今更こんなプレーヤーを使っている人も少なかろうと思います。しかし、昔々のオイルダンパーアームは何とも情緒があって私は好んで使っております。

 このプレーヤーにした時に思いました。“俺はいったい何をしていたのだろう” とね。以前は35cmの大型ターンテーブルにSME3012のロングアームでした。カートリッジはデッカ・シュアー・デンオン・オルトフォン・ADC・サテン・・・・・。

 シュアーのSC35は全てを否定する程のカートリッジでした。この一つで他は何もいりません。

 SP用は同じくシュアーM44です。デンオンのDL102SP用を考えていましたが必要ありません、ここでもう一度ワンポイントアドバイスです。

 SP再生用には何もSP用のスタイラスは不要です。極々一般的なLP用のスタイラスで全く問題なくトレースします。SP再生の時に肝心なのはレコードのお掃除です。

 次回はトゥーイーターについてです。
 さてさて、私のメインシステムの5チャンネルマルチシステムともなりますとレベル調整は大変な作業となります。単に音楽を流して好みの音に落ち着くまでは大変な時間と大変な苦労が伴います。しかし、3チャンネルシステムの場合は非常に簡単です。いつも聞いている好みのソフトを流して好みの音になればそれでおしまいです。

 しかし、出来上がった音はネットワークシステムとは次元の異なった素晴らしい音に仕上がります。それがマルチチャンネルシステムなのです。一度マルチチャンネルシステムの音に接すると元には戻れません。更に、自分の好みの音のユニットに自由に入れ替えられるのはマルチチャンネルシステムの特権です。

 但し、パワーアンプはチャンネル数分必要になります。ここで問題なのです。各メーカーのパワーアンプは何であんなに高いのでしょうね。正に “バカみたいな値段” なんですね。ここでワンポイントアドバイスです。それはスピーカーの許容入力に関してです。

 この問題に関しましては過去何度も申し上げたと思います。しかし、未だ “大きい事は良い事だ !” で正にバカ見たいなハイパワーアンプを使っているオーディオマニアと称するオーディオ機器マニアが非常に多いのです。

 各ユニット、特にトゥーイーターについて申し上げます。トゥーイーターに限らず各ユニットには使い方と許容入力が表示されております。その表示は表示に従った使い方で使った場合にシステム全体に掛けられる許容値であると云う意味です。よって、トゥーイーターに100ワットものパワーアンプを使ったら事故があった場合には必ず破壊します。

 マルチチャンネルシステムの場合には一般家庭であれば最大出力は低域・中域用であれば10~20ワット程度であれば充分過ぎる程のパワーであると思っております。高域の場合は2~3ワット程度もあれば充分であると私は思っております。

 ここでもう一度ワンポイントアドバイスです。それはPA用アンプの場合です。PA用パワーアンプは出力500ワット、入力感度5ボルトなんてアンプが多くあります。そこでアマチュアは最大出力は小さく、入力感度だけPA用に従ったアンプを使ってしまう人がいるのです。

 この場合にPA用であればライン入力でその程度の感度であれば問題はありません。しかし、最大出力が数ワットで、その時の入力感度が5ボルト程度ですと音圧は極小にしかなりません。すると他のチャンネルとのレベル合わせが出来ません。その結果メジャグランのチャンネルディバイダーは出力電圧はばらつきがあるとの苦情になるのです。

 改めて申し上げますが当方のチャンネルディバイダーの出力感度は 入力電圧=出力電圧 です。もし、レベル調整がうまく行かない場合はその原因はパワーアンプの入力感度と最大出力のバランスにあると思って間違いありません。

 しかし、多くのオーディオマニアは自分の装置はスタンダードだと思い込んでいる人がほとんどです。例えどんなに変な内容の機器を使っていても一般的では無い事に気が付いていない場合が非常に多いのです。ここで変な話しを。

 某お方が使っているカートリッジの出力電圧が0.03mVだと言うのです。そのカートリッジは某オーディオショップが独自に改良した物だそうなのですが、話しによるとカートリッジは出力電圧は低ければ低い程音質は向上すると言うのだそうです。私はその理論は解りませんが本当だとは思えませんよね。ねっ ! 変な話でしょ。

 私の場合は以前は神経質なカートリッジばかり使っておりました。しかし、プレーヤーを作り直した時に新たに買ったカートリッジは数千円のDJ用です。シュアーのSC35です。ともかく頑丈この上無しのカートリッジです。針圧は5g掛けてもへっちゃらなんです。
 写真がそのレベル計です。周波数帯域は20~20kHzです。材料費はとてつもなく高く、手間も大変な時間を要しました。マイクはベーリンガーのECM8000番です。勿論コンデンサー型で測定器用のマイクです。この時にダイナミック型のマイクですと周波数特性に問題がありますので使ってはいけません。

 レベル計で定量的に測定しますと5チャンネルシステムですとボーカルがぴたりと真ん中に定位します。それはそれは気持の良いものです。

 しかし、3チャンネルの場合は部屋の影響などに大変影響を受けますのでそれ程正確な位置関係は求めてはいけないと思っております。それが良い点でもある3チャンネルだとも思っております。

 レベル計に関しましては先年無線展示会でホワイトノイズ発生器を入手しましたので、いずれバンドパスフィルターを作って新たなレベル計を予定しております。

 これは毎年夏場に行っていますので興味のあるお方は行ってみると良いと思います。私はここで極安で色々と測定器を手に入れました。
2017/10/29
 上の写真は当方で販売している 3chN 云うCR型による-6dB/octの極々普通の2・3ch両用のチャンネルディバイダーです。私もサブシステム用として使用しております。このチャンネルディバイダーの最大の特徴はクロス周波数が自由自在である事です。自由自在ですので当然クロス周波数はボリューム式です。それは何を意味するかと申しますと音楽を聞きながらクロス周波数・各レベル調整が可能であると云う事です。

 この時は私が推奨する男性ボーカルが最も調整がし易い事は過去何回も申し上げました。但し、例えば菅原洋一のような倍音成分がほとんど感じられない声でありますと全く意味を持ちませんのでご注意下さい。

 多くのオーディオマニアは “マルチシステムに手を出すと泥沼にはまる” と申します。その原因は最初から身の程を考えずに高度なマルチシステムに手を出したからだと思います。要するに最初から遮断特性を急激なチャンネルディバイダーに手を出して厄介な調整に苦しんだ事だと思います。これは私の経験談ですので間違いは無いと思っております。そこで私は何とレベル計まで作ってしまったのです。

 レベル計を作るには大変な苦労が伴いました。先ずはワーブルトーンの作り方から始まりメーターの製作までです。ワーブルトーンはご存知基点となる周波数を中心に数十パーセントの割合で上下に振らせます。この回路は勿論オーディオ回路などではありません。その為に何冊もの専門書を買い漁りました。しかし、それが結果として大変に自分の為になった事は確かな事ではあります。

 最大の苦労はデシベル表示のメーターでしたね。私の場合はサラリーマン時代に各メーター業者とお付き合いがありましたので業者の選択には苦労はしませんでした。しかし、注文書とは無言で自分の意思を伝える必要があります。そこで克明な内容の注文書を書き上げてメーカーに送りました。そのメーカーは恐らくご存知無いと思いますが第一計器と云う現在では多くのインターフェイスを各アセンブルメーカーに供給している元々はメーターメーカーです。

 出来上がってきたメーターには私も驚きました。何せ試験データーの克明な事この上なしと云ったものでした。但し、値段にも驚きました。払わない訳には行きませんので涙を飲んで支払いました。
 このチャネルディバイダーの使い方、その他については次回に続きます。
2017/10/26
 さてさて、ここで皆様の気持は解りますが3チャンネルシステムの場合は鮮烈な音を求めてはいけないと云う絶対条件が付きまといます。その大きな間違いの代表的存在が38cmウーハー+2インチドライバー+大型ホーン+ホーントゥーイーターによる3チャンネルネットワークシステムだと確信しております。その多くがスタジオモニターである事も確かな事です。そして、それらはほとんどのスタジオで単なるはったりに過ぎず、全くと言っても過言ではないくらいに使われ意おりません。理由は簡単 “音が悪いから !” に過ぎません。

 要するにボワボワな低音、カチカチでうるさい中音、シャカシャカと耳障りの高音なんです。最早音楽などではありません。それと知らずに多くのオーディオマニアは未だに憧れている訳です。とは申せ私もかつてはそうでした !。

 ところが何故か中音だけでも一般的なコーン型ユニットに入れ代えると大人しい穏やかな音質に変貌します。原因はコーン型ユニットは耳障りな聞き辛い音を出さないからに過ぎません。コーン型ユニットは当然の如くかなり低い帯域から分割振動を起こしている筈です。しかし、その分割振動がメタルダイアフラムの聞き辛いうるさい音では無いのだと思っております。しかし、私の好む JBL LE8T は分割振動を積極的に取り入れているコルゲーションがありません。それなのに何故か穏やかにして艶っぽい音を発します。

 ダイアトーン P610 はこれまた私が好む音ではありますが、中高域に少々ピークを持った音ではあります。その為に私は P610 の場合はトーンコントロールで低音域を少々持ち上げております。

 さてさて、ここで今回のテーマに戻ります。

 3チャンネルマルチシステムの場合でも普通にレベル調整をしますと低域で少々モヤモヤ感を伴います。更にミッドとハイを普通にクロスさせますとシャカシャカとして耳障りな音が付きまといます。そこで多くのオーディオマニアは各ユニットを色々と入れ替えます。当然その都度オーディオショップに通います。これこそオーディオショップは “鴨ネギ” なのです。

 私は過去何度も申し上げたと思います。 “何を使っているか? では無く どのように使っているか?” なのです。例えどのようなユニットでも普通に使っていたら普通の音しか出ません。それは例えどんなに高価なユニットであっても全く変わりません。

 その点マルチチャンネルシステムの場合は各ユニットは自由に入れ替えられますので尚更なのです。そこで私は手前味噌ではありますが写真のチャンネルディバイダーを開発し、販売し、更に自家用としても使っているのです。
2017/10/19
 前回ミッドにはコーン型フルレンジユニットを使うべしと申し上げました。それには勿論理由があります。それは

 オーディオマニアは何故か妙なユニットを使いたがる

 なんです。皆様もそのような気持が何処かに見え隠れしていると思います。私もそうでした。過去には色々な形式のユニットを使った経験があります。ミッド帯域に関してはそれ程多くの種類は無いようです。更にフルレンジユニットとなると限定されてしまいます。妙なスタイルのフルレンジユニットと申しますと平面型のユニット程度だと思います。

 あれは元々景山スピーカーと言いましてこの世界に長らく存在した景山朋氏の考案のスピーカーです。現在はその権利を古山オーディオが持っていると聞きました。私は一度聞いた事がありますがこれと言った特徴はありませんので、3チャンネルマルチのミッドとして使えるユニットだと思います。

 ここでちょっぴり道草です。

 景山朋氏は私と同じで2A3のロフチンホワイトアンプが出好きな人でした。そんな彼はロフチンホワイトアンプのブッシュプルアンプを作ろうとしていました。しかし、私はその気持は解りますが無理なんです。最終的に彼が考えた方法は入力にトランスを使う方法でした。要するに入力でホット信号とコールド信号に分けてその後ろは普通のロフチンホワイトアンプを作ります。そしてその信号を最終的にプッシュプルアウトプットトランスで合成しようとするアンプです。

 彼の時代はその方法しか無かったと思います。しかし、現在であればバランスアウトのプリアンプは当たり前にあります。それを使えばプッシュプル式ロフチンホワイトアンプは簡単に作れます。彼は産まれるのが数十年早かったのかも知れませんね。

 さてさて、それ以外の形式と言いますとフルレンジユニットは恐らく無いと思います。コンデンサー型にしても蛇腹式の何と言いましたかね? それらは全て専用帯域用ですので私がお勧めする方法には使えません。

 要は普通の音で鳴ってくれる3チャンネルシステムには普通のユニットを使いませんと普通の音には成らないと云う事です。この “普通の音” が最も大切な事だと私は思っております。ここで何故 JBL LE8T が有名になったのか? についてです。理由は簡単です。それは普通の音だからです。その普通の音が大事なんです。LE8Tの場合は普通の音でありながら艶っぽさが加わっているものだから有名になりJBLの代表作となったのだと思います。

続きます。
 申し忘れましたがオークションで出品されているスコーカーと称しているユニットは使ってはいけません。絶対に失敗すると思って間違いありません。そのようなユニットを使って失敗しますとその後は何にもなりません。捨てるしか策はありません。

 1インチドライバーは3チャンネルシステムに使えますが3チャンネルシステムの場合はウーハーとの音の繋がりが悪く使える物は無いとお考え下さい。その代表的な存在が大型のスタジオモニターです。あれはボワボワな低音の上に実にシャープな音の中音が受け持ちます。それが現実には多くの録音エンジニアーに違和感を感じさせてしまっているのです。よって、ほとんど全ての大型スタジオモニターは単なる張ったりか飾りと化しているのです。

 もし皆様の中に2インチドライバーと大型ホーンをお持ちのお方がおりましたらいずれ使う予定にしておいて保存しておく事をお勧めします。間違っても大型ウーハー+2インチドライバー+大型ホーン+ホーントゥーイーターなんて事は考えない方が無難です。理由は恐らく今後説明する機会があると思いますのでここでは割愛します。

 さてさて、私は上述したように P610 或いは LE8T が最もお勧めなのですがその他と云う事になりますと私も判りません。何せそれ以外のユニットは使った経験がありません。とは申せフォステックスには優秀な音を出すユニットがあるであろうと推測します。

 フォステックスはあの長岡哲夫氏が自作システムで多様したものだから自作用のいい加減な物のとして多くのオーディオマニアには毛嫌いされてしまつております。しかし、非常に優秀なユニットを販売しております。私も以前はフォステックスのトゥーイーターの T500 を使っておりました。非常に優秀なトゥーイーターでした。しかし、私の手違いで一個飛ばしてしまいました。残念でした。

 私のメインシステムのミッドハイはフォステックスの T300 です。これまた非常に優秀なユニットです。但し、当時フォステックスはトゥーイーターとして発売したのです。それが間違いの基で、最初からミッドハイ用として販売すれば現在でも細々と作っていたかも知れません。

 ここで間違いの無い3チャネルマルチシステムの作り方として中間報告です。

 ミッドにはコーン型フルレンジユニットを使うべし

 です。

 次回に続きます。
 LE8T 以外に優秀で使えると思えるユニットは右に示したダイアトーンP610でしょうか。

 写真の物は最後期のメモリアルユニットです。メモリアルはエッジがフェルトですので劣化はほとんど無いと考えて良いと思います。P610の良さはハッキリとした音なのです。その分豊かさや艶っぽさはありませんが違和感を感じさせない素晴らしいユニットだと思っております。

 例えば上の写真のシステムにP610を入れても問題は無いと思います。いずれ試してみようかと考えております。

 その他3チャンネルシステムに使えるユニットはいっぱいあると思います。昔は16~20cmのフルレンジユニットはいっぱいありました。しかし、現在はユニット単体で販売されているユニットは非常に少なくなってしまいました。残念ですね。

 とは申せコイズミ無線へ行ってみると色々とあるようです。そのコイズミ無線も秋葉原のガード下の店は無くなってしまいましたので残念です。違う場所で営業しているのでしょうが私は知りません。
 左のシステムが登場するのはこれで二回目ですが最も簡単にして最も間違いの無いシステムが出来上がります。しかし、何も天井から吊り下げる必要はありませんので念の為。

 このシステムが最も簡単で間違いが無いと申しますのはミッドの JBL LE8T は音質に定評があるからです。私は最も優れた20cmユニットは LE8T だと思っております。何も性能的に優秀な訳ではありません。私が優秀だと思うのはその音質からです。

 オーディオ装置はスピーカーで音質の80パーセントは決まってしまうと考えております。すると LE8T は何とも艶っぽい音なのです。この艶っぽさは私はその他のユニットには感じた事はありません。但し、やはり20cm一発の限界で再生帯域が狭いのは致命傷です。

 その LE8T の艶っぽい音に低音と高音をいくらか足してやろうとするのがこのシステムの無理の無い音の基本的な考え方であった訳です。
2017/10/17
 マルチチャンネルシステムと申しましても2・3チャンネルでは難しい事はありません。レベル調整にしても自分の好きなソフトを用意すればそれだけで出来上がります。但し、その時はソフトとしてボーカル物で行う事が重要です。よくピアノの音で合わせるなんて人が居ますが私はそれは絶対に間違いだと思っております。何せピアノの音を日頃絶えず聞いているは極稀です。その点人の声は例え知らない人の声でも自然な声か異質の声かは判断出来ます。

 ボーカル物でも私は男性ボーカルをお勧めします。それもバリトン帯域の声は最もお勧めです。私の場合は非常に古い人ですがビング・クロスビーが最もお勧めです。或いは皆様ご存知フランク・シナトラなどもお勧めです。とは申せ彼らに順ずる声であれば誰のソフトでもかまいません。条件としては声に倍音成分の多い声です。声の倍音成分とは喉仏の響きが入った声とお考え下さい。
 そうなんです。その状況は今でも変わりません。ほとんどの録音スタジオで大型スタジオモニターは使っていません。使えないのです。もう一度申し上げます。 “音が悪いから” なんです。

 理由は前回までの繰り返しになりますがコーン紙の重いウーハーを数百ヘルツまで使って、その上の帯域にはいきなり2インチドライバーなんです。無理なんです。よって、多くのオーディオマニアの目的である 38cmウーハー+2インチドライバー+大型ホーン+ホーントゥーイーター の組み合わせは例えどのようなユニットをどのように使っても優秀な音にはならないのです。とは申せたらこ唇の声がお好きなお方には好感が持てるかも知れませんがね !

 とは申せ3チャンネルマルチシステムにして、使用するユニットにそれらしい物を選択すれば聞き易い優秀な音の3チャンネルシステムは可能です。要は“何を使っているか? ” では無く “何をどのように使っているか? ” なんです。

 もっとも、中音が柔らかく聞き易い音で、そこに高域を少し足した全体的にソアトな音のシステムであれば何も3チャンネルにしなくても2チャンネルで可能です。では、その方法は?

 ウーハーにD130を使うのです。D130は古い古いスピーカーですがほとんどのユニットは一般家庭用として使われておりましたので恐らく磁気劣化は無いと思います。しかし、多くのオーディオマニアはD130は低音が出ずらいユニットですので敬遠すると思います。実際にはそれを回避する方法もありますが今回は割愛します。

 D130は38cmフルレンジスピーカーです。私も古いオーディオマニアですが38cmで一枚コーン紙のユニットでフルレンジスピーカーはD130しか知りません。私も以前は相手にしていませんでしたが現在は使い方次第で使い物になるユニットだと考えを改めましたね !

 鳴らし方は D130+075 です。中抜けの音ではありますがBGMとして使うにはとっても良い音で鳴ってくれます。しかし、しかしなのであります。JBLは当時からその使い方を実践していたのです。とは申せ使ったユニットはそれとは少々異なります。使っていたユニットはD130の延長線上にあった130Aでした。更に高音部には175でした。要はJBLハークネスです。

 私は今更ハークネスの真似をしないでちょっぴり亜流ではありますが D130+075 をお勧めします。その場合はネットワーク式で D130 は出し放しです。075 には恐らく4.7~6.8μFのコンデンサーで繋げば全ておしまいです。大音響を望まなければ聞き易い音で音楽を楽しむ事が可能です。それ程のハイファイを望まないのであればこのシステムは優秀なシステムとして長く使えるシステムであると私は思います。

 しかし、この話しはオーディオマニア向けの話しではありません。あくまでも音楽マニア向けの話しなのです。だってね、それだけでオーディオマニアが満足すると思います? 満足なんか出来ませんよね。

 そこで今回のテーマである “納得行く音で納得の行く音楽を楽しく聞く為の3チャンネルスピーカーシステムの作り方について” なんです。とは申せ多くのオーディオマニアが考えるスタジオモニターのような方法は用いません。用いても無駄である事は明白ですのでね。要は “ウーハーは欲張らず、スコカーは無難な帯域で、トゥーイーターはそれらしく” なんです。

 簡単なようで中々難しいのです。何せ多くのオーディオマニアは欲張ってしまうからです。やはり未だに3チャンネルシステムと言いますと 38cmウーハー+2インチドライバー+ホーントゥーイーター を希望するからです。しかし、その組み合わせは以前までの記事を納得してご理解になって頂ければ無理である事は明白ですよね。何せウーハーの限界周波数帯域は皆様が考えるほど広くはありません。

 ってな事でウーハーに関しては改めて説明は致しません。問題はスコーカーとトゥーイーターとその使い方です。

 次回に続きます。
 私は何とも古い雑誌を保存しているのです。とは申せ以前毎回取り寄せていたステレオサウンドや役目を終えた雑誌は一部を除き全て処分致しました。現在残している文献は電子関係と極々一部のオーディオ誌だけです。更に、現在はオーディオ誌は全く読みません。見ませんです。何せ無意味ですのでね。

 写真のお方は恐らく現在は天に召されていると思います。しかし、それにしてもまだまだ世の中が貧しかった時代にハーツフィールドなどよく買えたものだと思います。ちなみにハーツフィールドの横のスピーカーシステムはワーフデールだそうです。

 昭和37年と言うとオリンピック景気に湧いていた頃です。私は小学校5年生でした。ひょっとしてこのお方はオリンピック景気に乗ったお方だったのかも知れませんね。何せその時に日本橋の上に首都高速を作ってしまいまいました。とは申せその時に銀座を流れていたドブ河は綺麗に埋め立てられ首都高速にしましたので良い事もありましたね。その犯人は現在の河野外務大臣のオヤジさんです。当時建設大臣でしたのでね。

 さてさて、現在でも大型3チャンネルスピーカーシステムに憧れるお方は多いと思います。その究極の姿が大型スタジオモニターでしょうね。少々前まではいっぱいありました。実際には全く使われていなかったスタジオモニターがね。

 私が関心するのはあの大きくて重いスタジオモニターをモニタールームの調整卓の上に設置したものだと思います。恐らくモニタールームの内装が終わった時点で人力で設置したのだと思います。何せその時は重機は入れませんのでね。それも斜めにです。私のようなひ弱な人間には到底不可能な作業です。

 現在は多くの録音スタジオが無くなっておりますのでそれらの多くが一般家屋に収まっているのだと思います。問題はそこなんです。果たして満足して使っているのか? なんです。

 何せ各録音スタジオでは大型スタジオモニターは使っていませんでした。理由は “音が悪いから” なんです。
 この写真は昭和37年のオーディオ誌からです。この際だからその雑誌も載せましょうね。

 表紙を飾るのは今はお二人ともお亡くなりになりました若き日のザ・ピーナツです。ご冥福をお祈り申し上げます。

 この雑誌を持っているのは恐らく私と国会図書館だけだと思います。もし、実際に内容を確認したいお方は (株)誠文堂新光社 ステレオ・ハイファイ製作読本 昭和37年5月10日発行 で国会図書館のコンピューターに入力すれば直ぐに出てくると思います。

 国会図書館の場合も一般の図書館も同じですが雑誌の場合は全ページコピー可能です。但し、コピー台は一枚10円ですので少々代金は掛かります。国会図書館は一般図書と雑誌は受け取り窓口が異なりますのでお気を付け下さいね。
 当時の多くのオーディオマニアの憧れだった JBLハーツフィールドです。昔は買えなかったが今なら ! なんでしょうね。
2017/10/16
  今は知りませんが昔のオーディオマニアの理想は

       38cmウーハー+2インチドイバー+大型ホーン+ホーントゥーイーター

 でした。勿論そのように言う私もそうでした。JBL(当時はジムランと呼んでいました)のハーツフィールドは憧れの的でした。
2017/10/15
 ここまでの話で軽快で弾むよな清々しい低音を出す方法は皆様ご理解頂けたと思います。

 私は軽快で弾むような清々しい低音が好きなんです。しかし、そんな低音を出してくれるスピーカーシステムは市販にはありません。では、何故?

 原因はそのような低音を出すには豪華絢爛なエンクロージャーは無用ですし、そのようなエンクロージャーを使ってはいけないのです。何せ板一枚にウーハーを取り付ける必要があります。すると、するとですよ、 “高く売れない !” と、云う事になります。誰だってコンパネ一枚にウーハーを取り付けたスピーカーシステムに何十万円も出しませんからね。

 更に、これが最大の理由です。 “常識外れだから” しかし、これは絶対に常識外れなどではありません。単に多くのオーディオマニアが間違った常識をオーディオ界の常識だと信じている固定観念でしかあり得ません。

 もう一つの理由です。 “プライドが許さないから” ですよね。何せ多くのオーディオマニアは実際にはオーディオマニアではす無く、現実にはオーディオ機器マニアなのですから。何せ多くのオーディオマニア宅へお伺いすると即刻オーディオ機器の自慢が始まります。だから私はオーディオマニアのお宅にはあまり行きたくないのです。自分の自慢話は聞き辛いですからね !

 そんな中私が許せる低音を出してくれるスピーカーシステムはわずかですが2台ありました。それはあの巨大なパトリシアンです。あの姿形からは想像も出来ない比較的軽い低音なんです。これは余談ですが中音も軽く軽く鳴ってくれます。

 もう一台はオイロダインです。オイロダインのオリジナルエンクロージャーはペラペラな板の後面開放型です。叩くと何ともみじめったらしい音なんです。しかし、許せる低音です。とは申せウーハーに少々高い帯域まで持たせている関係で中低域が少々生ぬるい音である事は歪めません。但し、これは昔のオイロダインの事で、現在のオイロダインの音は知りません。

 ここで私が求める低音を出す唯一絶対の方法を申し上げます。それは

 エンクロージャーは板一枚。或いは後面開放型。ウーハーはペラペラなコーン紙でサイズは30~38cm。再生帯域は70~200Hzまでが限界

 以上を守っていれば必ず軽快で弾むような清々しい低音が再生されます。すると当然マルチチャンネルシステムしか出来ない事になります。何せこれをネットワークシステムで作ろうとしますと大変な事になります。そこで次回から納得行く音で納得の行く音楽を楽しく聞く為の3チャンネルスピーカーシステムの作り方についてにしましょうね。

 ね、オーディオって必ずしも金食い虫なんかじゃありませんよ。ここで一つ私のからの警告です。

 オーディオマニアはお金を掛けた事に満足感を得る

 ね、あたってるでしょ !
 上の写真左は先日入手したジェンセント思える38cmウーハーです。当然の如くひび割れしておりました。そこを直した部分が  です。勿論直した跡は残ります。しかし、見た目も音も全く変わりません。

 上の写真右は私の知人が入手したこれまたジェンセンと思える励磁型38cmウーハーです。これまたひび  が入っておりました。これも直しました。

 右の励磁型38cmユニットはヨークが大きいので不自然な姿には見えないと思います。しかし、私が入手したパーマネント型38cmユニットは多くの人が “なにっ これ !” だと思います。ヨークの大きさはダイアトーンP610A程度です。こんなウーハーは恐らく誰も欲しいなんて思いませんよね。しかし、これが軽快で弾むような低音を再生するのです。私はまだ実際には使っておりませんが、右のウーハーを手に入れた彼は実に軽快で楽しい音だったとの報告でした。

 これらのユニットはコーン紙とエッジ一体型の構造です。すると最近のように発泡ウレタンのエッジと異なり劣化がありません。唯一の劣化はひび割れです。それはヤマト糊で直せます。ヤマト糊は文房具屋さんではまだまだ豊富に売っております。需要は小学校の工作なんです。

 アルテックの416のコーン紙はカーブトコーンでボイスコイルに近い部分は相当に鋭いカーブとなっております。目的はある程度の高域まで再生可能のようにです。すると中高域に高性能な2インチドライバーに大型ホーンで2ウェイシステムが可能です。その代表作が A5 です。

 A5は相当に大きなホールでも隅々まで満遍なく音を響かせる事が可能です。するとそれを自宅の8畳間程度の部屋に持ち込むオーディオマニアが相当にいるのです。するとボアボアな音になってしまいます。そのようなお宅に呼ばれるとこれまた大変に困る事になります。本人は大満足しているものだから鼻高々なんです。私は何といったら良いのやら、大変なんです。

 要するにホールで使うようなシステムはマイホームに持ち込んではいけないのです。

 さてさて、ここで皆様耳寄りなお話です。それは JBL 2235 です。あの細かなコルゲーションか入ったあのウーハーです。見るからにかなりの高い音まで再生するであるように見えます。皆様もしコーン紙の裏側が見えるようでしたら見て下さい。裏側にはコルゲーションがありません。明らかに二枚合わせのコーン紙なんです。では、何故二枚合わせになっているのか? 理由は簡単、重くする為です。

 あのコーン紙は丈夫ですよ。ひび割れなんて入りません。その代わりドロドロの低音です。皆様よろしければお買い上げ下さい。中古市場には沢山あります。

 その昔RCAには円錐形の妙な物が付いたウーハーがありました。あれはかの有名な池田圭氏がRCAの顧問に就任した直後に発表されたウーハーです。説明ではあの円錐形の妙な物が更により良い低音をだすとの事でした。それはそうです。あの妙な物は単なる錘だったのです。

 ウーハーに纏わる逸話はいっぱいあります。本日はその中の一つです。それはチャイコフスキーの1812と長岡哲夫氏のお話です。

 オーディオマニアであれば多くのお方は挑戦したと思える1812のトレースとキャノン砲の再生音です。

 多くのオーディオマニアはテラークの1812のトレースに挑戦しました。しかし、失敗した人が多かったんです。その原因はともかく軽い針圧で優秀な特性のカートリッジに走ったのです。基本的にその方向性に間違いがありました。1812のキャノン砲の再生には針圧の重いカートリッジを使うのです。3g程度が適当だと思います。すると名だたるカートリッジを素直にそのまま使えば問題なく再生します。

 さてさて、面白いのはその再生音なんです。多くのスピーカーはス゛ドーンと再生しました。しかし、あの音は実は空砲の音なんです。では、本当の音は?

 オーディオ界に長く存在した長岡哲夫は自衛隊の演習の音を録音する許可を得て実弾を撃つ音を録音しました。そのCDをお持ちのお方も多いと思います。私はそんな物は手に入れませんでしたが某オーディオマニアの超ド級システムで聞いた事はあります。

 さて、音だし。大砲の音は聞こえませんでした。何故ならほとんど直流域なんです。強引に表現するならば “スポッ” なんです。迫力など全くありません。恐らく現場にいると風圧を強く感じるのでしょうね。和太鼓と一緒です。

 和太鼓の音はスピーカーで再生すべき音では無いと考えております。あれは実際に目の前で聞いてあの空気感と風圧のような響きを体験して和太鼓のダイナミックな雄たけびを味わうべきものだと思っております。

 私が以前ハーフマラソンに出た時にコース途中で地元の中学生高校生が元気を沸き立たせるためなんでしょうね、数十人の和太鼓演奏でした。それを聞くと一気に元気が沸き立つのです。

 さて、数十メーター行きますと和太鼓の音もかすれてきます。するとまたまた枯れススキのようになってしまいした。

 いじょう、本日はウーハー四方山話でした。

 次回に続きます。
 私のように古い古いスピーカーを探しておりますと出会うのがコーン紙にひびが入ったユニットです。写真のユニットも案の定ひびが入っておりました。それは糊付けしれば直ります。

 しかし、最近は高性能な化成(接着剤)糊が多いものだから多くの人はそれらの接着剤を使います。それが間違いの基なのです。
 写真は私のメインシステムのウーハーとミッドバスを収納しているエンクロージャーのリアスペースを利用して保存しているウーハー2種です。

 衝立に取り付けて保存しているのは皆様ご存知アルテック416-8Bです。このウーハーは数年前に偶然入手した物です。しかし、私の場合はホーレーのコーン紙でもまだ重いのでつい最近アメリカから取り寄せてもらったもう一組のウーハーもあります。それはエアーパッチで繰るんでいるジェンセンと思える38cmウーハーです。

 ウーハーの場合は縦に長い間取り付けられていますとコーン紙はその重さで下にずれてしまいます。それを直すには上下逆に取り付けますと直ります。

 それを知らずにオーディオショップに修理に出しますと上下逆に取り付け直します。その後一週間程度暖めておいて “ハイ、三万円” となるのです。

 更にワンポイントアドバイスです。ダンパーが前後どちらかに変形してしまった場合は中性洗剤を薄く溶いて写真のように筆で塗りますと一瞬で元に戻ります。
2017/10/14
 本日はちょっと一服。

 最近はとにかくコーン紙を重くしてその分オーバーシュートを大きくして低音が出ているように聞かせるウーハーが多いようです。しかし、その昔もその傾向に反発したメーカーはありました。それはアルテックです。アルテックは皆様ご存知のようにコーン紙はホーレー製でした。私のメインシテムのガウスのウーハーもコーン紙はホーレーでした。一説にガウスがPA業界に進出する事を恐れたエレクトロボイスはその財力を駆使してガウスを潰しに掛かり、その結果としてガウスは短命の運命を背負ってしまったと云う事のようです。しかし、その真相は未だ判りません。
※ このような内容の苦情が過去何回もありました。だから私は電話での問い合わせを希望しているです。何せメールで全てを説明するのは大変な作業になってしまいますからね。
 その程度のスピーカーシステムでは元々低音を望む事自体が無理な話です。そのような場合はトーンコンローラーを使って低音側へ徐々に上昇させてやるのです。すると量感が増して朗々と鳴ってくれます。小口径ユニットの場合はトーンコントローラーは実に便利なアイテムなんです。

 次回に続きます。
 しかし、私が改造した  赤い部部がエッジでコーン紙は少々重くなっております。するとある程度低音は出ます。これは一般的な方眼紙の台紙です。赤はマジックインキです。しかし、MB-Ⅱを使用して少々音圧を上げますと当然の事ながら悲鳴を上げます。仕方がありませんよね。

 ここで笑えそうで笑えないお話をしましょう。以前MB-Ⅱをお買い上げ頂いたお方からの苦情めいた電話でした。効果が無いと言うのです。原因は恐らく位相の問題だろうと言うのです。なんとそのお方は測定したグラフまで添付しての苦情でした。

 私は設計者ですのでそれなりの返事もしました。しかし、何を説明しても納得してくれないのです。そこで最終手段です。そのお方のスピーカーシステムの内容を尋ねてみました。その結果その後何も言って来ません。恐らく10cm程度のフルレンジシステムで聞いているのだと思います。

2017/10/11
 オーディオは低音に始まり低音の終わると言われます。事ほど左様に低音の再生は難しいものだと思います。私も過去全てのエンクロージャーを試しました。とは申しましても密閉式・バスレフ式・バックロード式ですがね。しかし、結果としてどの方法も駄目でした。

 密閉式はその昔は38cmは380リッター、16cmは160リッターと言われておりました。私はそこまでは行いませんでしたが16cm一発で120リーターの箱は試しました。しかし、駄目なのです。試したユニットは16cmですので所詮は無理だったのでしょうね。

 バスレフ式はどれもこれも駄目でした。バスレフ式の場合はホルム・ヘルツの法則があります。しかし、その計算式はとてつもなく難しいのです。更にホルム・ヘルツの法則はエンクロージャーは完全剛体である事が大前提なのです。世の中に完全剛体なんて箱はありません。しかし、その前にバスレフ共振したその周波数帯の音質が何とも我慢出来る音ではありませんでした。要するにボーンボーンと力無く響く音なのです。あれでは失格です。

 バックロード式は大はオートグラフから小はフォステックスでした。オートグラフの低音は低い音は出ていませんでした。フォステックスは爆発するような低音でした。とは申せ決して低音ではありませんで、低音らしく聞こえる低音でした。

 そんな事を色々と試している内に “いっその事電気的にコントロールしてやろう” でした。最初に試作したのは勿論NF型トーンコンローラーでした。NF型のトーンコントローラーは昔のCR型とは桁違いに素晴らしい音質で鳴ってくれました。そんな理由で私は未だにNF型トーンコンローラーは絶えず使っております。

 しかし、大型システムの場合は不要のようです。トーンコントローラーは多くのオーディオマニアは食わず嫌いではありませんが使わず嫌いのようです。実際にはここに最大の問題が存在します。それは近年の極端に音作りしたスピーカーシステムです。低音はボンボンといまいましい音、中高域はキンキンと高音らしく聞き辛い音、高音はほとんどありません。あれではコントロールの方法がありません。しかし、多くのお方はあの音で聞いているのでしょうね。淋しいですね。

 さてさて、ここで実際のスピーカーシステムが発する低音についてです。10年程前でしょうか? ステレオサウンドが何と各スピーカーシステムの周波数特性を測定した記事がありました。その結果はほとんどのスピーカーシステムが50~60Hzの周波数帯域にピークを持たせていたのです。あのいまいましい低音の犯人はそれだったのです。

 その頃は私はタンノイのHPD385Aを後面開放のエンクロージャーで使っておりました。タンノイとは言え後面開放型ですと結構聞ける低音でした。とは申せやはり低音はダラダラと落ちてしまいます。そこで低音が落ちてしまう狭いその周波数帯にのみ作用するブースターを作るために悪戦苦闘したのです。それか当方のLLであったりMB-Ⅱだったりします。

 当初はタンノイに使い満足しておりました。しかし、タンノイはダンパーもエッジも少々緩いようで何度もボインコイルが底を打ちました。ボイスコイルが底を打つと凄い音がします。あの音は表現の使用がありません。更にタンノイは結構低い音まで再生していたようでレコード再生時にハウリングを起こしてしまうのです。そこで私の場合は過去には無かったサブソニックフィルターを作り使っておりました。

 サブソニックフィルターは普通はコンデンサーと抵抗し時定数で作ったCR型です。しかし、CR型の場合は何段重ねでも-8dB/octが限界なんです。そこで私が作ったサブソニックフィルターはチェビシェフ型のNF型です。音声信号には全く影響を与えず超低域(10・20・30Hz)の切り替え式です。しかし、実際には10Hzでほとんどの場合に解決しました。

 最近はレコードが見直されているようですがハウリングを起こさない原因はスピーカーシステムがその周波数帯まで再生していないからだと思っております。例えハウリングは起こしていなくても例えばタンノイのようなスピーカーの場合はネットを外してみるとコーン紙は前後に激しく振られていると思います。タンノイの昔のスピーカーをお使いのお方は一度試してみる事をお勧めします。するとそのコーン紙の振動で音楽の音まで振られている事がお解かりになると思います。

 さてさて、それではトーンコントローラーについてもう少し。多くのオーディオマニアは “何も足さない、何も引かない” をかたくなに信じております。しかし、その前に録音する現場では実際にはやりまくりなんです。何せ多くの場合は72chの調整卓でいくらでも何でも出来てしまいます。それを我々は “これぞピュアオーディオ” なんて信じて聞いている訳です。

 トーンコンローラーの場合は更に問題があります。それは超高級システムのみに通用する常識を全てに当てはめてしまうのです。それは例え10数センチ一発のシステムにもです。それは絶対に間違いなのです。

 例えば16cm一発のシステムの場合はコーン紙の質量が小さい分反応の良い爽やかな音で鳴ってくれます。しかし、反応が良いぶんオーバーシュートが少ないのです。するとその結果は聞こえ方として淋しい音にしか聞こえません。
 遮断周波数を決定するのは左側の4個のツマミです。帯域はスナップスイッチの H・L の切り替えで一桁違いの値になります。遮断周波数はボリューム式ですのでフレキシブルです。これは聞きながら最も自然に聞こえる周波数をツマミを回しながら調整出来る事です。自家用システムはウーハーのハイカット周波数は約100Hzにしてます。ミッドとそれ以上の遮断周波数に関しては今回の話題から外れますのでかつあいします。

 と云う処でで次回に続きます。
 このシステムは非常に聞き易い3chシステムなんです。ウーハーは私が非常に軽いクラフト紙で張り替えた30cmユニットです。元々はダイアトーンの普及型システム(安物)のウーハーだったようです。コーン紙の張替えは磁気回路とフレームとボイスコイルが残っている事が条件です。但し、コーン紙の製図は大変に厄介で、更に緻密な計算が必要になります。要するにラジアンで計算するのです。しかし、ストレートコーンになりますので専用帯域ユニットになりますので覚悟は必要です。

 ミッドのユニットは皆様お馴染みLE8Tです。このユニットはフェライトマグネットですが、もう一つアルニコユニットも持っております。しかし、それはコーン紙がありません。コーンのみ販売されておりますのでいずれ張り替える予定にしております。コーン紙とセンターキャップのセットで何と約3万円もします。ぼったくりですよね。

 トゥイーターはこれまたお馴染みの2405です。

 このシステムの各クロス周波数ははっきりとはしていません。それが失敗しない一つの要素でもあります。それを可能にするのが下に示した当方の3chNです。
 私が最も気に入っている低音を出してくれているのが  のマクナボックスの30cmフルレンジユニットです。ともかく軽快な低音です。軽快な低音ですので当然量感は余りありません。それが軽快な低音の秘訣なのだと思います。

 右の写真はその裏側です。完璧平面バッフルです。上側に付いているのはダイアトーンP610A改です。これについてはいずれウーハーの音質の色々と云う内容でご説明します。

 このように平面バッフルの場合は背圧が掛かりませんので一枚の板に複数のユニットを付ける事が可能です。とは申せ余り多くのユニットを取り付けますと重くなりますので天井が少々心配です。皆様もお気を付け下さい!

 ついでにもう一つのシステムを紹介します。
 この af5 の各周波数は5chの場合の私の経験値です。5chの場合はほぼ同じ帯域での再生になりますのでこのような事が可能です。

 この af5 は一台手元に置いてありますのでいずれ自家用として使う予定にしております。と申しますのは5chシステムをもう一台作る予定にしているのです。その時はもう少し大人しい音のシステムにする予定です。その為に知人に頼んでわざわざアメリカから昔々のウーハーを取り寄せたのです。私も余り利口ではありませんのでね。そのユニットはいずれ紹介する予定です。
写真が少々大きいのはこのサイズにしませんと各周波数が読めません  電源は別置型
 私もマイクアンプの話があった時に妙な予感を感じてはいました。結果、その予感が的中してしまったのです。そのマイクアンプは確か12chの物でしたが残念ながらしゃくにさわるので写真は処分したようで見付かりませんでした!

 さてさて、話を元に戻しましょう。ウーハーは上述のようにハイカット周波数は70Hzです。すると普通はミッドローのローカット周波数は70Hzです。しかし、ウーハーを70Hzで遮断しますとミッドローのローカット周波数は70Hzにしますとダブ付いた低音になってしまいます。そこで私の場合は色々と遮断周波数を試してみました。その結果私の装置の場合は140Hzが最も聞き易く軽快な低音が聞けたのです。要するにカットアンドトライで決定した周波数であったと云う事になります。これは私の場合のチャンネルディバイダーはCC型ですので少々大変でした。そこで考えたのが写真の af5 です。
 写真は Rch の裏側です。ご覧のようにガラス窓を開けますとほぼ完全な後面開放型です。流石に冬場はガラス窓は閉めて聞いております。とは申せこのメインシステムはめったにスイッチは入りません。何せ少々歳の私には少々きつい音ですのでね。

 後面開放型の場合は写真のような使い道もあります。要するに物置です。布がかぶっている物は実は38cmのウーハーです。ついたてに二つ面合わせで保存しています。このウーハーに関してはいずれ紹介します。

 写真の左ユニットはガウスの46cmウーハーの1842です。右のユニットは私が極軽いクラフト紙でコーン紙を張り替えたミッドバスユニットです。ウーハーは先日申し上げましたようにハイカット周波数と遮断特性は70Hz-12dB/octです。

 1842は何も私が好んで購入した訳ではありません。以前録音業務をしていた頃にレコーディングエンジニアの方にマイクアンプを作ったその代金として頂いた物です。私はお金の方が良かったのですが、そのお方も少々金欠病ぎみだったようでストック品のウーハーと引き換えにしたと云うだけの話です。
2017/10/8
 私のウーハーとミッドローの写真を載せます。
 そのユニットが右の写真です。写真はフィールドコイルの電圧の確認中です。40ボルトでした。メーカーは GRAETZ とありました。

 今回のこのページのお題はウーハーについてですのでこのユニットの事はこの程度にしておきます。

 さてさて、ウーハーです。多くのお方がウーハーに余りにも広い帯域を持たせ過ぎていると思います。出るからと言って余り広い帯域を持たせますと人の声に掛かってしまいます。すると先日申し上げましたようにたらこ唇の声になってしまいます。

 ところがその声は大変に量感を伴った音になります。しかし、何故かそのようなダブダブの声に魅力を感じる人がおります。これは各々のお方の好みですので私はとやかくは言いません。しかし、私はそのような必要以上に量感のある音は好みません。やはり HI-FI ですので少しでも本物の音に近い音にするべきだと個人的には思っております。

 次回に続きます
 そのユニットが左の写真です。メーカーは判りません。恐らく私のウーハーと同じでジェンセン製だと思います。フィールドコイルは100ボルトでした。

 裸の状態でfoは32Hzでした。このfoはピークの周波数です。多くのメーカーのfo発表値はfoが始まる周波数を指名しているようで余り意味の無い数値のように思います。

 そのお方も私と同じ好みで軽快な低音を再生する為にわざわざアメリカから取り寄せました。このウーハーはカーブドコーンですのである程度までの周波数まで再生可能だと思います。そこが問題なのです。要するに出るからと言ってそこまでの帯域まで使ってはいけません。中音まで鳴らしてしまうと鈍った音になってしまいます。やはりウーハーはせいぜい100Hz程度までで使うべきだと思います。

 そのお方は何故かフィールド型スピーカーに思い入れがあるようで、先日は25cm相当のフィールド型ミッドバスユニットを手に入れたようです。
 恐らくジュークボックスから外したユニットだと思います。アメリカには未だにそのような古い古いユニットがまだまだオークションに出品されているようです。

 いずれ皆様に紹介しようかと思っています。そのお方はそのお方でやはり38cmのフィールド型ウーハーをイーベイで落としました。
 このガウスの1842のコーン紙はホーレー製ですので46cmとしては軽いコーン紙です。一般のウーハーの38cmの質量程度だそうです。しかし、それでもやはり重い音である事は歪めません。

 私は実は右に示したマグナボックスの30cmフルレンジユニットの低音が好きです。このユニットは私がこの世にオギャンと産まれた頃のユニットです。フィールド型ユニットです。実に軽快な低音を再生してくれます。

 更に先日38cmの昔々のウーハーを手に入れました。そのウーハーは私の親しいお方にアメリカのイーベイで手に入れてもらいました。皆様が見たら笑ってしまうようなユニットです。メーカーは判りません。恐らくジェンセンだと思います。
2017/10/5
 近年のAV用スピーカーシステムは確かに低音らしい音は出ているようです。しかし、あの低音は私は嫌いです。何せ楽器が放つ音には聞こえません。やはりコントラバス・ベース・ダブルベースの放つ音はブルルンと鳴ってくれませんと楽器の音には聞こえません。

 そこで多くのオーディオマニアはともかくマグネットの大きな磁気回路が強力なウーハーを選びます。しかし、これが曲者なのです。磁気回路が強力過ぎますとダンピングが良いのでオーバーシュートが少なくなります。その結果測定上は確かに低音は出ています。しかし、オーバーシュートが少ない分量感に欠ける低音になってしまいます。すると多くのオーディオマニアは “パワーが足りない!” と判断します。その結果数百ワットのモーターを回すようなパワーアンプに入れ替えます。しかし、パワーアンプは大出力になればなるほどダンピングファクターが大きくなりスピーカーの制動力が増します。すると更に量感の足りない低音になってしまいます。その結果 “オーディオはやめ!” なんて事になります。悪循環なんです。

 私の場合は仕事ですのではったりで46cmのガウスのウーハーを使っております。あくまではったりです。
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 さてさて、低音再生の第一条件を申し上げます。それは誰が何と言おうとウーハの面積です。例えば駅前でただで配っている小型の団扇を考えてみて下さい。いくらあおってもちっとも涼しさっを感じません。しかし、直径数十センチメーターの大型の団扇の場合はゆっくりとあおっても涼しさを感じます。要するに大きさの問題です。

 例えば16cmのスピーカーは何個並べても所詮は16cmなのです。確かに何個も並べると量感は出ます。しかし、所詮は16cmですので地を這うような低音は出ません。昔は16cmユニットを4個使うと38cmユニットと同じ面積になるなんて事を言っておりました。しかし、最低共振周波数は変わりません。16cmは所詮は16cmなのです。

 近年のAV用のスピーカーシステムはその必要性から小型ウーハーを縦に並べたシステムが多くあります。確かに低音が出ているように聞こえます。しかし、実際には70Hz近辺に大きなピークを持たせて低音らしさを演出しているだけで実際の低音などは出ていません。聞かせ方の妙技です。

 続きは次回
 左の写真は以前販売していたレベル計です。音源はワーブルトーンのCDでした。これで測定しますと私のウーハーは20Hzまで再生しております。しかし、残念ながら私の耳では聞こえません。30Hzにするとハッキリと聞こえます。そのように考えますと30Hzまで確実に再生しておりますと低音に関しては問題が無いように思えます。しかし、しかしなのであります。その程度の再生ですと音楽として楽しくないのです。

 低音の場合は普通にフラットに再生しているだけではオーディオ的に満足行かない結果となってしまいます。やはり私が絶えず使っている超低域ブースターがありませんとオーディオ的には不満足となってしまいます。
2017/10/4
 これから何回かに渡ってウーハーについてにしましょう。

 オーディオは昔から “低音に始まり、低音に終わる” と言われておりました。低音再生は事ほど左様に満足の行く再生は難しいと思います。そこへ来て更に聞く側の好みが関与しますので尚更です。

 私の場合は昔は “出ていれば善し” で低音が出ている事にのみに満足感を感じておりました。しかし、実際に楽器の音を聞くと “この音は違うだろう” と思い始めると尚更に低音の再生の難しさを感じるに至りました。やはり満足の行く低音の再生は難しいのだと思います。

 写真は私の現用のガウスの1842です。46cmのウーハーです。勿論マルチチャンネルシステムで鳴らしております。ハイカット周波数は70Hzです。ガウスのユニットのコーン紙はホーレーですのでかなり高い音まで再生します。しかし、私はあえて70Hzでハイカットしています。それはオーバーシュートが再生音の大変な影響っを与えてしまうからです。

 理由はウーハで人の声の周波数まで再生してしまうといわゆる “たらこ唇” の音になってしまいます。要するにオーディオマニアが好む “豪華な音” になってしまいます。私は豪華な音は好みませんのでウーハーはなるべく低い音のみ再生させる事に専念致しております。では、ウーハーは何ヘルツまで再生可能なのか?

余談ですが  No,5