写真は皆様ご存知エレボイのパトリシアン800です。巨大なスピーカーシステムです。余り知られておりませんがコーナー型のシステムです。目的は恐らくタンノイのGRFと同じでダンホール用に作られた物だと思います。ウーハーはかの有名な76cmです。
実際に音を聞いたお方は少ないと思います。多くのお方は雄大な音を想像すると思います。しかし、何とも優しい音なのです。オイロダインのような清々しい音ではありませんが実に優しい音なのです。私は素晴らしい音として評価致します。
しかし、残念ながら衝撃的な音ではありません。私は以前から衝撃的な生々しい音を求めてまいりました。その為には何らかの方策が必要なのです。多くのオーディオマニアの “何も曳かない、何も足さない” では無理なのです。
私も何も曳かないのは技術的に無理だと思います。何せ音源の多くは最初から曳いた物がほとんどですのでね。しかし、足す事はいくらでも可能です。その足し方についての説明のページと思って頂きたく思ってのこのページです。
次回に続きます。
しかし、ここで特筆すべき事は低域に全くピークが無い事なのです。理由はエンクロージャーにあります。要するに後面開放だからです。
エンクロージャーにより音質は大きく変わります。現在ではバスレフ式が横行しておりますので多くの皆様がその音に慣れてしまって低域のボン付きが当たり前のように感じているように思います。しかし、現実の音楽ではそのようなボン付きはありません。その演出を好むお方の場合はそれで善いと思いますが、私は好みません。やはり音楽は可能であれば現実の音に近い音で聴きたいと思っております。
グラフは先日当HPで紹介した私のメインシステムの特性です。上は無修正の特性です。下は超低域をブーストした特性です。私のウーハーは写真に示すガウスの46cmです。それでも無修正ですとフラット帯域に対して-8dBなのです。にも関わらず多くのスピーカーメーカーは誠しやかに平気で嘘をついているのです。しかし、その嘘を信じてしまうオーディオマニアもまたまた余り利口ではありませんね。
20Hzは測定は可能です。しかし、私の耳には聞こえません。スピーカーとは聞こえなくては意味がありません。すると近年のスーパートゥーイーターは意味が無い事になります。スーパートゥーイーターは確かに極々近くで聞くと雰囲気が変わる事は認めます。しかし、試聴位置に立つと全くその雰囲気を感じません。私に言わせればあれは詐欺その物だと思っております。何せ我々はコウモリではありませんからね。
以前ステレオサウンド誌が何を思ったか? 各市販スピーカーシステムの周波数特性を実測して発表した事がありました。その結果は惨憺たる物でした。何せ20Hzなど全く再生していませんでした。更に高域もせいぜい10kHz程度まででその先はダラ下がりの特性です。更に60~70Hz辺りに大きなピークがある物ばかりでした。要するにそのピークで低音感を演出しているのです。私にとっては “やっぱり” でしたがそれが現実なんです。要するにユーザーは騙されているのです。
ここで笑ってしまうお話です。それはオイロダインの周波数特性です。さぞかし優秀かと思いきや実際には情無い特性なのです。しかし、多くのスピーカーシステムはこの延長線上にある事を忘れてはいけません。
スピーカーは基本的に20~20kHzをフラットに再生する事など出来ません。メーカーのカタログにはいかにもそれを満足しているようにうたっておりますがあれは私に言わせれば嘘その物です。
左の旧型の物は我々の大先輩の伊藤喜多男氏や浅野勇氏が使っておりました。私の知っている範囲では値段は何と360万円でした。一般的なサラリーマンの給料が数万円の時代です。とんでもなく高価な物でした。
オイロダインは基本的には後面開放型です。その為にオイロダインのエンクロージャーはペラペラな合板です。後面開放型は背圧が掛かりませんのでペラペラな合板で全く問題は発生しません。その音質は実に軽快な音なのです。とは申せ再生帯域は狭く私は納得行く音ではありません。しかし、許される音である事は確かな事です。
2018/1/27
わたしは市販品のスピーカーシステムで満足の行く物に出会った事がありません。唯一許される物としては写真のオイロダインだけだと思います。二つのオイロダインの左の物は旧型で右は新型です。ウーハーを分散させた理由は恐らく低音のスピード感を求めた結果だと思います。新型の物の音は聞いた事はありませんが恐らく低音不足であろうと思います。低音はともかくコーン紙の面積が物を言います。小型をいくら数を増しても所詮は小型なのです。要するに “16cmは所詮16cm” なのです。
その点海外のスピーカーシステムメーカーは抜け目がありません。低域にバスレフ共振の大きなピークを作っておりました。すると何故か低音が充分に出ているように聞こえるのです。しかし、その低音はバスレフ共振させた低音ですのでブカブカな音の低音です。要するにウッドベースのピチカート演奏の音が “ボーン” と鳴っている低音です。そんな音を出すウッドベースはこの世にありません。ウッドベースの音は “ブルルン” です。要するにウッドベースの音に付いて行けない音が “ボーン” なのです。それが私の言う “サインカーブのいたずら音” なのです。
多くのオーディオマニアは昔習った三角関数など忘れております。三角関数とはサイン・コサイン・タンジェントです。それらは自然界にいくらでも存在する関数です。特にサインカーブは自然界に多く存在します。それはスピーカーのバスレフ共振その物です。その結果が “ボーン” と鳴ってしまうウッドベースの音です。そこで何も共振させないエンクロージャーの種類として後面が唯一の方法なのだと結論付けられます。その結果の我がシステム類なのです。
しかし、低音のダラ下がりは避けられません。それは少なくとも80cmものサイズのウーハーでも避けられません。増してや30cmや38cm、勿論46cmでも条件は同じです。そこで各スピーカーシステムメーカーは苦肉の策のとしてバスレフ共振を利用した嘘の低音で音作りをしているのです。しかし、その嘘の低音の音作りが当たり前になってしまっているので誰もその事に気が付いていないのが現状なのです。これはオーディオマニアの淋しい淋しい性なのだと思います。
余りオーディオマニアを蔑(さげすむ)のは止めましょうね。それよりも嘘の音で音楽を楽しむ事の方が大切ですよね。それを例え16cmユニット一発で実現するのがトーンコントロールなのです。試しに16cm一発のシステムを平面バッフルで作ってみて下さい。決して高価なユニットでなくても大丈夫です。オーディオ用であれば数千円のユニットで充分です。フォステックスのユニットなど最適なユニットです。
それを10m/m厚程度ののラーチ材に取り付けて試してみて下さい。多くのオーディオマニアはその自然な音を発するシステムに驚くと思います。数十万円もするスピーカーシステムの音を遥かに凌ぐ音を出します。しかし、多くのオーディオマニアはそれを試そうとはしません。それが “妙なこだわり” なのです。要するに “反ステレオサウンド” だからです。
私は決してステレオサウンド誌を否定はしません。悪く言えば必要悪、良く言えば最大の情報源なのだと思います。しかし、それは極々一部のお金持ちに許された世界であって、決して万民に共通する物ではありません。
多くの皆様が “オーディオは金食い虫” と表します。確かに当たり前にやっていれば金食い虫だと思います。しかし、方法次第で決して金食い虫にはなりません。もっともっとの金食い虫はクルマの趣味だと思います。何せ入れ替える度に何百万円ですものね。中には入れ替える度に数千万円にも及びますからね。
そんな馬鹿な事はしないで私に習って安価に安価にオーディオを楽しんではいかがかと思います。私のシステムも世間で言われている事をそのまま実行すればかなりの高額になると思います。私は基本的に所詮は貧乏人です。だからこそ出来た私のオーディオ観なのです。何せ “どれもこれも駄目な音” が私の基本になっております。それをいかに楽しく納得行く音にしようかとしたのが現在の私です。その為には少々の勉強は必要でした。それを惜しんでは進歩はありません。多少の資料代は必要でしたがね。
今回は少々長くなりましたのでこの辺で終わりにしましょう。次回はトーンコントロールを卒業して “その他のエフェクター” についてです。
しかし、メインシステムの場合はトーンコントロールはほとんど使いません。使う必要が無いからです。とは申せ不出来なソフトについては使います。何せモヤった音のソフトに関してはどうにもなりません。更にそれが好きな楽曲の場合で、更に録音ソフトがそれしか無い物などは仕方がありません。要するに必要最低限で使っている訳です。
私のメインシステムのウーハーはガウスの46cmユニットです。しかし、エンクロージャーは後面開放型です。当然バスレフ共振はありません。すると低音はダラ下がりになります。そこで超低域ブースターを効かせて30Hzまでほぼフラットになるように調整しております。
問題はそこなのです。要するにバスレフ共振がありませんと低音はほぼ全てのウーハーはダラ下がりの特性となり淋しい音に聞こえます。そこで各スピーカーシステムメーカーはバスレフ式にして低音にピークを持たせます。しかし、昔は我が国のスピーカーシステムメーカーはそのような小細工を嫌って余り大きなバスレフ共振はさせませんでした。すると淋しい音に聞こえました。当然 “スピーカーはやはり海外製だ
!” なんて事になり、我が国のスピーカーシステムメーカーは撤退せざるを得なかった結果となったのです。そして、その傾向は現在にまで脈々と続いているのです。
確かに16cm単発のスピーカーシステムの音は素直な音だと思います。しかし、実際には所詮16cmは16cmなのです。私の場合もダイアトーンP610で聞く場合はトーンコントロールで低音域を少々持ち上げて豊かな音に聞こえるように演出して聞いております。私のP610はエッジレスにして事実上のコーン紙の重さはオリジナルよりも少々重くなっております。当然低域は出易くなっております。しかし、それでも所詮は16cmは16cmです。何らかの方法で加工して聴き易く、更に少しでも納得の行く音で聞いて然るべきと思います。
逆にマグナボックス30cm一発の場合は高域を少々上げて聞いております。そのようにする事により少しでも納得行く音になるからです。
トーンコントロールの使い方のコツは “効かせ過ぎない” 事です。P610の場合は低音を効かせ過ぎますと低音でクリップしてしまいます。特に私の物はエッジがありません。低音でブカブカしてしまいます。
マグナボックスの場合は高音を上げ過ぎますと30cm単発と言えども高音がキンキンしてしまいます。やはり適度な使い方が必要なのだと思います。
マランツ7にしてもマッキントッシュ22にしてもコンデンサーを固定式にして更に抵抗をボリューム式にして作り易く、更に調整し易くしたのが左に示す回路です。勿論この回路に入力する前段としてバッファーを入れれば完璧です。
下のグラフは当方で製作しているトーンコントロールアンプの特性図です。当方の物は高域の上昇を少々抑えて±6dBとしております。低音に関しては±12dBとしております。
トーンコントロールに関しては近年のスピーカーシステムは各メーカー何故か低音にピークを持たせて豊かな音に聞こえるように妙な演出をしている物が非常に多く、私にとっては少々違和感を感じる音になっております。するとそこにトーンコントロールで更に色付けをすると更に妙な音になってしまうようです。そこでトーンコントロール無用論に発展してしまう可能性に繋がっているように思います。
しかし、ソフトの中には元々不出来な物もあります。それらの音の改造も私は必要だと考えております。特にモヤモヤ音の物は高域を少々上げてやると聞き易い音になります。そのような使い方も当然必要なトーンコントロールではないでしょうか?
更に某メーカーのクラシック曲のレコードは何故かキンキンした音に音作りされた物が非常に多かった事も確かな事です。それらを中古レコード店に持ち込むと一律100円のようです。
しかし、それらのレコードもトーンコントロールで低域を少々持ち上げてやるとある程度豊かな音で聴けます。その為にもトーンコントロールは必需品だと私は思っております。しかし、オーディオマニアは何故かそれをやろうとしません。やはり単なる “理由無き反抗” なのかも知れません。或いはオーディオマニアのプライドなのかも知れません。
更に悪いのは妙な言い伝えや誤解をそのまま信じて全てに当てはめてしまうのもオーディオマニアの最大の欠点だと思っております。何せ16cmに満たない小型スピーカーシステムにもそれらの言い伝えや誤解をそのまま当てはめてしまって淋しい音でそのまま聴いているマニアは正に “理由無き反抗” としか思えません。
図は今でも人気絶大のマランツ7の全回路図です。勿論アクセサリー回路勢揃いです。マランツ7は決して安物などではありません。それどころか当時は欲しくても一般的な方々にはとてもとても買える値段ではありませんでした。更に当時は1ドル360円の時代でした。ところで皆様は当時は何故1ドル360円だったのか? ご存知ですか?
理由は戦争が終わり、それと同時に円の切り替えもありました。その時にいくらに換算して良いのか色々と意見が分かれたそうなんです。そんな時に誰が言い出したか知りませんが “円だから360°で良いんじゃないか?” の意見がありそれがあっさり決まったそうなんです。とは申せオーディオ機器に関しては360円どころか1ドル千円程度の値していたように感じます。私の記憶ではマランツ7は確か37万円だったように記憶しております。
さてさて、マランツ7もマッキントッシュ22もトーンコントロール回路はNF型です。両者共にRCの切り替え式です。切り替え式の場合は切り替え時のショックノイズがある筈なのですがそれが無いのは恐らく直列に入ったRがショックノイズを和らげたのではないかと推測します。
2018/1/21
皆様大嫌いなトーンコントールです。とは申せ私は大好きです。
皆様が大嫌いな理由は単に “皆が嫌っているから” 更に “トーンコントロールは安物の代名詞だから” だからでしょうね。或いはジェームス・ディーンの如く “理由無き反抗” か?
低域の周波数に関しては R3 を通して C1 と R2 の回路に入ります。理由は C2 の値は低域の周波数に対して容量が足りませんので C2 は通過出来ないからです。更に R3 は単なる抵抗ですので周波数には無関係で一定の値を示します。
この場合に C1 は周波数が低くなればなるほど抵抗値は上がります。すると R1 との関係で周波数が低くなればなるほど増幅率は上がります。この時の増幅率は (C1+R2)/R1 となります。C1
の抵抗値とは当然インピーダンス特性を持ちますので周波数が低くなればなるほど値は大きくなると云う事です。
しかし、このままにしておきますと低域に関しては周波数が低くなればなるほど増幅率は上がってしまい、最終的な直流に達しますと∞になってしまいます。そこで R2 を設けて最大の増幅率は R2/R1 になるようにしております。
しかし、現実としては増幅素子の最大増幅率に限界があります。この時に真空管の場合は 12AX7(ECC83) を使った場合には2段増幅としても 100×100 となります。すると デシベル で現しますと 80dB(一万倍) となります。すると例えば MC型カートリッジ を使用した場合には低域に対して一万倍の増幅率となり、MC型カートリッジ を直接使用可能となります。
しかし、ここに最大の問題があるのです。それは 12AX7 の増幅率が実際には100倍無いのです。多くの物が80倍(38dB)程度しかありません。すると当然真空管式の場合は MC型カートリッジ を直接使う事は出来ないと云う結論に達するのです。
高域側に関しては C2 と R3 の関係となります。 C2 は周波数が上がれば上がるほど抵抗値は下がります。すると高域側に関しての増幅率は (C2+R3)/R1 の関係になります。当然周波数が上がれば上がるほど増幅率は下がって行きます。その特性が -6dB/oct なります。
この動作が最終的な特性として RIAA(リアカーブ) として全世界的に浸透した事になります。すると全てのレコードが同じ音なのでは? との疑問が生じます。
しかし、実際には録音する側は人間です。当然各々の好みやクセが付いて廻ります。その結果優秀な音、駄目な音に分かれてしまうのです。それを聞く側で許せる範囲に収めようとするのがトーンコントロールなのだと私は思います。要するにエフェクターとは積極的な働きを司る機器なのです。
しかし、頑固なオーディオマニアは未だに “何も曳かない、何も足さない” なんて馬鹿な事を脈々と続けているのです。更にそのような人々の多くがメーカーが作ったスピーカーシステムを信じてしまっているのです。世の中に信じても許されるスピーカーシステムなどありません。あるとしたら決して優秀な周波数特性を持っているとは思えませんがシーメンスのオイロダインは音質的に許される唯一のスピーカーシステムでは? と私は思っております。
さてさて、しかし、実際にはトーンコントロールだけでは用が足りない場合がほとんどです。そこで可能な範囲で更に優秀な音にする必要があります。それが超低高域ブースターです。とは申せ基本的な音質まで変える事は不可能です。そこで私の場合は許される音を出すユニット選びを続けていると云う事になります。
昔のオーディオアンプにはトーンコントロール回路を搭載した機器が多かったものです。いわゆるレシーバーと呼ばれた物です。レシーバーにはAM受信機・FM受信機・フォノイコライザー・ラウドネスコントロール・ローカットフィルター(ランブルフィルター)・ハイカットフィルター・左右バランス調整、その他エコーまで備えた物までありました。しかし、いつの間にやら何も無いアンプが当たり前になりました。私に言わせれば必要な物まで削ってしまったのです。
“過ぎたるは尚及ばざるが如し”
なのでは?
次回はNF型トーンコントロール回路についてです。
左はフォノイコライザーの基本的な回路です。C1 と R2 の2素子で低音側の+6dB/octのイコライザーを構成しております。
C2 と R3 の2素子で高域側の-6dB/octのイコライザーを構成しています。
要するにフォノイコライザーとは我々が聞く全ての帯域に対してイコライジングを行っているのです。当然そくには1オクターブに対して90°の位相回転を伴っております。
それでは各素子の働きをご説明しましょうね。
先ずは低域側についてです。
2018/1/14
今回は少々予定を変更して “レコードマニアは最大のイコライザーを使用” についてです。
オーディオマニアの中にはレコードしか聞かないなんて人も多く居られます。そんな人に限ってエフェクターなど使わないなんて人が多い事も確かな事です。しかし、私に言わせれば最大のエフェクターはフォノイコライザーなのです。何故ならフォノイコライザーは1kHzを基点として低域・高域の両方の特性に対して6dB/octの連続したイコライザーなのです。ここでフォノイコライザーの原理について少々ご説明しましょうね。
当然この当時にもハイエンドオーディオマニアは居ました。その代表的存在が伊藤喜多男氏であったり浅野勇氏であったりした訳です。このお二人は当時は一般のオーディオマニアは買いたくても買えなかったシーメンスのオイロダインを使っておりました。オイロダインは私が認める市販品スピーカーシステムで唯一許される音質の非常に優秀な音質のスピーカーシステムです。問題はその彼らが発した言葉だったのです。それが現在にまで脈々と当たり前のように言い伝わっているのです。その代表的言葉はA級アンプ伝説とトーンコントローラー無用論なんです。
私は決して彼らを否定はしません。彼らは確かに正しい事を言っていたのです。しかし、それはオイロダインを使っていたからです。しかし、一般の人は当時は我が国は貧しかったのです。よって、スピーカーシステムは劣悪な物しか買えませんでした。そこでオーディオマニアはその話しを自分が使っているひ弱な安物にも適応させてしまったのです。それが諸悪の根源として現在まで脈々と言い継がれているのです。
しかし、現在はスピーカーシステムのほとんどが優秀な特性の物となっております。とは申せ基本的な音作りに関して私は現在のスピーカーシステムの音作りは基本的に間違っていると思っております。
今回のシリーズはその辺の問題点を少々厳しく語ってみたいと考えております。
次回は理想的なトーンコントロール回路についてです。
この回路図を見て懐かしさを感じるお方も居られると思います。そのようなお方は恐らく60代後半から70代80代のお方であろうと思います。昔はこのような回路構成が当たり前だったのです。
この回路構成は決定的な問題を背負った回路構成なのです。この回路で実際に作れば当然音は出ます。しかし、HI-FIとは程遠い音なのです。理由はインピーダンスマッチングを無視した回路構成なのです。
最大の問題点は12AX7の負荷に対してトーンコントロール回路のインピーダンスが低過ぎるのです。電子回路は低いインピーダンスで送り出し、高いインピーダンスで受ける事が大前提なのです。それを無視した回路構成がこの回路なのです。
左の図はトーンコントロール特性の代表的な二種類です。左側の特性は昔はよく使われたCR型トーンコントロール特性です。右側はその後に使われるようになったNF型トーンコントロール特性です。
CR型は基点の周波数に対して働きます。NF型はボリュームの位置により基点の周波数は上下する事が解ると思います。本来はやはりNF型の特性が人の耳の聞こえ方に即した特性と言われております。
そこで昔によく使われ、その嫌われた理由の回路構成を以下に示します。
2018/1/11
今回は50年もの前の迷信的なトーンコントロールの嫌われた理由について述べてみましょう。
さてさて、世の中はオーディオに限らず過去の迷信的な言い伝えが脈々と残っていますし、更にそれが正しいと思い込んでいるお方が実に多いのです。正直申し上げて呆れております。その最大の思い込みがトーンコントローラーだと確信しております。
このページではそのような間違った言い伝えにメスを入れてやろうとする少々問題ありのページにしたいと考えております。
申し訳ございませんが今回はここまで。
次回は昔のトーンコントロール回路と問題点についてです。
勿論SPレコードで聴いたのが最初です。あの時の感激は今でも忘れません。衝撃的な出来事でした。何せ世の中に何も無い時代の出来事ですので現代の皆様にはご理解頂けないのを承知の上で申し上げております。
ペーギー・葉山の本名は知りません。しかし、当時としては裕福なお家のお嬢様だったようです。ここで当時と申しますのは昭和で申しますと30年頃です。西暦で申しますと東京オリンピックの10年程度前の頃だったと思います。とは申せ何せ昔の話しですので少々大変に何とも曖昧な記憶ではあります。
彼女は進駐軍の基地でジャズを歌って当時からかなり売れていた歌手だったようです。しかし、ほぼ完璧な歌謡曲の歌い手として選ばれた事に対して反対した歌手も居たとか? その犯人は恐らく市村ブーチャン・オイダトシオ・旗輝夫その他だったのでは? と思っております。
2018/1/9
お陰様で予定より一日早く退院出来ました。この度の病気での入院はこれでおしまいです。去年の10月末からの出来事でしたので長かった長かった ! とは申せ最後の一押しが残ってはおりますがね
!
さてさて、お約束のトーンコントローラーです。
今回のシリーズは何もトーンコントローラーが本来の目的ではありません。トーンコントローラーのお題目にしたのは
“皆様余りにも過去の常識に取り付かれておりませんか?”
なんです。
私は過去何度も申し上げますが私のオーディオの原点はペギー・葉山の “南国土佐をあとにして” です。
古い古いユニットはオーディオショップでもめったに出ません。例え出たとしても妙に高い値段が付いております。先日某オーディオショップで50年程の品物であろうと推測される38cmコアキシャルユニットは二本で何と約10万円でした。しかし、数日後に売れたようで品物は無くなっておりました。やはり古い古いユニットを追い掛けている人が居るんですね。
しかし、考えてみますと私のようなオーディオマニアばかりですとオーディオショップは成り立ちませんね。何せスピーカーユニットは妙な物ばかりです。更にひびの入ったユニットは直してしまいます。更にコーン紙まで張り替えてしまったらオーディオショップは出番がありません。
更にこれは私の仕事ですがアンプ類は全て自作です。CDプレーヤーは過去何台入れ替えても全て駄目になりました。そこで数千円で中古PCを買いCDプレーヤーの代わりにしました。したらば何年経ても壊れないのです。
以前はPCでCDを掛けるとひどい音でした。しかし、最近のPCは恐らく16ビットマシンを積んでいるのだと思います。一般のCDプレーヤーと何ら変わりません。不思議だと思いませんか? それには理由があるのです。では、その理由とは?
実は音楽用のD/Aコンバーターのほとんとはバーブラウンが製造しているそうなんです。では、何故同業他社は作らないのか?
以前D/Aコンバーターに入力する前段階のレシーバーICを生産しているメーカーのお方に尋ねてみました。するとD/Aコンバーターのほとんどをバーブラウンが生産しているので既に入りむ余地はほとんど無いからだと言っておりました。
D/Aコンバーターには色々な仕様の物があります。測定器用やら医療用その他多数です。しかし、それらは各々使い道により妙にサンプリング周波数が高かったり妙にビット数が多かったりです。やはり一般オーディオ用には44.1kHz、16ビットが多いようです。近年は24ビットマシンも多くなったようですが、それを活かすオーディオシステムは少ないのが実情です。オーディオシステムとは何事にも言えるように全体のバランスが必要です。よくありがちな一点豪華主義は無意味なんです。
そんな理由で恐らくPC用にも一般オーディオに使う普通のD/Aコンバーターを使っているのだと思います。すると馬鹿高いCDプレーヤーなど使う必要が無いのでは? と、私は思います。それにしても近年のオーディオ機器は高過ぎます。あれでは買える人は限られてしまいます。特に若い人など到底無理のレベルに達しております。
最近の若い人はクルマに乗らない、当然バイクにも乗らない、お酒も飲まないなど等の人が多いとか? すると数万円で手に入るスマホに夢中になるのも無理はないと思いますね。
さてさて、ウーハーです。希望する音質にもよりますが私のように軽快で清々しい音を発するウーハーは世の中にほとんど無いようです。その悪影響から逃れる為にはウーハーの受け持ち帯域を極端に狭くするしか方法はありません。すると最終的に最低でも5チャンネルマルチチャンネルシステムにするしか方法はありません。当然大掛かりなシステムになってしまいます。どうしたら良いのでしょうね。
今回でこのシリーズは終わります。次回からは皆様大嫌いなトーンコントローラーについてにしましょうね。
更に、明日からしばらくの間入院します。ご容赦願います。
ダンパーのクセは中性洗剤を薄く薄く溶いた水のような物で極々簡単になおります。塗った瞬間に元に戻ります。そのようなユニットをお持ちのお方は是非ともお試しあれ。
←
← の部分が修復箇所です。この場合はヤマト糊が最もお勧めです。この方法で過去何個も直しました。
多くの人がこのような場合に近年の化学糊を使おうとします。それは間違いです。何故なら化学糊は自然素材との相性が悪く離婚の原因となります。やはりどの世界にも相性と云う物がありますね。
このウーハーは何と2本で一万円でした。しかし、EMS便の送料が一万円でしたので合計二万円です。実に安い買い物でした。
多くのオーディオマニアはスピーカーに少々問題があると駄目だと思うようです。しかし、内容次第ですが少々勇気を出すと多くの物は元通りに直せます。例えば下のイーベイで手に入れたユニットです。コーン紙にひびが入っている事は承知の上で落としてくれました。
そのユニットはウーハーとして出品されておりました。しかし、写真を見ると恐らくフルレンジユニットであろうと思えるユニットでした。何せ当時としては珍しくコルゲーションコーンです。その代わり張り合わせコーン紙です。ダンパーは恐らく蝶ダンパーであろうと推測しておりましたが何とコルゲーションダンパーでした。それも妙なクセは無くそのまま使えました。コルゲーションダンパーにクセが付いた物は下の写真のように中性洗剤で簡単に直せます。皆様もそのようなユニットに当たりましたらお試し下さい。ほんの一瞬で元通りです。
さてさて、手元に届いたユニットは案の定巻き始めの部分で断線しておりました。しかし、そんなものを直すのはお手の物です。数分の作業で修復です。それを出品者に連絡しましたら感謝されました。
そのユニットは2本で僅か一万円での落札でした。実に安い買い物でした。
2018 正月三日
さてさて、古い古いウーハーはヤフオクでもめったに出品は無いようです。以前私が見付けたマグナボックスの場合は少々怪しい内容でした。その内容は恐らくフィールドコイルが断線していると思える内容でした。
しかし、一般的にコイルの断線は巻き始めか巻き終わりの部分でして中間での断線はまずありません。そこで少々勇気をだして札を入れました。他のお方も怪しいと感じていたのだと思います。私以外には誰も札を入れませんでした。
近年は住宅事情もあり小型のウーハーを使ったスピーカーシステムが多いようです。そこへ更に追い討ちを掛けているのがAV用のトールボーイ型スピーカーシステムです。AV用の場合は使用目的からして仕方の無い事だと思います。しかし、AVの場合は人の意識の大部分は映像にあります。すると音などどうでも良いのでは? とも思います。
その場合は音声のダイナミックレンジが臨場感を増します。そこでハリウッド映画は録音レベルを落としてその分ダイナミックレンジを広げているのです。非常に理に叶っている策だと私は思います。何でCDの場合はそれを真似しようとしないのか? 私は甚だ不思議です。理由はレコーディングエンジニアーは音楽マニアではないからでは? 更に音楽評論家と称する連中も、更にオーディオ評論家と称する連中もその類なのでは?
いやいやまたまた話が反れました。年を越してもこのクセは直っておりませんね。
過去何回も申し上げておりますがオーディオは機器に何を使っているか? では無く、どのように使っているか? なんです。但し、ウーハーの場合は使い方が非常に難しいユニットです。更にオーディオマニアにとっては理想的なウーハーは世に無くなっているのが真実です。淋しい淋しいウーハー業界なんです。では、理想的なウーハーを探すには?
やはりイーベイで探すしか無いようです。その場合は英語が必要です。私の場合は英語の達者な友人が居りますので比較的楽に入手可能です。更にそのお方もオーディオマニアですのでユニット探しもその彼にお任せです。しかし、そのようにして入手したユニットの使い方はマルチチャンネルシステムで使うしか方法はありません。何せコンデンサーとコイルのネットワークは余りにも難し過ぎます。個人的に作ろうとしてもとてもとても無理なお話です。
次回に続きます。
右写真の上は自家用の天吊型平面バッフルです。サイズは一辺約90cmです。材質はラーチです。要するに近年の建築材料で、昔は米松合板と呼ばれておりました。アメリカ製のスピーカーボックスの多くがこのラーチです。要するにいくらでも手に入り、さらに安い材料です。
同下の写真は自家用の後面開放型です。左のウーハーはガウスの46cmです。右上のユニットは私が軽いコーン紙に張り替えたミッドバスユニットです。この後面開放型は物置になります。置いてあるのはアルテック416型とエアーパッチに包まっているのはアメリカのイーベイで手に入れた昔々の38cmユニットです。
このスピーカーボックス(?)でもコントロール次第で30Hzまでほぼフラットに再生します。それは先日公表したデーターです。それは46cmだから実現するのです。38cmであれば30数ヘルツまでほぼフラットに再生可能と思います。
宜しいですか? 皆様。低音は要は面積なんです。更に音質はコーン紙の重さなのです。スピーカーは直立させますのでこの場合は質量と表する表現が正しい表現かも知れません。
ここで重さと質量のお勉強です。質量とはその物の重量です。それに重力加速度を掛けた値が重さです。
ボーンと響く音を発する楽器など世の中にありません。あるとしたら電気楽器であるエレクトーン(シンセサイザー)だけです。やはりウッドベースはブルルンと鳴り響く音はそのまま聞きたいと思うのが普通の人の願いだと思います。
それを少しでも本物に近い音で出そうとするとウーハーはともかく軽いコーン紙で、更にそれを自由空間に設置してやる必要があります。その方法は平面バッフル、或いは後面開放型しかありません。
2018/正月二日
スピーカーは普通に考えればほとんど人がエンクロージャーに入れる事を考えます。理由は裏に発生する位相が逆の空気の波を遮断する為です。その為には大きな空間が必要です。しかし、そんなに大きな空間は普通は確保出来ません。そこで空気の共振を利用して一部の周波数を前面に出そうとしたのがバスレフ式です。当然その波形はサインカーブとなります。しかし、連続音となりますと連続で音声信号が入ります。当然その波形は想像不可能な物となっている筈です。それがバスレフ式独特のボーンと鳴り響く低音です。
しかし、当然耐入力は低い値を示します。それはウーハーの使い方で簡単に解決します。それはウーハーのハイカット周波数です。
一般のスピーカーシステムのウーハーの受け持ち帯域は数百ヘルツです。当然ウーハーの致命傷であるオーバーシュートを思う存分含みます。その結果のボワボワ音なのです。その悪影響から逃れるのはウーハーのハイカット周波数は60~70Hzにする必要があります。するとその帯域の音声信号は極少になります。当然許容入力は小さくても問題にはなりません。
しかし、それ以上の帯域を受け持つミッドバス帯域に大きな負荷が掛かります。そこでミッドバスには30cm程度のユニットを使う必要が発生します。
宜しいですか、オーディオは理論なんです。感覚などに頼っていはいけません。全ては理論の積み重ねなんです。
次回に続きます。
←
左は現在使用中のガウスの46cmウーハーの1842です。確かに重低音は出ています。しかし、納得行く軽快な重低音ではありません。以前これを何とかしようと AFB (アコースティック フィードバック コントローラー)なる強制制動コントローラーを作りました。確かに制動の効いた締まった低音が再生されました。しかし、何とそれと同時に量感が失われてしまったのです。その時の遺品のマイクが ← です。貴重な経験の大失敗劇でした。
そこで手に入れたのが右に示すウーハーです。サイズは38cmです。メーカーは判りません。恐らくジュークボックスに使われていたウーハーだと思います。今では笑ってしまうようなマグネットのユニットです。しかし、その分コーン紙は非常に薄く軽い物です。これは軽快な音を再生する事を示しております。
では、何故あれ程の大きさのスクリューを使うのか? それは大きさがより強い推進力を発揮するからです。その理屈と同じでウーハーはより大きな面積がより低い音を再生します。とは申せオーディオの場合は対象は音楽です。何も必要以上の大きさを持たせる必要は無いと思います。そのちょうど良い大きさは38~46cmだと思っております。76cmや80cmの物もありますが音楽を再生する為にはそこまでの大きさは不要であると私は思っております。何故ならそこまで低い音を発する楽器はめったに無いと思うからです。少なくとも一般的なオーディオマニアの聴く音楽にはそのような楽器は使いません。
しかし、近年はAV用のスピーカーシステムに比較的小型のウーハーを二つ使ったシステムが非常に多くあります。あれは単に低音の量感を増すだけの話でありより低い音を発する事は出来ません。何せスピーカーの場合は負荷は空気です。より多くの空気をつかむ為にはより大きな面積が必要なのです。
よって “38cm二個よりも46cm一個” なのです。それがより低い音を再生する為の秘訣なのです。昔は16cmユニット4個で30cmのユニットに相当するなどと言われていた時代がありました。確かに面積を考えれば正しいのかも知れません。しかし、単に面積と再生能力とは違います。それがスピーカーの不思議なんです。
もし、もしもですよ、上述が正しいとすれば数センチメーターのコーン型トゥーイーターを数十個並べれば重低音が再生出来る事になります。しかし、そんな事は絶対に無い事は周知の事実ですよね。昔はそんな馬鹿な理論がオーディオ界では平気で言われていたのです。情け無いオーディオ界なのであります。しかし、しかしですよ、それ似た内容が小型ウーハーのダブル仕様なんです。AV用はやはりAVの場合に使うべきスピーカーシステムなのです。著名なオーディオ評論家でもAV用のスピーカーシステムをピュアオーディオに使っている人が居ります。あれは全然解っていないんです。要するに○○なんです。
私は46cmウーハーを使っておりますがそれなりの低音は出ております。しかし、その音質は決して納得行けてはおりません。そこで今年の課題として納得いける音質のサブシステムを創る事に目標を置く事にしております。その時のウーハーを示します。
写真のスクリューはどうやって作ったのでしょうね。恐らく多くの人は大きなインゴットから削り出したのだと思うでしょうね。しかし、あれ程の大きさのインゴットは出来ないと思います。材質は恐らく真鍮の類だと思います。すると溶解温度はそれ程高くありませんので連続的に溶解すれば可能かも知れません。しかし、あれ程の大きなワークを切削出来るフライス盤は世の中にありません。
世の中には不思議な物はいっぱいあります。私は奈良の大仏の作り方を知った時には唖然としたものでした。現在の物で不思議な物の代表は航空母艦のカタパルトの構造です。あの長いシリンダーの内部をピストンが開口部を塞ぎながら高速で移動するのです。どうなっているのでしょうね。
2018 元旦
皆様、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。
私は何事も無く? 目出度く年を越す事が出来ました。先ずは、良かった良かった !
今年は20年来の悲願でありましたエクスパンダーを最終的な仕上げをする必要があります。去年物にしたエキスパンダーも勿論完成度はそれなりに完成はしていました。しかし、問題もありました。それはソフト側の機器の出力電圧が余りにも広範囲に散在している為に中には効果を発揮出来ない場合があった事です。
エキスパンダーはその能力を発揮しますと素晴らしい臨場感が感じられます。例えばブルーベックのテイクファイブです。あのドラムスのバスドラの迫力は素晴らしいです。或いは演奏方法にもよりますがカルメン序曲の迫力です。とは申せ多くのオーケストラ演奏は余りにもダイナミックレンジが広くオーディオ装置では再生し切れません。やはり世の中は諦める事も必要なのでしょうね。
さてさて、オーディオと言えばやはり低音です。しかし、例えどんなスピーカーシステムでも市販品に充分な帯域の低音を出す物はありません。低音はウーハーのコーン紙の面積なんです。それは我々が夏場に使う団扇や船舶用のスクリューと同じなんです。
余談ですが No,7