません。やはりアクティブなのです。

 そんな理由で次回はSP盤再生用のカートリッジについてです。
 左は当時使われていたと推測されるカーボンマイクロフォンの実物写真と構造と、更に動作説明文です。湿気に弱かったそうで藤山一郎氏によれば録音時には手を伸ばした位置より近付かないで録音したそうです。

 これらに依る録音のSP盤の音は皆様良くご存知の中音の塊であり、更に歪みの塊のような音であったと思います。しかし、恐らく1950年代に入った頃の録音は決してそのような音ではありません。私も時として聞く事のあるペギー・葉山さんが唄う 「南国土佐をあとにして」 は決してそのような音の録音ではありません。恐らくその頃になるとダイナミックマイクで録音していたのだと思います。とは申せ決して誉められた音ではありませんが、聴けない音でもありません。ここで道草です。

 ペギー・葉山さんは当時その他のジャズ歌手と同じで進駐軍で彼らの癒しの存在でした。当然普段はジャズを唄っていた訳です。それに対して南国土佐は所謂当時の歌謡曲です。録音に反旗を翻した人も居りました。恐らく笈田敏夫氏や市村ブーチャン、先日天に召された旗輝夫氏らだと思います。

 しかし、彼らの意に反して空前の大ヒットだったのです。彼ら芸人や歌手は売れるのが必須条件です。反旗を翻した彼らはその後何を言ったかは記録にありません。

 さてさて、我が国のSP盤の音のひどさの原因は当時の国力にあったのだと思っております。その証拠に当時のアメリカ盤のSPは良い音なのです。
 ヒューズによる最初のカーボンマイクロフォン。二つの金属電極に挟まれたカーボン棒にバッテリーから電流が流される。音波によって棒が振動すると、カーボンと金属の接触点の抵抗値が変わり、電流が変調される。
2020/1/9
 SP盤の音は決して誉められた音ではありませんね。事実私も極一部の物を除いてそのように思っておりました。しかし、それには誤解もあったように思っております。先ずは恐らく1930~1950年代の我が国録音のSP盤の音です。ひどい音の物が数多く残っております。当然そのような物は聞く気になりません。原因は恐らく録音機器にあったのだと思います。
 写真は私が所有している当時の普及品の蓄音機です。とりあえずは完動品です。しかし、やはり普及品は普及品でしかありません。再生音はとてもとても聞けた音ではありません。しかし、このような機器で聞くと何故かその音を許してしまうのです。原因はその時は私の脳のモードが当時のモードに入り込んでいるのだと思います。そんな時は何故か当時我が屋の縁側で聞いた時の思い出が呼び起こされているのです。それは何度も申し上げますが私のオーディオの原点であるペキー・葉山が唄う 「南国土佐をあとにして」 なのです。

 しかし、私は過去にそのまま活きたくはありません。私は昔々の音をそのまま残して現在可能な限りの再生機器で再生する事に可能性を感じておりました。そこで当時の電気再生の資料を漁り回して問題点を探りました。すると問題点が出るわ出るわで、更に現代に於けるSP盤の再生に挑戦する結果となった訳です。

 その結果のフォノイコライザーアンプとして最も簡単な型番SPであったり、最終的な型番であるSPFに至った事になります。

 勿論その他にも色々な問題がある事に気付きました。それらは何もここで全てを申し上げるつもりはありません。理由は 「今更・・・」 なのであります。

 次回に続きます。
2020/1/7
 遅ればせながら 「明けましておめでとうございます」

 年末年始共に大酒を喰らいながら何もせずにグタグタとして送っておりました。とは申せ暮れに落とした柿の木の枝の処理に追われておりました。しかし、四日間程度と予想していた日程が大きくずれて未だ処理分として二日程度の日数は必要なようです。

 さてさて、お約束のSP盤の再生方法についてです。とは申せ今更何故SP盤なのか ? についてです。

 私にとってSP盤の意味は 「当時の音に魅力を感じる」 からです。勿論当時の音はとてもとてもハイファイとは言えません。しかし、何故か郷愁を覚えるのです。とは申せ私が物心が付いた時には既にLPの時代に入っておりました。しかし、当時は我が国は貧困の真っ只中でした。LP再生の装置などは極々限られたお宅の超贅沢品の時代でした。勿論我が家で買える物ではありませんでした。

 こんなお話をしても切がありませんね。そんな理由で 「現在に於けるSP盤の意味」 についてです。それは 「当時のその時の音が聴ける」 なんです。例えばフランキー・レインやビング・クロスビーらはSP時代とLP時代にまたがった方々です。フランキー・レインを我が国で有名にしたローハイドは既にLP時代に入っておりました。当然SP盤のローハイドはありません。ビング・クロスビーは多くの曲はLP時代の録音です。しかし、数は少ないのですがSP盤が現在でも残っております。私が欲しいと思っているのはトニー・ザイラーの 「白銀は招くよ」 なのですが何処を探してもありません。恐らくSP盤の時代だと思うのです。しかし、ひょっしたらLPの時代になっていたのかも知れません。何せ私が子供時代の事なので解りません。

 トニー・ザイラーなどと言ってもほとんどの人は知らないでしょうね。世界最初のスキーの三冠王です。そのトニー・ザイラーは何故か歌も唄っていたのです。勿論ドイツ語です。お持ちのお方が居りましたら是非とも連絡を下さい。お待ちしております。

 クラシック音楽に関してはフルト・ベングラーなどはほとんどがSP時代に活躍したお方です。その後彼の専属オーケストラとして録音用に組まれたオーケストラは皆様ご存知コロンビアオーケストラです。

 しかし、新しいメディアは多くの物が 「以前の方が良い !」 と言われたそうです。それは近年(?)のCDへの移行時にも同じ事が囁かれました。確かにCDが発売された当時はCDの音は違和感を感じたものでした。何故か耳障りな不快感を感じる音だったと思います。

 しかし、時代は進歩するもので、今やCDと言うよりもデジタルデーター音と表現すべき時代となり以前と比較すると格段の進歩だと私は思います。そんな時代に 「今更何故SPなのか ?」 なんです。

 SP盤は録音帯域は狭いし、シェラック独特のノイズはあるしでとてもとてもハイファイとは言えません。しかし、何故かそんな音なのに生々しさを感じる音なのです。それを感じているのは私だけでは無いようで 「私はSP盤しか聴きません」 とまで言うお方まで居ります。その原因は恐らく当時の何もしない(出来なかった)音に魅力を感じるだからだと思います。何せ現在のデジタルデーター音は何でも出来てしまい、生々しさがその度に失われて行くのです。それを端的に感じるのはSP盤をCDで復刻した音でハッキリと感じ取れます。

 それらは確かに聴き易い音には仕上がっております。しかし、その分臨場感が失われている音なのです。その臨場感とは恐らく録音時のノイズであったり、当時の歪み感であったりするのだろうと思います。しかし、当時の再生機器はそれらを正確に再生していたとは思えません。すると当時の物は当時の再生機器で聞くべきなのか ? なのです。
 このオーバーハングはこの方法しか無いと思います。しかし、果たしてオーバーハングはそこまで正確に調整する必要があるのか ? 少々疑問ではあります。そんな事を意識するよりもいっその事直線アームを使用してしまった方が精神衛生上良いかも知れません。

 しかし、オーディオマニアにとってはこのような細々した作業も楽しいものだと思います。

 次回はSPレコード再生についてです。 
 私の場合は最も細いシールド線でステレオ仕様に改造して、更に写真のようにジョイントボックスを作り幾らかでも使い易く改造して使っております。オーバーハング(アームの取り付け位置)がこれまた面倒な作業となります。私の場合は写真のようにオーバーハングを決めました。
 オイルダンパーアームは今でもヤフオクで出品されます。メーカーは私が使っているグレース、あるいはヤマハ、東京サウンドです。しかし、それらは全てモノラル仕様です。よって、ステレオ仕様に改造する必要があります。その他多岐に渡り色々と改造したり、厄介な調整を行う自信のあるお方は挑戦してみてはと思います。
 以前この手のアームを使って 「妙な音がした」 と言ったお方がおりました。原因は恐らく内部に入れるシリコーンオイルを入れ過ぎたのだと思います。その昔のカートリッジはコンプライアンスが低く動きを制御するシリコーンオイルは少々多くても問題は起こりませんでした。しかし、現在の少々神経質なカートリッジの場合はシリコーンオイルは少なく少なくして使わないと思わぬ誤動作を起こします。要は何を使っているか ? では無く どのように使っているか ? なんです。
 この手のアームはアメリカのグレイとマイクロトラックが10年程前まで作っていたと記憶しております。しかし、現在は知りません。恐らく生産は止めていると思います。何せこんなに使い辛い物を好む人は非常に限られていると思いますのでね。
  部分は空洞になっており、その部分にカートリッジにより色々な錘を入れる事により針圧調整を行います。この作業が厄介なんです。その構造は下図です。
 本当はリムドライブのターンテーブルが欲しかったのですが既に状態の良い物が見当たらず仕方なしにビクターの安物のダイレクトドライブのターンテーブルを使っております。

 オイルダンパーアームは50年程前までは当たり前に使われていたアームです。この手のアームは構造上カートリッジの交換は大変に厄介です。それが原因でSMEはパイプアームを開発したのだと思います。オイルダンパーアームは別名一点ふらふら型と言いまして左右のバランスはその名の通りふらふらです。その為にメインウェイトは写真のように下に位置させ安定を保っております。
2019/12/29
 今回は自家用の妙なプレーヤーの紹介です。

 私は約10年程前に一度レコード再生は止めておりました。理由は古い物に固執するのは仕事上問題があると思ったからです。しかし、リニアーICでのフォノイコライザーに可能性を感じ、再度レコード再生を再開しました。しかし、以前使っていたような当たり前の物には関心が行かず写真の古い古いオイルダンパーアームを入手して使い辛いのを承知の上で使用しております。
ラスター型番不明
オルトフォンAS212
SME3012
2019/12/28
 アームには色々とあり楽しい時代だったと思います。ここでは昔々のクリスタルカートリッジの時代に多用されていたプスチックアーム時代は対象外としてその後の時代からにしましょうね。

 アームの形状を大きく変えたのはSMEからだと思います。私もSMEに憧れて国産アームが数千円程度で買えた時代に32.000.-もしたSMEの3012を無理して無理して買ったものでした。しかし、SMEは調整が大変で未だ正しく使えていたのか ? 疑問が残っております。

 反面メインウェイトしか無かったオルトフォンにも興味があり確かAS212だったと思いますが限定品を買いました。18.000.-だったと記憶しております。果たしてどちらが正しいのか ? 未だ疑問です。その理由は結果としてどちらも音質としては変わりませんでしたからね。

 SMEの場合は趣味が高じて作ってしまったアームです。その為に可能な限りの調整が可能でした。その流れは現在にも至っております。その逆にオルトフォンの場合は放送局用として普及したいわばプロ用です。

 プロの場合は使う側の人はオーディオマニアではありません。すると普通の音が普通に再生されればそれで良しです。しかし、SMEのようにオーディオマニアを対象として作った物は使う側を楽しませる必要があります。すると可能な限りのアクセサリーを用意する必要があったのでしょうね。しかし、実際にはあの調整は大変なのです。恐らく全て正しく使っている人はほとんど居ないと思います。

 ラテラルバランス(左右のバランス)の場合は特に調整が難しく苦悩の種でした。当時は中にはラスターのアームのようにS字型アームにも関わらずラテラルバランスのウェイトが付属している物までありました。要するに理屈に合わないのです。ラテラルバランスはSMEのようにL字型アームですと左右のバランスが取れません。そこでそのバランスを取る為の物です。ラスターの場合は単に人目狙いの物だったのでしょうね。

 その点インサイドホースキャンセラーの調整は簡単でした。私は当時販売されていたテストレコードを持っておりましたので、中ほどの無音溝から外れないように調整しておりました。しかし、果たしてそこまでの調整が必要なのか ? 未だ納得しておりません。

 その他色々と楽しく遊ばせてもらったのは確かな事ですのでそれはそれで良かったのでしょうね。そんなこんなで私の解る範囲で何回かに分けてご紹介致します。

 次回は私の自家用プレーヤーについてです。
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2019/12/27
 今回からアームについての予定でした。しかし、忘れていた事がありました。それはヘッドアンプについてです。

 ヘッドアンプとは当然昇圧トランスに代わる増幅率約20dBのフラット特性のブーストアンプです。しかし、実際にはそれ程普及していないようです。何故なのでしょうね ? 私にも解りません。但し、私は昇圧トランスを使うよりもヘッドアンプを使うべきだと思っております。理由は以前までの説明で皆様はお解かりと思います。

 さてさて、ヘッドアンプは実際には少々問題があるにはあります。それはSN比の問題です。とは申せ実際にはヘッドアンプその物のSN比ではありません。ヘッドアンプの次に接続されるフォノイコライザーアンプにあります。何せフォノイコライザーアンプは多くの物が増幅率40dB(1kHzで100倍)の増幅率を持ちます。するとヘッドアンプが発生するノイズもその分増幅してしまいます。これが問題なのです。ここでアンプのSN比について考えてみましょう。

 SN比とは当然シグナル(S)とノイズ(N)の比率です。この場合にオーディオマニアは可聴域でのノイズを考えます。しかし、弱電業界でのノイズとは全ての帯域に対するノイズを指します。要するにノイズの成分が問題になるのです。例えば数十キロヘルツは人には聞えません。するとその帯域のノイズが相当に含まれていたとしても現実のSN比は良いと判断されてしまいます。しかし、可聴域のノイズは少々含まれていただけでSN比は悪いと判断されてしまうのです。このノイズ成分は各ディバイスにより偏りがあるようです。

 更にヘッドアンプのノイズは使う側でも問題があります。それはボリュームを必要以上に回してスピーカーからノイズが聞えると 「SN比が悪くて使えない」 と判断してしまうのです。要するに使う側の身勝手が無意味な答えを導いてしまうのです。当然作る側としては 「そんな物は作らない」 と云う事になります。

 しかし、当方が作るフォノイコライザーのようにフォノイコライザーアンプで一気に増幅しますとその心配は無いのです。要するにフォノイコライザーアンプに使う一個のリニアーICのノイズしか出ないのです。すると当然SN比の苦情はありません。このようなテクニックはどのメーカーも行っているのです。要するに 「騙しのテクニック」 なのです。

 このようにして問題点を一個々々つぶしている間に私は何と60年も経ってしまいました。自分でも 「バッカじゃないの ?」 なんて事も思いますね。

 次回はアームについてです。

余談ですが   No..19