しかし、オーディオマニアはMC型を使った場合に何故か昇圧トランスを使います。原因は単に昔からの慣習としか言いようがありません。要するにMC型使用の場合は昇圧トランスを使うのが当たり前とする固定観念なのです。しかし、この場合に昇圧トランスの動作は音楽信号の場合は非常に複雑な動作をします。その結果音像がハッキリとせずいい加減な音になってしまいます。やはりカートリッジは固定した抵抗値で動作させるべきだと私は思います。

 さて、ここで再度の説明になりますが、増幅率60dBはあくまでも1kHzの場合であって20Hzに達しますとその10倍の増幅率が必要です。その増幅率は当然80dB(1万倍)です。更に、この場合でも増幅率として充分なマージンが必要です。すると結果として真空管では基本的に無理な状態に達します。

 そのような意味で当方で使用しているリニアーICの増幅率は100万倍の物を使用しているのです。多くの業界で多用されている5534も規格表では100万倍の増幅率を持っているようになっております。しかし、何故か実際にはそのようにはなっていません。何か変なのです。更に規格表ではそれ以上の増幅率を持っている物があります。しかし、それらの多くの物が一般市場には出回っていないのです。少々残念ではあります。

 ここまでカートリッジに纏わるお話をして来ましたが何か質問がありましたらお電話を頂ければ解る範囲でお答えしたいと思っております。

 次回はアームについてです。但し私はアームについてはそれ程詳しくはありませんのでご容赦願う内容も多いかと思います。その場合はご容赦願います。
 写真は当方の a7N ですが、増幅率は22~60dB(約16倍~1000倍)に及びます。更に入力インピーダンスは1kΩ~101kΩに及びます。すると当然MC型を直に接続出来ます。

 増幅率に関しては再生装置の全体の効率に依りMC型の場合でも必ずしも1000倍の増幅にする必要はありません。特に近年のオーディオ機器はオーバースペックの物がほとんどとなっており多くのオーディオ装置はMC型使用で40dB(100倍)程度で充分に鳴ってくれます。
 Q のリニアーICの内部回路はほとんどの物が差動回路となっております。理由は扱うのに簡単ですし、更に優秀な性能を示すからです。実際に増幅回路は無限大の増幅率、無限大の入力インピーダンス、ゼロの出力インピーダンスが理想の増幅回路なのです。これを満足するには完全とは申しませんが差動回路に依るリニアーICが最も優れていると言えます。このように考えますと真空管は落第なんです。

 図の回路の場合は正相回路に依るイコライザー回路です。増幅率は R2 と EQ(R3) 値で決まります。その計算式は

A=【R2+EQ(R3)】/R2

 です。要するに R2 の値を変える事で簡単に増幅率が変えられます。更に R2 には電流は流れておりませんのでこの抵抗はボリュームに置き換える事が可能なのです。

 更に入力抵抗である R1 もボリュームに置き換える事も可能です。これを利用したのが当方のフォノイコライザーです。
Q
R2
R1
EQ(R3)
2019/12/26
 過去何回も真空管はリニアーICには叶わない事は申し上げてきました。しかし、何故か多くのオーディオマニアは真空管が好きなようです。そのように言う私も基本的には真空管は好きです。理由は何故か真空管には郷愁を感じるからです。しかし、果たしてそれだけで実際に真空管を使う必要があるのか ? 甚だ疑問です。

 そのような意味もあり今回はリニアーICを使って増幅率を簡単に可変する方法を説明致します。
 この事が起因してフォノイコライザーの増幅率は40dBが当たり前と扱われていた事になっていたのです。要するに真空管の決定的な欠点によりユーザー不在のオーディオ機器になっていたと言えます。私が言いたい事は 「これで良いのか ?」 なんです。

 趣味の世界とは 「悪い事さえしなければ何をやっても許される」 から楽しいのだと言えます。例えばステレオ当たり前の現在であってもモノ再生でも許されてしまいます。更にデジタル時代の現在であってもSPレコード再生で楽しんでも許されてしまいます。それどころかSPレコードは時代背景もあり実在感のある音質で各楽器の実在感のある音で音楽その物を味わう事が出来ます。それはそれで楽しい物だと私は思います。

 今回は当たり前を当たり前として扱ってしまう多くの人々への警鐘の積りで一例を挙げて訴えてみました。当然の如くこの他にも実際は当たり前では無い事がいっぱいあります。私も残された時間は少なくなってきました。その限られた時間で許される限り世の中の常識と思われていた事に目を向けて 「常識は非常識」 である事を訴えて行きたいと思っております。

 次回は増幅率を変える方法についてです。
Q1
 R1はグリッド抵抗です。これは音声信号側の付加抵抗を兼ねております。一般的なカートリッジの場合はこの抵抗値を変える事によりカートリッジからの音質を微妙に変化させる事が出来ます。この時に音声信号がありませんと R1 には電位差は発生しません。Q1 のグリッドとアース電位は同じです。これはイマジナリーアース状態である事になります。

 Q1の動作は R2 と R3 の値により動作基点が決まります。これを自己バイアス回路と言います。 C は交流は通しますが直流は通しません。よって、直流に関しては C は無関係となります。

 この回路の増幅率は

A=【R2+EQ(R4)】/R2

 となります。EQ(R4)は時定数を持ちますのでRIAA特性に則った値にする必要があります。すると R2 の値を変える事により増幅率を可変とする事が出来ます。しかし、Q の動作基点は R2 とR3 の合計した値で決まります。当然増幅率を増すために R2 の値を小さくしますと Q の動作基点が変わってしまいます。

 これは真空管式の場合は増幅率は安易に変えられない事を意味します。
EQ(R4)
C
R3
R2
R1
2019/12/25
 本日のお題は 「当たり前は常識外れ」 です。それは人は余りにも当たり前を安易に受け入れていると云う事です。

 図は真空管式のフォノイコライザー回路です。ここに重大な問題があります。
 +40dBとは実数に戻すと100倍です。この場合にほとんどのフォノイコライザーの回路は12AX7(ECC83)に依る2段増幅回路です。しかし、何故かマランツ7やマッキントッシュ22は3段増幅だと言う人がおります。しかし、両者共に3段目はカソードフォロアーですので増幅はしません。あのカソードフォロアー回路の目的は出力インピーダンスを低く抑えるためであり増幅目的などではありません。

 話しを元に戻します。12AX7は基本性能として裸の増幅率は100倍です。それを2段重ねておりますので合計一万倍となります。これをデシベル表示しますと80dBです。この場合に1kHzでの増幅率が40dBですので20Hzでは必要増幅率として60dBとなります。一万倍は80dBですので20dBのマージンがあります。すると回路として成立します。

 問題はMC型をフォノイコライザー回路で直接増幅した場合です。MC型の場合はMM型に比べて10倍程度の増幅率が要求されます。すると合計80dB(一万倍)が必要です。すると12AX7の2段増幅の場合は理論上の増幅率は足りている事になります。しかし、現実としてはほぼ不可能なのです。その理由は近年の12AX7は100倍の増幅率を満足している物はほとんど無いのです。これは現実なのです。

 この事は私が実際に実験しましたので確かな事なのです。その後近年の12AX7の裸の増幅率を測定した結果70倍程度の物がほとんどだったのです。その事があり私は真空管式のフォノイコライザーは作っていません。更に、もし仮に100倍の増幅率がある12AX7があったとしても20HzではNFBはゼロになってしまいSN比が悪くなって使い物になりません。 

 その結果やはり増幅率抜群のリニアーICに真空管は叶いません。しかし、リニアーICにも物に依り使えない物もあります。各放送局で多用されている5534は増幅率が足りませんのでMC型には使えません。

 更に真空管式フォノイコライザーには決定的な欠点があり増幅率可変の回路は現実として出来ません。これに関しては次回と云う事で。
2019/12/24
 先ずはフォノイコライザー特性についてです。

 右はRIAAの録音特性と再生特性です。中心周波数1kHzに対して20Hzでは約+20dB(10倍)の増幅率が必要です。

 この場合にほとんど全てのフォノイコライザーは1kHzに対して+40dB(100
倍)が普通です。この値は昔からの慣習に依っている事は既に申し上げました。ここで少々余談ですが何も+40dBに拘る必要などありません。これは使用しているシステムの全体の能率により大きく異なる事を念頭に入れておく必要があります。

 この事は今論じますと話が先に進みませんのでこれはこれで良しとしておきます。

 さてさて、この場合に例えば真空管式のフォノイコライザーで考えてみます。
 そのような意味で私は昔から昇圧トランスは使っていませんでした。更に理由はもう一つあります。それは昇圧トランスの値段です。小指の先ほどの小さなトランスが何故あれ程に高いのか ? なんです。

 しかし、中には一個数キログラムに及ぶ巨大な昇圧トランスもありました。僅か数ミリボルトの電圧を扱うのにあの大きさはなかろうと思ったものです。

 そのような思いがあり私は昔からトランスはほとんどの場合に好んで使いませんでした。それはパワーアンプの場合にも当てはまり、私は真空管式パワーアンプの場合でもOTLアンプを好んで使っておりました。それらは今でも手元に置いてはあります。が、しかし、今は使っておりません。理由はあれ程の電力を使うのは余りにも無駄だと思うからです。

 しかし、それが許されてしまうのが趣味なのでしょうね。不思議な不思議な趣味の世界なのであります。

 次回は昇圧トランスに代わる昇圧方法についてです。
  がその抵抗値です。この逆起電力は  の周波数により変化します。すると例えば昇圧トランスの場合は抵抗値と共にその時の周波数を併記する必要があります。例えば __kΩ/__Hz のようにです。

 しかし、多くのメーカーはそれを表記しておりません。しかし、実際には数Ωの表記はあります。あの値は直流値なんです。すると本来は __Ω/DC と表記すべきなんです。例えば 3Ω/DC のようにです。しかし、ほとんどのメーカーはそのように表記しておりません。

 これは何もメーカーだけの責任ではありません。例えば 1kΩ/1kHz と表記しても音楽の音声信号は非常に広範囲に及びます。すると上述の表記はほぼ無意味となってしまうのです。よって、改めて表記しない事に繋がります。更に、オーディオマニアの多くのお方はそこまでの知識は持ち合わせておりません。それも表記しない一要因となっていると推測されます。

 以上の説明で昇圧トランスで音楽信号を扱う場合に非常に複雑な動作を司っている事がお解かりになったと思います。よって、私はMC型カートリッジを昇圧トランスで昇圧して使う事はお勧めしません。やはり固定抵抗で一定の付加抵抗値で増幅すべきと思います。

 すると当然ヘッドアンプでの昇圧が正しい使い方だと思います。しかし、多くのオーディオマニアはヘッドアンプを使用しようとしません。原因は恐らく昔からの慣習の上に則っているとしか思えません。
2019/12/23
 今回はお約束通りカートリッジの負荷抵抗値についてです。更に、イコライザーアンプの増幅率まで行けたら行きます。

 MM型は47kΩ、MC型は昇圧トランス。これは固定観念以外の何物でもありません。

 先ずはMM型の47kΩからです。これは誰がいつ決めたのか定かではありません。但し、MM型開発当時に何処かのメーカーが推奨値として公表したのだろうと思います。ひょっとしてRCAあたりが犯人かも知れません。

 私はフォノイコライザーの作り方を理解した当初から付加抵抗値可変で楽しんでおりました。勿論数十年前のアマチュア時代の話しです。その結果物によって10kΩで聞き易い音であったり、50kΩが良かったりで適切な値などは無いと確信しておりました。更にレコードの録音状態によっても負荷抵抗値を変える事により音質に大いに影響を与えたりもしました。その結果私の作るフォノイコライザーは付加抵抗値可変としているです。

 この付加抵抗値可変とするのは簡単な事なのです。例えば真空管式の場合はグリッド抵抗を可変とすれば良いだけの話です。では、何故各メーカーはそれをしないのか ? 答えは簡単です。それは各メーカーのアンプ設計者はオーディオマニアではないからです。要するに設計者は音などどうでも良いのです。要するに当たり前の音が出ればそれで良しなのです。オーテ゜ィオマニアをないがしろにしているのです。

 そこで私は考えました。カートリッジの付加抵抗値可変ボックスを作ってやろうか ? なんです。しかし、その場合はフォノイコライザーアンプの47kΩが並列に入ります。すると単にボリュームを入れただけでは動作として指数関数上の関係になります。要するに調整が難しくなってしまいます。すると切り替え式するか ? なんですね。少々厄介な内容になりますので再考する必要がありますね。

 次なる問題点はMC型の場合です。MC型はその構造上出力電圧は多くの物が0、3mVです。するとフォノイコライザーに入れる電圧にして約10倍(20dB)増幅してやる必要があります。これも実は問題があるのですが、その問題に関しては後述します。

 問題は昇圧トランスなのです。トランスですので当然インダクタンスを持ちます。インダクタンスとは周波数にり抵抗値が七変化する厄介な性質を持ちます。音楽の場合は周波数は絶えず変化します。更に違う周波数が同時に存在します。それを一つのトランスが扱う事になります。こんな厄介な話はありません。よって、私は昇圧トランスを使う事はお勧めしません。ヘッドアンプの方がよっぽどましです。しかし、そのような事をせずにフォノイコライザアンプで一気に増幅してしまった方がわっぽどましです。しかし、これは真空管時代には出来なかった事なのです。何故なら真空管はそこまでの性能が無かったからです。

 さてさて、インダクタンスとはコイルに発生する逆起電力に依る抵抗値の事です。
2019/12/20
 久々の更新です。更新が滞っていた理由は格別ありません。次のお題が中々決まらなかっただけの話しです。更に少々公私共に忙しくホームページがなおざりになっておりました。お詫び申し上げます。

 さてさて、今回からのお題はオーディオの基本から考え直してみようではないかと考えました。よって、遠大の内容になります。恐らく長期に渡ってのお話になる事が予想されます。そこで先ずは音の入り口のオートリッジからにしましょう。

 私の子供の頃はカートリッジと言えばクリスタル型でした。その後セラミック型となり湿気には少々強くなったようです。クリスタル型の素子はロッシェル塩だったそうです。それ以上は私も知りません。その後セラミック型となりましたが性能や音質はほとんど変化は感じませんでしたね。理由は恐らく当時の再生機器にも大きく影響されていた事にも起因していたと思います。

 セラミック型は圧電型とも言います。ガスコンロの点火装置に使われている物と同じです。ボイラーの点火装置にも使われておりますが、それも面白い話があるのですが、話は少々長くなりますので割愛します。

 セラミック型は振幅により発生電圧が比例しますのでイコライザーは基本的に不要です。更に発生電圧が高いのでラインアンプにそのまま接続出来ます。しかし、音質に大きく問題があり現在ではほとんど使われていないようです。

 その後我が国もある程度裕福になりマグネチック型が主流になりました。但し、私の記憶ではムービングコイル型(以後MC型と表記)が先行していたように記憶しております。理由は恐らくムービングマグネット型(以後MM型と表記)に使えるような優秀な磁石が無かったのだと思います。その点MC型の場合は大きな磁石が使えます。私の思いますにそれしか原因として考えられません。

 その後優秀な磁石が開発されMM型が持てはやされるようになったと記憶しております。しかし、MC型は構造上高価になります。すると 「高い物は良い物だ !」 で現在に至ってもそれが固定観念としてオーディオ界を賑わしている事になります。

 そのように言う私も以前はMC型を好んで使っていた時代がありました。しかし、その後MM型・MI型(ムービングアイアン型)・IM型(インデュースドマグネット型)等など色々と使いました。その結果例えばB&OやADCの物が遜色無く優秀な音質であった事を思い出します。エンパイヤーなども優秀な音だったと思います。

 よって私は現在はシュアーの安物のMM型をLP・SP共に使用しております。大切なのはカートリッジよりも音の出口であるスピーカーが最も大切なのだと思います。

 そもそもカートリッジは余りにも高価過ぎます。あんな小指の先程の小さなもので何で何十万円もするのか ? 宝石ではあるまいしユーザーをバカにしているとしか思えません。更に針交換は変です。ダイアモンドと塩ビの摩擦で何でダイアモンドが減るのか ? それは理化学上あり得ない事なのです。

 しかし、メーカーもそれは知っている筈なんです。知っていながら平気で針交換と称して何万円も取っているのです。カートリッジはある程度使いますと確かに音質は劣化します。その原因は針先にこびり付いた汚れなのです。しかし、そのこびり付いた汚れはブラシなどでは落とせません。そこでファインカッターを使うんです。お歳を召したお方には少々厳しい作業ではあります。その時はルーペを使って拡大して汚れを削り落とすんです。すると新品の音に蘇ります。騙された積りでお試しあれ ! 

 次回はカートリッジの負荷抵抗値についてです。
 すると導線で音質が変わる要素として普通に考えますと被服だと考えられます。その場合に多くの電線の被服はビニールです。ビニールは当然静電気を発生します。しかし、静電気は基本的には動かない電気です。だから静電気と呼んでいるのです。例えばこれが電源トランスの動作に何らかの影響を与えたとします。しかし、オーディオ機器の場合はほとんど全てのディバイスは直流素子です。当然整流してディバイスに送り込みます。すると例えばディバイスの耐圧を超えた電圧を与えれば当然ディバイスは破壊してしまいます。雷ではあるまいしそのような話は聞いた事がありません。すると何が音質に影響を与えているのか ?

 考えれば考える程不思議なんです。すると被服に含まれる顔料か ?

 顔料は例えば黒の場合はほとんど全てが炭素(カーボン)です。炭素は電気は通しません。それが例えば一部は結晶化して黒鉛(グラファイト)になっていたとします。黒鉛は電気を通します。するとそれが音質に影響しているのか ?

 しかし、被服の黒は普通は複数ある導線の内一本のみです。他は白であったり赤であったりします。白の場合の顔料は恐らくアルミナだと思います。アルミナとはアルミニュームの酸化したした物であり電気は通しません。

 赤の場合は恐らくカドミウムだと思います。但し、カドミウムは非常に高価な物であり電線の被服に使うとは思えません。ひっとするとこの辺りに何らかの作用があるのかも知れません。

 以上の事を色々と考えてみますと無難なケーブルは前回ご紹介した丸打ちコードなのかも知れません。要するに何の影響も受けずに平凡な音なのかも知れません。

 いずれにせよ私には答えは解りません。実に不思議な現象なのです。しかし、オーディオの世界は電線だけに留まりません。何とCDRにより音が変わるなんて事を言い出す人も居ます。CDRに録音されているのは信号ではありません。デジタルデーターです。要するに 「1」 か 「0」 です。それをマルチビットで信号に変換するか ? ワンビットで信号に変換するか ? です。これで音が変わるなど言い出したらきりがありません。だからオーディオは楽しいのですかね ?

 次回のお題は決まっておりません。
2019/11/28
 導線は特高ケーブルは例外としてほとんど全てが銅です。銅は基本的に一種類しかありません。例えば写真は電車の架線です。これは引き抜き材ですので硬銅になります。

 銅やアルミニュームは圧延材もありますが断面が少々複雑な物は型を通して引き抜き方で作ります。すると銅もアルミニュームも硬く仕上がります。

 銅の場合は普通は軟銅です。電線の場合はほとんど全てが軟銅です。しかし、オーディオ業界では昔 OFC と呼ばれた巨大化結晶の銅線が持てはやされた時代がありました。詳しく知りたいお方は 「銅 OFC」 で検索しますとネット上に詳しいページがあります。

 この OFC は素材は普通の銅で引き抜き材ですので硬い硬銅となり使い辛い事もあり近年ではほとんど顧みられなくなったようです。

 確かにビニールや、その他化成樹脂の場合は静電気を帯びます。しかし、電源ケーブルの場合は導線には交流が流れております。すると静電気は打ち消されて消磁されてしまいます。すると静電気は電源の周波数の二倍の速度で帯電・消磁を繰り返している事になります。ひょっとしてこれが音質に影響しているのか ?

 私はそのようには思えません。しかし、しかしなんです。確かに電源ケーブルによる音質の差はあるのです。これは極端な音質の差がある場合の話しですが、片や柔らかさを感じる音、片や鋭さを感じる音があるのです。理由は私には解りません。

 私は自分で理解出来ない内容に関しては触れない事にしているのですが不思議な事実なのです。

 この話は自分として究明したいと考えてはおります。しかし、恐らく答えは出ないと思います。とは申せそれでは話は面白くありません。よって、もう少しこの話は続けたいとは思います。果たしてこの話は続くか ? 疑問と云う所で次回に続きます。
 写真は私の試験用のパワーアンプと電源ケーブルです。

 このケーブルは丸打ちコードと言いまして昔は熱を持つ家電品にはJISで使う事を義務付けられていたコードです。

 この丸打ちコードは静電気を帯びないと云う事で持てはやされていた時期がありました。最近は何故かバカ高いケーブルに皆様の視線が向いているようです。しかし、皆様考えてみて下さい。どまようなケーブルでも導線は銅線です。

 銅には確かに純度はあります。しかし、その純度とは銅通に影響を及ぼす素材に対する純度なのです。例えば鉄が混ざっていれば銅通に影響を及ぼします。その場合は銅の純度として総合した値に表されます。しかし、例えばカーボンは結晶していない状態の炭素です。炭素は結晶していませんと電気は通しません。その場合は銅の純度には表されません。

 しかし、炭素が結晶しますと名前も黒鉛に変わります。黒鉛に変わりますと電気を通します。更に空気中では潤滑作用も発生します。これを利用したのが巻き線型モーターに使われるカーボンブラシです。

 この場合は銅の純度に影響しますので銅の純度として表されます。しかし、現在の銅の純度はほとんどの物が99.9パーセンに達しております。これが私は音質に影響があるとは思えないのです。  
 2019/11/20
 久々の更新です。理由は決して病気などではありません。ここの所何故か仕事とプライベートのすり合わせが円滑に進まずバタバタとした毎日でした。

 先ずは柿取りから始まり今年は柿の木の枝の伐採を大々的に行いました。要するに木の若返りです。柿に限らず実の成る木は定期的に伐採しませんと小枝ばかりが増えて始末がつかなくなってしまいます。そこで数年に一度大々的に伐採する必要があります。

 長いはしごを掛けて、更に案全帯を胴に巻いての作業です。幹を落とす時は小型のモーター式チェーンソーでの作業です。少々怖い作業です。とは申せそんな事を言っても始まりません。度胸を決めて 「気合」 です。

 無事に作業は終わりましたが未だ落とした幹や小枝の始末が残っております。その作業は数日掛かりますので再度バタバタの日々が続きそうです。

 さてさて、今回は予定を変更して 「果たして電源ケーブルで音は変わるか ?」 についてです。

 
2019/10/25
 さてさて、多くのオーディオマニアは何故か重厚長大な音や装置がお好きなようなんです。しかし、私はその逆で基本的には軽薄短小が好きです。しかし、しかしなんです。低音に関しては全てはウーハーのサイズが全てと言って間違いありません。いくら小型のウーハーで振幅を大きく取ってもコーン紙は空振りをするだけで音にはなりません。

 しかし、近年のトールボーイ型スピーカーシステムの場合は小さなウーハーで、コーン紙を思い切り重くしてオーバーシュートを意識的に増やしております。すると何故か低音らしい音で量感を感じるのです。すると多くのオーディオマニアは低音が出ていると勘違いして満足してしまうのです。これがそもそもの間違いの基なんです。

 更に問題はオーディオマニアは 「何も足さない、何も引かない」 が大好きなんです。しかし、何も足さない何も引かないで満足し得るスピーカーは先ず無いと言って過言ではありません。例え76cmや80cmのウーハーでもそのまま鳴らすと50Hz近辺の音が勝ってしまい重低音は再生されません。

 ここで少々道草です。それは巨大ウーハーの使い方についてです。巨大ウーハーはそもそも単にウーハーとして使うのは間違いなんです。巨大ウーハーはいわゆるスーパーウーハーの考え方で使用しませんと単に低音が締まりの無い音になってしまい、実在感のある低音にはなりません。更にその場合にそこまでの低い音を再生する必要があるのか ? の問題が残ります。

 低音楽器とは言えそこまで低い音を出す楽器はパイプオルガン程度しかありません。少なくとも私はパイプオルガンで演奏する厳かな曲は基本的にほとんど聴きません。私自身がそんなに厳かな人間ではありません。すると私の場合は巨大ウーハーは不要であるとの結果となります。その結果私の場合はウーハーとして30~38cmで充分であるとの結論に達するのであります。では、何故46cmのウーハーを使っているのか ?

 理由はたまたま手に入ったからに過ぎません。しかし、時として46cmが物を言う曲があるのは事実です。しかし、そのような曲はめったにありません。普通はやはり30~38cmのウーハーで充分だと私は思っております。

 さてさて、それではその程度のウーハーをどのように使うか ? 

 昔は密閉式エンクロージャーの容量は30cmであれば300リッター、38cmの場合は380リッターと言われておりました。しかし、そんな大型冷蔵庫のようなエンクロージャーは現実的ではありません。そこで当時はその半分のサイズは必要であるとの意見が一般的でした。しかし、それにしても大型エンクロージャーである事には違いありません。そこで近年は肝心な音をごまかして超小型に傾いたと云う事になったのです。

 そこで私は肝心な音をごまかしたスピーカーシステムで音楽を聴くのは間違いだと思うのです。だったら場所の制限はあるものの平面バッフルで本物らしい音で音楽を聴いたら ? に結論になります。

 私の場合は部屋が狭いので仕方なしに天井からぶら下げておりますが、出来ればつい立式にしたいと考えてはおります。その時に問題となるのが壁との距離でしょうね。私のぶら下げ型の場合は背面から約80cm離れております。これはいずれつい立式で背面との距離による影響を実験したいと考えております。

 長くなりましたので次回に続きます。
 我が国ですと以前は合板と言えば南洋材のラワン合板が当たり前でした。しかし、近年は何故かラーチと呼ばれる米松合板が当たり前になりました。その背景には無計画な森の伐採でしょうね。

 ラーチの場合もいずれは無計画な伐採が問題となるであろうと推測します。その時はどうなるのか ? 私には解りません。その前にその時代になると恐らく私はこの世には居ません。

 ラーチとは要するに新築現場で当たり前にある壁材です。これをアメリカでは塗装は不要と云う事でアルテックのA7やA5は生地のまま製品として使っていたとか ? これは定かではありませんので念の為 ! 

 私の場合は各ユニットを取り付けて天井からぶら下げておりますので重さの関係で12m/m厚の物を使っております。ぶら下げているのは単にヒートンですので少々不安ではあります。しかし、ぶら下げて既に7~8年経ておりますので今のところは大丈夫のようです。

 しかし、近い内にトゥーイーターを除いて全てコーン型ユニットの5チャンネルシステムを作る予定にしておりますのでその時はもう少し丈夫な方法でやろうかと考えております。

 さてさて、人の行動には全て目的があっての行動となります。この平面バッフルの目的は軽快な音質にあります。

 少々長くなりましたので次回に続きます。
2019/10/21
 さてさて、平面バッフルの材質についてです。

 恐らく多くオーディオマニアは、やれ桜の集成材だとか、やれ松の一枚板は響きが良いだとか言うでしょうね。オーディオ評論家と称する訳の解らない連中に至っては平面など全く話しにならないなんて事を堂々と言うでしょうね。それらは全く意味の無い空論であると結論付けます。何せそれらの人達は一度も試した事は無い訳ですのでね。悔しかったらやってみろと私は言いたい。

 平面バッフルの場合は背圧が掛からない事に最大のメリットがあります。背圧が掛かりませんとスピーカーへの負担も背圧によるエンクロージャー内の圧力も皆無に等しい事になります。要するにスピーカーは自由空間に置かれる事により開放的な動作が成されている訳です。これは結果として音質として軽快で開放的な音として現れます。では、ここでそれに使う材質の問題となる訳です。

 どんな物では質量があれば共振周波数を持ちます。その最も低い周数が fo となります。その上の周波数は f1 となり、以下 f2・f3・・・・・。となります。その総合した音質がその素材の音となります。

 それを例えば松の一枚板の場合は多くの人が好感を持つ音として現在に言い伝わっている事は皆様ご存知の事となる訳です。

 確かに10m/m厚程度の松の一枚板を叩くと心地良い音で響いてくれます。しかし、果たしてそれが音楽を聞いた時にも共通して言えるか ? の問題です。

 これは各々の好みになりますので私は何も申し上げません。但し、一枚板は時間と共に歪みが生じ、最終的には隙間だらけの結果となります。よって、実際には恐らく使い物にならないでしょうね。

 さてさて、そこで現実的な話としてそれらを合板にする策があります。それが我々が昔憧れた米松合板となります。我々は米松合板と呼んでおりました。しかし、実際には北米に豊富に生えている針葉樹だそうです。要するにアメリカでは最も手に入り易く、更に安価だったと云う訳です。

 ラーチなど言うと難しそうですが建築現場で何処でも使っている板で写真の物です。価格も3×6の物で一枚1000円程度です。

 
 私は基本的にスピーカーは箱には入れません。箱の場合は密閉式にしろバスレフ式にしろ、増してバックロードなど話の他です。

 箱に入れますと箱の妙な響きと詰った音になり、自然な音になりません。勿論低音はダラ下がりの特性になります。しかし、例えそのままにしておいても自然な音の方がよっぽど安心して聞いていられます。

 しかし、各スピーカーメーカーはこのようなスピーカーシステムは作りません。何せ板一枚では高く売れませんからね。しかし、板一枚の場合は背圧が掛かりません。よって、10m/m厚程度の薄い板で全く問題は起こりません。

 ここに至るまでに私はほとんど全ての箱の方式を試してみました。その結果、全て駄目だったのです。とは申せこの結論に達するまでに約60年の歳月を要しました。実に長い長い年月でした。しかし、実際には小型の店でのライブが最も私にとっては有効な経験でした。あの軽快な音は箱に入れては駄目なんです。

 しかし、それにしても何と安上がりの事か ! 

 次回は板の材質についてです。
 このマグナボックスは恐らく私が産まれた頃の物だと思います。当時の物ですので当然励磁型です。電源は24ボルトです。

 私は多くの時間このマグナボックスをBGMとして使っております。ともかく自然な音なんです。恐らく昔々の物の特権と心得ております。
2019/10/4
 素直な音のスピーカーユニットのほとんどは昔々の物に限定されているようです。近年の物はカタログデーターを優先しているせいだと思いますがともかくカタログデーターは非常に優秀なようです。しかし、カタログデーターは音質とは無関係です。これは何もスピーカーユニットに限った事ではありませんで、スピーカーシステムにも同じ事が言えます。しかし、何故か周波数特は発表しないようです。理由はひどいからです。何せそれは音を聞けば一目瞭然です。ともかく変です。

 私の場合は皆様に言わせれば変なスピーカーシステムを使っております。しかし、その音はまともです。何せカタログデーター優先のスピーカーではないからです。とは申せ昔々のスピーカーユニットですので無理は禁物なんです。
2019/10/3
 ここでまたまたトールボーイ型スピーカーシステムの異音についてです。

 トールボーイ型スピーカーシステムの放つ音は明らかに変です。私の脳裏をかすめるのはレデイー・ガガの化粧です。あの化粧で街中を歩いていたら驚きますよね。正にこの世の者ではありませんからね。

 しかし、レディー・ガガは芸能人だから許されるのですよね。あの化粧はステージ用ですのでね。彼女の素顔はとっても美人です。しかし、素顔ではステージで面白く無いからとてつもない化粧をしているのですね。

 私に言わせればトールボーイ型スピーカーシステムの放つ音はまるでレディー・ガガのとてつもない化粧の音で鳴っていると思っております。とは申せあの音が好きな人であれば許されますね。しかし、あの音は明らかに変な音です。単にボンボンと鳴り響くベースの音など世の中にありません。例えばステージの大音量であればエレキベースであっても大音量であれば歪んでしまいます。要するにあのボンボンと鳴り響くベースの音は小型の部屋で比較的小音量だから可能なのであって、ステージでは無理です。さそれにあのような音作りを行うバンドもそもそもありません。

 やはりスピーカーが放つ音は素直であって然るべきなんです。そうすれば自分の好みの音にも加工可能です。レディー・ガガ的音ではそもそも自分の好みの音に加工など出来ません。

 よって、私は基本的に素直な音を放つスピーカーシステムであって然るべきと思っております。その為には近年の極端に音作りしたスピーカーユニットは使うべきではないと思っております。

 次回は素直な音のスピーカーユニットについてです。
2019/9/12
 久々の更新です。今回は少々予定を変更して 「変じゃない ?」 についてです。

 我々は生音楽に接するチャンスは少ないですよね。昔はチンドン屋が放つ生音楽「?」に接するチャンスは多かったのですがね。チンドン屋の場合はメロディーはクラリネット、或いはサックスがほとんどでした。パーカッションは胸にぶら下げた太鼓と鐘でした。もう一人はビラ配りの三人で練り歩いたものでした。

 たかがチンドン屋、されどチンドン屋だったと思います。何せ生音楽がただで聞けたのですからね。では、その音は ?

 確かに軽快で爽やかな音でした。私も幼心にそのような記憶が蘇って参ります。やはり私は当時から音の出方に興味があったのかも知れません。ではスピーカーが放つ音は ? 変ですよね。

 私も数年前までは頻繁にライブハウスに行ったものでした。その場合に比較的大きなホールのようなライブハウスの場合はPAを効かせますので単に音楽を楽しむだけで各楽器の放つ音に対しては何の為にもなりませんでした。しかし、喫茶店のような店でのライブは各楽器の音がそのまま耳に飛び込んで来ます。それが私にとっては非常に為になるものでした。更に大変に楽しいものでもありました。それらが脳裏に残っておりますのでスピーカーが放つ音に違和感を感じざるを得ません。

 私は以前はアコースティックギターを弾いておりましたので耳元で6本の弦が放つ音に軽快感を感じていたものでした。とは申せ何年か振りでギターを弾いてみましたら全然ダメでした !

 我が家にはアッパーライトではありますがピアノがあります。今では弾き手を失い単に邪魔者と化しております。そこで私のボケ防止の為にも再度ピアノの挑戦してみようかと考えております。では、その弾き方は ?

 考えてみますと右手でメロディーを、左手で一唱節の最初でコードを奏でれば取り合えず音楽にはなります。その手でやってみようかと思っております。先日ピアノの初見が出来る姪っ子に聞いてみましたら 「オッチャン それで良いのよ」 でした。

 しかし、私はピアノ曲は余り好きではありません。何せピアノの音の再生は実に難しくスピーカーが放つピアノの音は全て偽者に聞こえてしまいます。原因は恐らく衝撃音が再生されていないからだと考えております。何せピアノは打楽器ですのでね。

 やはり私は最終的には生音をスピーカーから聞きたいと考えております。それがHI-FIなのだと思っております。それから考えてみますと最近のトールボーイ型のスピーカーシステムが放つ音は変です。明らかに変です。それを聞いていて変だと思わない人も変です。明らかに変です。では、そのような人は音楽のメロディーを聞いているのか ?

 そうとは思えませんよね。何せ最近の曲は私にはメロディーを感じませんのでね。変ですよね。明らかに変ですよね。

 次回のお題は ? 考えておきます。
 
2019/8/24
 過去何回も申し上げました事ではありますが、低音はウーハーのサイズで決まってしまうのです。それは団扇で実際に自分をあおってみると一目瞭然直ぐに解ります。駅前などで配っている小型の団扇と直径30cm程度の大きな団扇とは風の当たり方も風の量も全然違います。

 同じ事がウーハーにも言えるのです。小型ウーハーの場合はいくら頑張っても知れた物なのです。しかし、何故か近年の小型ウーハーによるトールボーイ型スピーカーシステムは低音が充分に出ているように聞こえます。理由は60~70Hz程度に大きなピークを作るのです。更にコーン紙を重く々作ってオーバーシュートを思い切り増やすのです。すると何故か低音が出ているように聞こえるのです。その証拠に近年の JBL のウーハーの 2235 はボイスコイルに50gの錘を付けているのです。すると小型ウーハーよりも低い周波数でオーバーシュートを意図的に増やしより低い音が出ているように演出出来るのです。要するに詐欺師のようなものです。

 しかし、そのようなウーハーが放つ低音はボワンボワンした現実にはあり得ない低音楽器の音になってしまうのです。皆様も耳を澄まして真面目に聞いてみる事をお勧めします。

 さてさて、前回の写真のサブウーハーによる低音の音質についてです。私は決して否定はしません。例えば写真のようなシステムで映画のジュラシックパークの大型恐竜が走っているシーンです。聞いた事も無い超々低音で足音が迫って来ます。凄い迫力です。

 しかし、考えてみて下さい。恐竜の足音は音楽ではありません。早い話が効果音です。我々は音楽を聞いているのです。あのような音が果たして必要か ? 必要はありません。では、小型ウーハーでどのようにおのような超々低音を出しているのか ?

 あの音は前述の演出と更にバスレフ共振の相乗効果の成せる技なんです。

 バスレフ共振とはコーン紙が再生する空気振動とエンクロージャー、更にバスレフポートのサイズと長さの効果なのです。全ての共振を一緒に発揮させるのです。すると共振周波数では全てがピタリと合うと鋭いピークが生じます。そのピーク周波数とソフト側の周波数がピタリと合うと凄い低音が再生されます。

 しかし、その音はボワンボワンの音なのです。ジュラシックパークの大型恐竜の足音のあの音なのです。

 そのような意味で私はAV用であれば小型ウーハーで意図的に作られた低音は否定はしません。何せ人は視覚と聴覚では視覚に気を取られて音質の意識は薄らいでしまいます。しかし、ピュアオーディオでそれで良いのか ? 良い訳ありませんよね。

 私はピュアオーディオと称してトールボーイ型スピーカーシステムを愛用しているお方の気持ちが理解出来ません。

 次回は近年のスピーカーユニット構造についてです。
 私がトールボーイ型スピーカーシステムが嫌いな理由はその嘘過ぎる音なんです。何せ意図的に作り上げた悪質な音にしか私には聞こえません。そもそも各低音楽器はあのようなボンボンと鳴り響く音など出しません。あのボンボンと鳴り響く音は悪質な偽者以外の何物でも無いと思います。

 写真の物は更にスーパーウーハーを設けて偽者を更に助長しているのです。私に言わせれば 「許せない音」 そのものなんです。

 そこで今回から何回かに分けてトールボーイ型スピーカーシステムを対象に考えた 「スピーカーの在り方」 について考えてみたいと思います。

 次回は 「ウーハーはサイズで決まる」 についてです。
 写真は典型的な一般家庭用AVシステムです。とは申せ写真の部屋はあくまでもディスプレイ用で、一般家庭ではこのような理想的な部屋はほとんど無いと思います。これは世のオーディオマニアの最大の敵である女房族のご機嫌を取るには良いと思います。出来ればオーディオマニアの亭主としては本格的なピュアオーディオ用に別の部屋で本来の HI-FI装置 で好きな音楽を聴きたいものですよね。

 AVの場合は人の意識は聴覚よりも視覚に気を捉えるもののようで映像が伴うと音に対してはうるさい事を言わなくなるようです。そこでAVの場合は写真のようなシステムで皆様満足してしまうのだと思います。

 しかし、近年は画面が無いにも関わらずトールボーイ型スピーカーシステムで聴いている人が多いのには驚きなんです。
2019/8/20
 久々の更新です。理由は 「たまには夏休み !」 なんてちょっぴり洒落てみました。

 本当の理由は何せ世の中暑過ぎなんです。更に私も歳をとり過ぎの理由もありますね。とは申せ私の仕事場兼リスニングルームに居ますとそれ程の暑さは感じませんがね !

 私も時には避暑なんて洒落てみたい気持ちもあります。とは申せ真夏は何処へ行っても暑いのですよね。涼しいのは真夏に渓流釣りは最高に涼しくはあります。しかし、渓流は私の大々々嫌いなヘビが出ます。やはり真夏は休んで自宅で酒でも呑んでいるのが最も良いのでは ? と、思って、更に実行してみました。

 さてさて、今回のお題です。それは近年のAV用トールボーイ型スピーカーシステムについてです。
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 スピーカーの場合はメーカーの歌い文句は非常に怪しいのです。30年も前の事ですが、我が息子がリチャードアレンのニューゴールデン10Tのダブルコーンをグチャとやられた事がありました。その後サブコーンを作り直して周波数特性を測ったところダプルコーンの有る無しで何ら変わる事は無かったのです。その頃から私はオーディオ機器に関してメーカーの歌い文句は一切信じなくなったのです。オーディオ機器、特にスピーカーに関してはメーカー発表のデーターはほとんど嘘ばかりだと全て疑って掛かっております。

 但し、改造可能なユニットはエッジレスにするとコーン紙の面積は増えるし、コーン紙の実質質量も増えますので低音感が増します。問題は埃侵入防止兼高域再生用のセンターキャップが果たして本当に高域再生に寄与しているのか ? が解ります。

 このLE8T用のリコーンユニットが何とも高価なんです。更に、そのリコーンユニットも本物か ? どうか ? 何とも疑わしいのは確かな事だと思います。それならいっそヤフオクで安い物を探すか ? なんです。

 この改造はいずれにせよこの殺人的な暑さが収まってからに致します。何せ世の中余りにも暑過ぎますのでね。

 次回のお題は未だ決まっておりません。 
 とは申せコーン紙の無いユニットですがね。正確には判りませんが磁気劣化は無いようです。

 コーン紙の無いユニットを保存しておく為には写真のようにテーピングしませんと埃が入ってしまいます。もし、埃が入ってしまったらガムテープで内部を掃除すれほとんどの場合は大丈夫です。

 LE8Tの場合はリコーンユニットが売っておりますので張替えはいつでも出来ます。しかし、そのまま張り替えてしまったら面白くありません。そこで エッジレスタイプLE8T にしみようかと考えております。方法は ダイアトーン の時と同じです。

 この場合にセンターキャップで歌い文句としては高音域を出しているのだそうですが、果たしてそれは本当なのか ? 確認出来ます。
2019/8/7
 前回でフェライトマグネット用の磁気回路であればアルニコもフェライトも何ら変わらない事を説明致しました。とは申せやはり多くのオーディオマニアはアルニコマグネットのスピーカーを欲しがるものですよね。これはオーディオマニアの性なのでしょうね。このように言う私も実はアルニコマグネットの LE8T を持っおります。

余談ですが   No.18