破線は以前某オーディオ誌で発表された特性です。
下二桁まで表示されています。RIAA特性は計算では算出出来ませんので当然実測です。しかし、単に測定器のメーターの読みでは四桁まで読めません。この数値は恐らく測定器用のアッテネーターを使用しての実測値であろうと推測します。
本機の実測値は少々誤差は出ておりますが許される範囲であると判断出来ます。ここで超低域の比較的大きな誤差について説明します。
標準値に対して本機の超低域はきちんと増幅しております。それは測定に使用したフォノイコ回路のディバイスにあるものと推測します。それはリニアーICの場合は増幅率は抜群です。それに対して真空管の場合は比較的低い値です。すると本来超低域では50Hzに対し18dB以上必要なのに対して17dBしか増幅しておりません。原因は実測した回路のディバイスは真空管であろうと推測出来ます。
フォノイコライザーの場合は1kHzに対して30Hzになりますと+20dBの80dBが必要です。80dBとは10.000倍です。
10.000倍となりますと二段増幅の場合は一段で100倍の増幅率が必要です。一般的に使う12AX7(ECC83)の場合は理想値で100倍です。しかし、その理想値を持っている物はほとんど無いと言って間違いありません。するとフォノイコライザーでは超低域で増幅率の不足が発生してしまうのです。すると真空管式でMCカートリッジ対応の物は出来ないと云う事になってしまいます。
本機は増幅率を充分のリニアーICによりMC型にも対応させたCR型古典回路によるフォノイコライザーです。