写真はバルボのAaです。Baも同じ形で増幅率などの規格が違います。

 このような形の真空管も珍しい存在だと思います。マニアはその姿・形に惚れるのですよね。と、言う私もその中の一人ではあるのですがね !

 例えば250などは当初の物はナス型でした。下の写真の物です。

 写真の RCA 250 は1934年製の RCA エレクトローラに実際に使われていた物です。完動品です。しかし、使い方がこれまた厄介なヤンチャボーズなんです。何せグリッドの整流電流が思い切り遠慮なく流れるのです。この整流電流は何らかの方法で吸収してやる必要があるのです。その方法はインプットトランスのお世話になるか? 或いはカソードフォロアーによるB2級回路に頼るしかありません。要するに厄介者その物(者)なのです。

 確かに 「出来の悪い子ほど可愛い」 なんて事もありますが、私はいい加減愛想が尽きました。もう嫌です。よって近日中にオークションに出す予定です。

 この辺の話しになりますと美談がいっぱいある事はあります。しかし、それらを載せておりますといつまで経っても終わりませんので割愛です。

 さてさて、オーディオマニアの場合はオーディオ機器マニアが非常に多いのです。その結果かつての名機と言われた諸々の物が未だ中古市場を賑わしている結果となっております。

 趣味とは何をやっても許される世界ですので私は否定はしません。何せ私自身もその一人である訳ですのでね。とは申せそれが正しいか ? はたまた正しくないのか ? それも確定しません。変な世界だと私も思います。

 真空管は実はもっともっと古くからあります。多くのお方は真空管はエジソンが発明したなんて思っている人も居ます。しかし、実際には違いまして実際にはフランスのディ・ホレストの発明品です。我が国の場合は東芝の前進の東京電気(だと思いました)がオーディオンの名前で出した物が最初とされております。これは現在でも東芝の記念館にあるとか ? 興味のあるお方は尋ねてみる事をお勧めします。

 ってな理由で長くなりましたので次回に続きます。
2019/7/13
 開発当初のトランジスター式パワーアンプは現在の物とパワー段が違いました。理由は当時はコンプリメンタリー(相互補償の意味で裏返しの動作が同じ)がありませんでどちらかに逆相回路を入れて結果としてのコンプリメンタリーを作り出した回路でした。パワーは10ワット程度の物が多かったと記憶しております。

 10ワットと言えば例えば6BQ5・6V6などの極々一般的なプッシュプルアンプとパワーとしては同程度です。当時は 「真空管式はトランジスター式の数倍のパワー感がある」 なんて事が平気で言われていた事を思い出します。

 確かに私が聞いた範囲でもそのような感じで受け取ったものでした。しかし、その原因は未だ解りません。何故そのように感じたのでしょうね。

 しかし、当時の事がトラウマのように未だ過去の記憶の基にオーディオに接しているマニアが多いのも事実です。原因はひょっとして見た目の情緒感から来るものかも知れません。確かに真空管は情緒がありますからね。そのように言う私は珍しい真空管を手放す事にしまして、現在ヤフオクに バルボのAaと同じくBaを出品しております。
 ロバート・ノイスとジーン・ハーニーは皆様は忘れたかも知れませんがメサ型トランジスターやプレーナ型トランジスターを開発した両者だったのです。 このプレーナ型トランジスターを開発した拡散技術がその後のIC(インテグレーテッドサーキット)の基になった技術であったのです。

 その後何と現在のコンピューターの頭脳にあたるCPU(センター プロセシング ユニット)も開発したのです。私に言わせれば正にノーベル賞候補の最大のお方だったと思っております。しかし、ノーベル賞選定委員会の連中は能無しの集合体のような存在で、何の役にも立たない連中を選定して肝心なお方は蚊帳の外なのです。要するに彼らは我が国の教育委員会と同じで無用な存在だと私は核心しております。

 少々話が道草しましたので次回に続きます。 
 写真はトランジスターの発明者とされるウイリアム・ショックレーです。しかし、私は異論を呈しております。ショックレーはシリコンの単結晶に増幅作用があると云う事を実証した人ではありますが、決してトランジスターを発明した人ではありません。

 しかし、彼はその後ベル研究所を退社してショックレー研究所を打ち立てて現在のシリコンバレーの魁を成した人ですので偉大な存在であった事は確かな事実だと思っております。問題はその時に彼と行動を共にしたロバート・ノイスとジーン・ハーニーの存在だった事は余り知られておりません。そのロバート・ノイスこそその後のトランジスターの発明した本人でもあるし、ICの発明者でもあるのです。

 ここで歴史の裏話なのですがショックレーは少々変わった人だったそうです。そこでその人柄について行けずにロバート・ノイス他6人でショックレー研究所を逃げ出すのです。その後 「裏切り者7人衆」 とショックレーは悪口をはたいたそうです。

 ロバート・ノイスはその後苦労したそうです。何とウエシチングハウスの工場の片隅を借りてトランジスターの開発にいそしんだそうです。
2019/7/10
 ここでちょっぴり前に帰ってパワーアンプの音についてです。

 ここで少々不思議なお話です。例えばマランツ7型にマッキントッシュ275の組み合わせで聞きますと不思議とマランツの音に聞こえるのです。更に逆にマッキントッシュC22とマランツ8Bの組み合わせで聞きますとマッキントッュの音に聞こえるのです。

 この原因は音質の多くはプリアンプに依存してしまうと云う事なのです。事ほど左様にプリアンプは音質に大きく影響するのです。すると結果としてパワーアンプは音質の大きくは影響しない事を意味していると私は思っております、さてさて、ではトランジスター式パワーアンプの場合は ?

 トランジスター式パワーアンプは50年前には既にありました。私の記憶では我が国で最初に発売したメーカーは確かトリオだったと思います。後のケンウッドです。トリオは元々は無線機のメーカーでした。しかし、無線機の場合は市場が狭い事が原因でオーディオ界に移行したのだと考えております。

 当時のトランジスター式パワーアンプの音質はひどい物でした。当時中学生の私にもひどい音に聞こえました。ともかくカサカサの音だった事を思い出します。その事が原因して今でもトランジスター式のオーディオ機器に違和感を抱いているお方が多く居られます。しかし、年代から考えてそのような方々の多くは今や天に召されているのでは ? と、思います。

 しかし、しかしなんです。そのような既に天に召された方々の意見が未だ言い継がれている事も事実だと思います。要するに 「オーディオは真空管なのだ !」 なのです。要するにそれは単に思い込みとしか言いようが無いと私は思っております。

 私は学生時代は何回も申し上げますが機械科でした。すると電子科の連中は 「機械は100年前と同じで何も進歩が無い」 なんて馬鹿にされたものでした。しかし、そのような時に私は 「電子の世界は100年間何もしていなかった結果だ !」 と言ったものでした。

 確かに電子界の場合は100年間何も進歩がなかったのです。それを切り開いたのがトランジスターの出現だったと思っております。ここでトランジスター開発の世間の間違いについてです。

 
 私の場合はプッシュプルの動作調整が出来ますので先日紹介した6B4-Gのプッシュプルアンプなども問題無く作れますしその後の調整も頻繁に行えます。当然問題は発生しません。しかし、多くのお方はそのような事は行えません。するとカタチンバの状態で使う事になります。その状態で苦虫をつぶしたような真面目な顔付きで真剣な真似をして聞いている事になります。笑っちゃいますね !

 そこで更に問題です。真空管式プッシュプルアンプは高性能を求めるためには10数デシベルのNFBを必要とします。NFBとは負帰還です。その動作は入力信号を否定するからNFBアンプと呼びます。すると各ディバイスの不確定動作を否定している訳です。当然歪みは減ります。しかし、その分各真空管の個性も否定している事になります。当然アンプの総合的な個性までも否定している事になります。そこに真空管の個性などあり得る筈がありません。よって、私は高負帰還プッシュプルアンプはほとんど物が同じ音であると結論付けます。

 結果として私の場合は真空管式アンプにこだわらなくなりました。理由は前述の事もあますが、それ以上にプッシュプルの調整がやっかいに思うようになったからです。要するに  「そこまでして音楽を聞く必要があるのか ? 」 の問題です。私はあるとは思えません。それよりも頻繁な調整が不要なシングル動作のアンプに存在価値に重要性を感じるのです。そもそも一般家庭ではハイパワーなど不要です。

 次回はトランジスター式パワーアンプについてです。 

NFB

 私はアンプを作る人間として必ずしも真空管式アンプはお勧めしません。特にプッシュプルアンプはお勧めしません。理由はプッシュプルのバランスは必ずずれるからです。

 プッシュプルとは片や押して、片や引っ張るのでその動作から呼び名となったのです。要するにスピーカーの一つの付加に対して二人三脚の動作で行います。すると当然名コンビが必要となります。しかし、これは夫婦と同じで必ずしも一致した行動も一致した考えなどもあり得ません。

 更にペアー管として売られているコンビも測定時の条件と実働条件は異なります。するとペアー管として売られていても必ずしもペアーではあり得ないのです。それは名機として知られている写真の両者も条件は同じです。中にはプッシュプルバランス調整不能な275は自動調整回路なのだと意味不明の事を豪語する人までおります。こうなりますと既に宗教の世界に陥っております。

 プッシュプルアンプは時間と共に少しずつ少しずつ動作がずれて行きます。当然歪みも少しずつ少しずつ増えて行きます。すると聴く側はその差が解りません。昔リークにポイントワンなるパワーアンプがありました。EL-34のプッシュプルアンプです。その意味は歪みが0.1パーセント以下の意味でした。しかし、それは工場出荷時の状態であって当然使用時間と共に歪みは増えて行きます。

 しかし、リークの場合はそれ程オーディオマニアには好まれませんでした。その原因は恐らくディザインにあったのでは ? と思っております。当時はアルミパネルはありませんでした。ペアーとなるプリアンプのパネルは安っぽいプラスチックだったのです。
2019 /七夕
 真空管に信頼を感じているオーディオマニアの皆様はマッキントッシュ 275 や マランツ 8B は憧れだと思います。 
 写真はマグニフィセントの弟分のバレンシアです。ユニットの内容は A7 と同じです。要するに A7 の一般家庭用です。

 マグニフィセントの音質はクラシック向けなのに対してバレンシアはジャズ向きといったところでしょうか ? 共にアメリカの善き時代の象徴的な存在でしたね。

 これらは出来れば八畳程度の一般家庭で静かに聴くには45や2A3の小型アンプで鳴らすには良いと思います。決して当時私が憧れた275や8Bなどで鳴らしてはいけません。何せ能率抜群ですのでハイパワーアンプの悪い部分が露呈されてしまいます。

 当時は更に小型版のサンタナもありました。サンタナは30cmフルレンジユニットの420とコー型トゥーイーターで構成されたスピーカーシステムでした。一般家庭で使うには最適だったシステムだったと思います。

 今回はここまで。次回はいよいよ真空管式パワーアンプの問題点です。
2019/7/6
 せっかくアルテック マグニフィセントの話しになりましたのでもう少しお時間を頂きましょうね。理由はマグニフィセントは素晴らしかった想い出があるからです。

 マグニフィセントは決してリアルな音ではありませんでした。理由は明らかに創られた豪華絢爛の音だったからです。しかし、そのふくよかで深みのある豪華な音はとっても魅力的でした。その実力は名前を出すには少々憚れますが英国製の超大型コーナー型スピーカーシステムとはまた別の魅力がありました。

 何せ使用ユニットのレベルが違います。マグニフィセントのユニットは当時は世界の頂点に立つユニットでした。要するにウーハーは515、ドライバーは288です。288は JBL の 375 と並び最高峰のドライバーでした。私は当時はこれをマッキントッシュ275で鳴らしたい気持ちがありました。要するに 「今に観ていろ俺だって !」 の気持ちでしたね。しかし、その後これはとんでもない間違いだった事に気が付くのですがね。
 写真はアルテックA5ですが写真の物は我が国向けに作られた製品です。本国では写真のようなお化粧は施されていませんでした。何せ映画館では銀幕の後ろ側に置かれて観客からは見えません。当然見た目は無関係です。

 これを作った目的は上述です。当然近くで聞いたら爆音です。その爆音で鳴らすパワーアンプはまさか6V6シングルアンプでは無理です。そこで使われた真空管がEL-34であったりKT88であった訳です。

 余談ですが下の写真はA7を一般家庭用に作ったマグニフィセントです。各ユニットはA5と同じです。私もこのマグニフィセントに憧れたものでした。当時(私がまだまだ活気があった高校生時代の話しです)に秋葉原のラシオ会館の清進商会で売られていたマグニフィセントは欲しくても買える筈などあろう訳がありません。私はコイズミ無線で当時一本1300円だったダイアトーンP610を引っさげてトボトボトと帰ったものでした。

 当時はマグニフィセントの小型版のバレンシアもありました。バレンシアは内容はA7と同じユニットを使った弟分のスピーカーシステムです。恐らく今でも大切に使っているお方も居るであろうと思います。

 このA5を一般家庭で鳴らしたら ? まさかそんな爆音で音楽を聞く人は居ませんよね。そのような事をしたらパトカーのお世話になってしまいますからね。

 要するに多極管によるハイパワーアンプは基本的には一般家庭で聞くには爆音になってしまう仕様のアンプなのです。それを一般家庭では絞って絞って、更に絞って使っているのです。その目的で作られたのが皆様憧れのマッキントッシュ275なのです。

 275はあくまでもプロ用のパワーアンプです。当然性能が劣化したら入れ替えです。よって、動作調整回路はありません。私に言わせれば 「そんな物は使うな !」  なんです。更にPA用機器は音質など無関係です。爆音が出ればそれで善しなんです。近年の青空天井のロックコンサートと同じです。

 しかし、何故かオーディオマニアはプロ用の響きに弱いのです。確かにプロ用機器は信頼性はあると思います。しかし、音質は無関係と考えて間違えはありません。例えばレコード再生用のアームを考えてみましょう。

 皆様憧れのオルトフォンは放送局用です。それを扱うのは決してオーディオマニアではありません。よって、各調整装置は針圧のみでその他の調整設備はありません。要はプロ用だからです。その点SMEは一般家庭用です。私に言わせれば必要以上の調整設備が装備されております。この両者のどちを選ぶかは皆様エンドユーザーです。私は目的意識を持ってチョイスすべきと思いますね。

 私の場合は特異性を狙って現在に至っては珍しい一点フラフラ型のオイルダンパーアームを使っておりますがね  それは下の写真です。

 さてさて、現在の多くのNFBアンプは真空管式及びトランジスター式アンプに音質の差はあるか ? の問題です。ここで私の個人的な結論です。それは 「ありません」 です。もし、あるとすればそれはトランジスター式のハイパワーアンプのPA用アンプであろうと思います。

 PA用のハイパワーアンプは何故か耳にグイグイと入り込む音に聞こえます。要するに激しい音に聞こえます。私は一般で鳴らすのには数ワットの小型アンプで充分だし、そちらの方が心地良い音で音楽を楽しませてくれると思っております。

 何せまさかモーターを回す訳でもありませんし、数百ワットなど何の意味もありません。とは申せ数ワットのトランジスターアンプはほとんどありません。もし、あるとすれば当方の#5程度です。しかし、#5は実際に使ってみると充分な能力を持っております。更にマルチチャンネルシステムの場合にミッド帯域以上の用途であれば最適だと思っております。

 しかし、ミッドロー帯域は実際には最もパワーを必要とする帯域です。それでも10ワットもあれば充分です。

 ここでちょっぴり横道ですが、ウーハーを100Hz程度までで使えばウーハーにはそれ程のパワーは不要です。要するにズダッと鳴るようなキックの音はウーハーでは無くミッドロー帯域だからです。

 長くなりましたので次回に続きます。
2019/7/1
 KT88は勿論大変な意味のある存在だと思います。しかし、それはあくまでもプロオーディオの世界での話です。ここで言うプロオーディオとはPA(パブリック アドレス)用です。要するに大きな体育館とか青空天井のグラウンドでの放送設備の話しです。例えば映画館ではアメリカではアルテックやエレクトリックボイスが多く使われていました。
 負帰還アンプとは所詮はそのような物だと思います。例えば写真のアンプのパワー管をKT88に替えても結果はほとんど変わらないと思います。変わるのはパワーだけです。何せ負帰還で問題は初段に戻したNFBでほぼ同じ物にしてしまいますのでね。では、KT88の意味はあるのか ?

 次回に続きます。
 これで何とモノラルアンプなんです。真空管の数は整流管を含めて何と9本です。このアンプは私がサラリーマン時代に作った物ですので30年以上前と云う事になります。再度使う場合にはオーバーホールが必要ですね。

 私は当時は少々凝った物をと思いわざわざST管とGT管とを取り混ぜた物でこしらえた記憶がございます。何もここまで凝らなくてもMT管でこしらえれば入力段、位相反転段含めて3本で済みます。しかし、それでは面白くもおかしくもありません。そこでこのようなアンプとなりました。

 大きさは幅40cmですし、重さも相当な物になってしまいました。しかし、それが目的のアンプでしたので当初の目的は達したのです。で、音質は ?

 正直申しましてハッキリとは覚えておりません。何せ30年以上前の事ですのでね。しかし、これと言った特徴的な事は無かったように記憶しております。要するに負帰還アンプの音なのです。
 この事から負帰還(以後NFB)を施す事により優秀なパワーアンプを作り出せるようになり、それまでとは一変した結果となります。しかし、いつの世にもへそ曲がりはおります。彼らは 「アンプの個性が無くなった」 と悪評を投じる人も現れました。これはある意味正しい批判なのだと言えるし、ある意味ガンコオヤジのたわ言とも言えますね。

 とは申せそれ以後は多くのPAアンプは標準的な音になった訳ですので私は肯定派の一人としてウイリアムソンの存在は大きかったと思います。

 さてさて、それまでのパワーアンプと言えば例えば6V6のシングルアンプであったり、42(6F6)のパラプッシュプルアンプのオルソンアンプであったりした訳です。ここでまたまた横道に反れます。それは6V6についてです。

 6V6は今や忘れ去られてしまった過去の遺物と化しております。しかし、6V6はその後の多極管の基になった歴史的偉大な真空管だったと私は思っております。6V6はその後の6L6・6L6GC・6CA7(EL34)・KT66・KT88などなど全ての基になった偉大な発明品でした。それはそれまでの三極管はコントロールグリッドしか無く効率の悪い物でした。しかし、6V6はスクリーングリッド・サプレッサグリッドを内封した高効率の良い物と変貌させ、更にその事により更に大きな規格の真空管の開発へと進化させた礎となった真空管です。一般家庭での使用に関しては6V6のシングルアンプで充分な威力を発揮する能力ある真空管です。

 さてさて、NFBアンプの場合はどのような内容のアンプであってもそれなりの性能や音質のアンプが手軽に出来るようになりました。しかし、それ以前は確かに各真空管の個性がハッキリ出るアンプだったと思います。それが例えば私が好む45シングルアンプであったり、2A3ロフチンホワイトアンプであったりする訳です。その音の原因は恐らく真空管の内部抵抗の低さが適度なダンピングファクターとなって音質として現れているのだと私は思っております。では、その後のNFBアンプの場合は?

 私もNFBアンプを色々と作ってみました。その内の何台かはまだ私の手元に残っておりますが結果として普通のNFBアンプは一台を残してその他は全て処分しました。理由は何を作っても皆様が豪語する程の差は感じられなかったからです。要するに差は無いと云う事です。ここでまたまた横道に反れます。

 たった一台残ったNFBアンプとは6B4-Gによる交差型位相反転回路のプッシュプルアンプです。この回路は別名ホワイトパワートロン型とも呼ばれる回路方式です。交差型位相反転回路は今や忘れ去られた回路だと思います。理由は基本的には理想の位相反転回路なのですが回路が少々複雑な事と、結果としてそれが音に反映されていない事だと思います。それは写真です。
 負帰還とは 「負」 ですので否定です。要するに入力信号を否定する意味となります。よって、横文字ではNFB(ネガティブ フィードバック)となります。

 この否定は何も入力の全てを否定する訳ではなく、入力信号と出力波形を入力時点で比較して差の成分を補正する動作となります。その結果周波数特性は改善され、更に歪みも改善される効果を発揮する事になります。その動作を行うのが  の一本の抵抗です。

2019/6/30
 ここからが今回のシリーズの目的の項目となります。それは真空管式パワーアンプの音質についてです。

 多くのオーディマニアは真空管式パワーアンプの音質に赴きを置いて好んで使用しているお方が多いと思います。では、本当に真空管式パワーアンプの固有の音質はあるのか ? なんです。

 真空管式パワーアンプと一言に言っても真空管の種類も色々、回路も色々です。私は決して全ての種類の物を作り試聴した訳ではありません。しかし、多くの種類の物を試作し、試聴してはおります。その結果の私なりの答えと云う事になります。

 パワーアンプは1947年にウイリアムソンが負帰還を施したNFBアンプを発表して以来大きく変化致しました。それ以前は負帰還の発想はありませんで要するに裸特性の物しかありませんでした。しかし、ウイリアムソンは負帰還を施して性能を一変させた功績は大変な出来事であったと推測いたします。
2019/6/29
 これはどの世界にも言える共通の観念と言えますが 「こだわりと思い込みは全ての可能性を阻害する」 。300Bに関しては確かに昔はほぼ入手困難な真空管でした。そんな条件下では動作として軽い条件で長期に渡る使える軽い条件で使うのは正しい使い方だと思います。

 しかし、その後はいくらでも簡単に入手可能な真空管となりました。しかし、その後も300Bに関してはかつての使い方が当たり前のようにA1動作の自己バイアスで軽く軽く使う事が当たり前の時代が未だ続いております。私に言わせれば 「おっかしんじゅないの ?」 なんです。何せせっかく直熱型三極管の最高峰の300Bがいくらでも安い値段で手に入る時代になったのです。だとしたらやはりその持てる性能を最大限に発揮して然るべきと思います。

 にも関わらず内輪々々で使う事に何の価値が在るのか? あろう筈がありません。要するにこの現象はかつてのこだわりと思い込み以外の何事でも無いと私は思います。

 私も以前某国製の安い300Bを使って300B A1シングルアンプを作った事がありました。ドライバー管は6CA7(EL34)にプレード電圧450ボルトを印加して300Bの供給電圧は勿論450ボルトの動作は固定バイアスA1級のシングルアンプです。設計時点では勿論最大出力15ワットの積りで設計しました。しかし、最終的にはどのように調整しても12ワットしか出ないのです。原因はひょっとして某国製の300Bに起因しているのでは ? 今でもそのように思っております。

 更に、その300Bシングルアンプは自家用としてもある程度の期間使っておりました。すると、するとなんです。私は未だタバコ吸いですのであえて申し上げますが真空管の中でタバコを吸ったのか ? なんです。300Bの内部の電極保持用の雲母とガラス管の接触部分が茶色に着色されてしまったではありませんか ! 何なんですかね、あれは ? 

 私の思うにあの現象は電極各部の素材の悪さ、更に真空度の悪さなのだと思います。

 金属は素材が悪いく更に不純物が多いと高熱にさらされますと内部の不純物がにじみ出て来るのです。その不純物が放出されて電極保持ようの雲母とガラス管との接触部分に付着したのだろうと推測しました。その結果は当然真空管内部の真空度も落ちます。私はその直後300Bアンプの製造中止と致しました。あんないい加減な真空管は使えません。某国はその場で売れればその後はそっぽを向くようです。やはり某国の製品は百均ショップが相応しいようです。

 さてさて、いよいよ300Bの音質についてです。先ずは私の第一印象からです。「ガッカリ」 でした。

 私は音質として耳元をすり抜けるような爽やかで清々しい音が好です。要するに生々しい音です。しかし、300Bアンプでそのような音を発するアンプに出会った事がありません。何故かネバネバした音のアンプがほとんど全てなんです。要するに新鮮さを感じさせてくれないのです。

 にも関わらず未だ300Bはマニアの間で持てはやされております。私の思いますにその原因はかつての見た事もない憧れの的的存在感が未だマニアの心の障害となっているのだと思います。

 かつて真空管は工業製品でした。当然各社しのぎを削って性能は勿論、長期に渡る信頼性に趣を置いて真剣に製造されておりました。しかし、現在は真空管を使っているのはオーディオマニアの世界だけです。すると仮に真空管自体が問題を起こしても迷惑をこうむるのは限られたほんの一握りのマニアだけです。当然真空管メーカーの真剣さは以前とは比較になりません。

 そのような意思の元に製造された物を重宝がる必要があるのか ? 私は無いと思います。真空管ファンにとっては私の意見は捨て去るような意見だと思います。しかし、現在製造されている真空管は所詮はそのような意思の元に製造されているのは事実です。私は事実を直視するべきと思います。

 次回は真空管式アンプの音質についてです。 
 300Bは実に逸話の多い真空管でしてそれらを挙げたらきりがありません。とは申せ300Bはウエスタンエレクトリック(以下WE)が社内用でしか作っておりませんで市販されてはいませんでした。そんな事もありその規格や性能だけが噂で流れて多くのオーディオマニアの憧れの的でした。勿論ほとんど全てのオーディオマニアは見た事は無かった訳です。

 ここでちょっぴり横道です。300Bはその非常に優れた真空管でしたのでRCAも同等品の開発に挑戦したそうです。しかし、最終的には300B相当品は開発出来ずに、失敗作と知りながら2A3を発売したとか ? この話は私は恐らくマニアの間で流れた単なる噂話なのでは ? と、私は思っております。

 300Bは何故優れているのか ? それはほとんど全ての直熱型三極出力管は出力を大きくして行くとそれに連れてグリッドの整流電流も多くなって行くのです。しかし、300Bは最大出力に達するまでグリッド整流電流がほとんど流れないのです。この事は動作基点が変わらずに最大出力に達する事を意味しているのです。これは凄い事なんです。

 戦後間も無くそのような噂が流れていた頃に実は我が国でも手に入った事があったのです。それは米軍の進駐軍の払い下げ品としてジャンク屋に置かれていた時代があったのです。そのジャンク品は何に使われていた物かは今に至っては判りません。

 ひょっとすると米軍内の映画館でトーキー用として使われていた物かも知れません。或いはこれも単なる逸話なのですが米軍は300Bを通信機器や測定器の電源用レギュレーターとして使っていたとか ? これも今に至っては判りません。

 そのようなジャンク品の300Bを神田駅前で見付けたマニアは大切に大切に懐に忍ばせて持ち帰ったのだと思います。ここで神田駅前と申しましたのは実は戦後米軍放出のジャンクを神田駅前に並べて売っていたのです。ところがある時マッカーサーが神田駅前を通過した時に 「見苦しいから片付けろ !」 の鶴の一声で秋葉原の万世橋の袂に引っ越したのです。それが世界の秋葉原電気屋街の始まりなのです。とは申せ今はおもちゃ屋の秋葉原に変貌してりますがね。

 その後当時の国鉄のガード下の権利を持っていたお方がガード下を格安で貸し出したのです。

 そんな300Bですが私も某国製の300Bが出回るまでとてもとても手の出る品物ではありませんでした。確か私が学生時代だったと思いますが岡谷電機がHF-300Bなる真空管を発売しました。値段は3
万数千円だったと記憶しております。岡谷電機製ですので恐らく信頼性は抜群だったと思います。現在でも少々お高くはありますが手に入るようです。

 確かHF-300Bだったと思いますがヒーター電圧2.5ボルトの300Bを出した事があります。目的は2A3のアンプでそのまま300Bのアンプにしてしまおうとする挑戦的な300Bです。確かに2A3も300Bもソケットの接続は同じです。そのまま差し替えれば音は出たと思います。しかし、電気的特性は全く異なります。何せドライブ電圧が余りにも違います。ひょっとするとトランスドライブの物であればそれなりに納得行くアンプになった可能性はあります。ヒーター電圧2.5ボルトのHF-300Bは今でも市場にあるようです。

 そんな中私が尊敬する武末数馬氏が300Bを使った試作集の参考書を出版しました。昭和42年です。どのようにしてWE-300Bを入手したのかは知りません。武末氏は真空管の持っている性能を最大限まで絞り出してしまう設計で有名です。その試作品も何と最大出力15ワットなんです。素晴らしいです。

 その回路はドライブ管に12BH7Aにプレート供給電圧約450ボルトを供給し、300Bはプレート供給電圧も450ボルト、更に動作はA1級固定バイアスと云う普通では考えられない厳しい動作でした。

 当時は300Bは非常に貴重な真空管でした。運良く手に入れた人もほとんどのお方は自己バイアス回路による出力7ワット程度の設計ばかりだった事を思い出します。それは何故か現在にまでそのまま残っております。変ですね。何せ現在は300Bは石を投げれば当たる位にザクザクとあるのにね !

 長くなりましたので続きは次回。
2019/6/23
 「また300Bかい !」 なんて思わないで下さい。300Bはやはり凄い真空管なんです。で、音は ?

 いやいや、それは後程。

 話しによると300Bは全身として300Aがあったとか ? 更に、300Bは300Aを長期間使い続けた結果プレート損失はもっと大きいと云う事で規格表を書き換えて300Bとしたとか ? 定かではありませんので念のため !
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 左上の回路が当初の回路のようです。私はこの回路でアンプを作った経験はありません。私が何台か作ったのは左下の回路です。この回路はラックスの当初のブランドである錦水堂のデビュー作だったそうです。

 初段管の2A6と云う真空管は私は知りません。整流用のサブプレートがあるところをみると5球スーパーラジオ用の検波管だったのかも知れません。すると75と同等の物かも知れません。

 私は出力トランスにタンゴの物を使って作りました。最初の物はU-808でした。音質は実に清々しく抜けの良い素晴らしい音でした。この種のアンプはその後R120を使って2A3の物よりも更に優秀な音質の物を作りました。それは現在一台だけ手元に残っております。

 ロフチンホワイトアンプは電圧をご覧になって頂ければ解るようにかなりの高い電圧が必要です。しかし、実際にはカソード(ヒーター)に約190ボルトの電圧が印加されておりますので実際のプレート電圧は250ボルトなのです。これを知らない知ったかぶりのマニアらしい人は 「ロフチンホワイチアンプは真空管の規格を無視したアンプなので駄目だ」 なんて言う人がおります。そのような人は私に言わせれば「アンタが駄目なのよ !」 なんです。

 しかし、実際には傍熱管の初段はパワー管及び整流管よりも動作状態に入るのは遅いのです。するとパワー管はその間過酷な状態にさらされます。そこで現実の回路としては少々工夫が必要となります。私の場合はパワートランスのアース側にタイマーによるタイムラグ回路を設けて対処しました。要するに最初はヒーターのみ動作させて準備完了となりましたらプレートに電圧を掛けてやるのです。

 このアンプは今でも当然素晴らしい音質で楽しく音楽を聴かせてくれます。しかし、現実の問題として果たして信頼出来る2A3があるのか ? の問題が残ります。この問題は今後はますます問題は大きくなって行く事になります。恐らく解決策は出ない内に世の中は進んで行く事になるであろうと考えます。

 さてさて、この種のパワーアンプは何回も申し上げますように近年の電熱器型超低能率スピーカーでは良さを発揮しません。やはりダイアトーンP610やJBL LE8Tのようなスピーカーを使う必要があります。これらの他にも素直な音を出してくれるスピーカーはあるだろうと思ってはいます。しかし、私は今更それらを探す気力は既にありません。皆様はある程度の出費を許すのであればお探し下さい。

 これら古典管を使わなくても優秀な音質のパワーアンプを作る事は可能です。私はそれにはOTLアンプが最もそれに相応しいと思っております。OTLアンプに話しを飛ばしても良いのですがその前に皆様ご存知300Bがあります。よって、次回は300Bについて少々述べたいと思います。
2019/6/21
 さて、2A3のホワイトロフチンアンプです。

 ホワイトロフチンアンプとはロフチン氏とホワイト氏の両氏が開発した最初の直結アンプです。当初はパワー管は250(50)だったそうです。

余談ですが   No.17