電源ケーブルは付属させません。ご用意願います。¥53.000.-
RIAAについて

 どのような回路でも標準的な定数があります。例えばフォノイコライザーであれば昔のダイナコがその最も典型的な例だと思います。ダイナコの場合はあくまでも一般家庭の最高級の物を狙った機器だったと思います。イギリスのクォードとその点では似ていると思います。

 スタンダードとはその是非を問わず標準的な音質であるとお考え下さい。要するに可も無く不可も無くと云う意味で時として聞いてみる価値はあると私は思います。
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210W×40H×150D(筐体サイズ)
その他

 本機はモノラル出力を設けております。勿論ミキシング回路で出力させておりますのでステレオレコードをそのままモノラルで鳴らす事が可能です。

 電源インレットにはヒューズ(ミゼット型)内臓の3Pコネクターを採用しました。よって、お好みの電源ケーブルでお使い頂けます。

 各ポジション切り替えには6回路6接点の特殊ロータリースイッチを使用しております。この事により増幅率は各ポジション完璧とは言えませんが許容範囲に入っております。

 電源用のコンデンサーにはニチコンのオーディオ用電解コンデンサーであるファインゴールドを投入しました。

 オーディオ用とは周波数特性と内部抵抗が非常に優秀な特性を示すようです。

 入力は2回路あります。勿論どちらに入力してもかまいません。一般的には二本アームで使うか? 或いは LP・SPの使い分けでしょうか。

 近年一部のフォノイコライザーアンプにアース端子が無い物があるようです。しかし、レコードプレーヤーの場合はアームのアース、ターンテーブルのアースは必要ですので必ずアースをする事をお勧めします。但し、プレーヤーによっては内部で接続されている物もありますのでその場合は不要とお考え下さい。
 この定数は最も代表的数値を採用しました。要するに標準回路とお考え下さい。

 確かに色付けの無い言い方によってはつまらない音だと思います。しかし、スタンダードは必要な回路ではないかと思っております。
マランツ7について

 マランツ7は3段増幅のイコライザー回路として知れ渡っております。しかし、3段目はカソードフォロアー回路ですので増幅はしていません。目的は恐らくテープデッキに録音する為に出力インピーダンスを低くする為だったのでは(?)と思っております。

 しかし、その為には2段目のプレートからイコライザー用のNFBを戻して3段目は出力回路用にカソードフォロアー出力であって良いと思います。しかし、何故かマランツの場合は3段目のカソードからNFBを戻しております。理由は私にも解りません。

 当時の7は素晴らしい音だったと思っております。非常にしっかりとした骨格を感じさせてくれる音でした。その音質は何故か本機の場合も同じ延長線上にあるようです。力強さを感じる音だと思います。

 私の好きな回路の一つです。
 マランツ7の定数をそのまま写し取りました。これも素晴らしい音だと私は思っております。

 マランツ7の場合も少々変則的な回路です。しかし、最終結果としては一般的なRIAA特性に仕上がっております。
マッキントッシュ22について

 マッキントッシュの音作りは何故か一種独特の物があるようです。原因は恐らく配線方法にあるのでは?と思っております。

 マッキントッシュの場合はパネルデザインは素晴らしいと思います。しかし、それは電気的には問題が発生致します。何故なら配線が長くなってしまうのです。要するに外来ノイズがいたずらをするのです。そこで同社の場合はシールド線を多用する事で逃れております。しかし、シールド線はそれ自体がコンデンサーとなります。すると高域の劣化として現れます。

 本機の場合は内部インピーダンスは極端に低く更に小型にまとめておりますのでシールド線を使う必要はありません。それがためか(?)非常に爽やかな再生音で鳴ってくれます。私は好きな音質の回路です。
 ご存知マッキントッシュC22の定数をそのまま写し取りました。

 22の回路は少々変則的な回路となっております。しかし、最終的な特性は一般的なRIAA特性に酷似しております。原因は解りません。しかし、何故か爽やかな音で鳴ってくれます。
 デッカ・ロンドン特性です。

 同社の場合は以前からオンマイクのマルチ録音が主体です。確かに各楽器の音の粒立ちは抜群です。

 音質としてはボーカル物などで声に張りを感じさせてくれる音のようです。

 アメリカンコロンビア特性です。我が国のレコードは古い録音の物は恐らくこの特性であろうと推測します。しかし、比較的新しい録音の場合はRIAA特性であろうと推測します。

 音質としてはRIAAとほぼ同じに聞こえるようです。
 SPの再生特性です。SP時代は各社各様の特性で録音していたようです。しかし、再生側ではこの特性で再生するのが一般的だったようです。それ以上の詳しい事は今に至っては解りません。

 SPは本来の再生特性で聞くとしっかりとした音が録音されているようです。しかし、少々忙しいのが残念です。
 私が個人的に最も優秀だと思える厳選6種類搭載フォノイコライザーです。各特性は以下に示す通りです。

増幅率について

 増幅率及び負荷抵抗は各々可変です。但し、イコライザー素子の定数はオリジナルを重んじましたので各々増幅率は若干異なります。但し、最大値は60dB(1000倍)に調整してあります。

 この値は一般的にはMCカートリッジを普通に使う増幅率です。しかし、オーディオ装置は各々入出力特性が大きく異なります。よって、必ずしもその事にこだわる必要はありません。皆様の装置の特性に合わせてどのような増幅率でも使用する事をお勧めします。

 各回路は増幅率の外側に明示しております。内側の表示はその位置での増幅率です。etc は RIAA・COL・FFRR・SP の意味です。

負荷について

 一般的にMM型カートリッジの場合は 47kΩ です。この値は抵抗負荷の場合の値を示しております。それに対してMC型カートリッジの場合は 数Ω~数十Ω が一般的です。この値は抵抗負荷ではありません。この値は昇圧トランスの場合を示しております。昇圧トランスの場合は当然コイルのインダクタクスが実際の負荷抵抗となります。トランスですので交流の場合は周波数により抵抗値は七変化致します。では、何故MCカートリッジは昇圧トランスで動作させたのか?

 理由は真空管式時代に遡ります。真空管式の場合はMCカートリッジの微小な発電電圧は満足行く電圧まで増幅出来ませんでした。では、何故トランスに頼ったのか?

 原因はヘッドアンプのSN比にありました。ヘッドアンプはどのような物でもどうしてもノイズはあります。そのノイズをフォノイコライザーで増幅してしまうとノイズが大きく問題視されたのです。そこでノイズのほとんど発生しない昇圧トランスに頼ったのです。その流れが現在まで脈々と受け継がれているのです。では、何故本機はヘッドアンプ不要なのか?

 答えはリニアーICの強大な増幅率にあります。一般的にリニアーICの増幅率は百万倍程度までに達します。するとローノイズICを使用すればMCカートリッジの微小な発電電圧でも一気に必要電圧まで上昇させる事が可能なのです。本機はその優秀なリニアーICの性能を利用する事により曖昧さの無い優秀な音でレコードを再生する事が可能なのです。

 そのような意味でMC型カートリッジの場合は抵抗負荷で使用する事をお勧めしますし、これが本来正しい増幅方法だと確信しております。

各カートリッジの負荷抵抗の値について

 ほとんどのMC型カートリッジは抵抗負荷で約1kΩでほぼフラットな再生特性になるようです。これを大きな値で使用しますと超高域にピークが発生したような音質になる場合が多々あります。しかし、これはシステム全体の音質に大きく関わりを持ちます。更に、勿論個人の音質の好みにも大きく影響されます。よって、決まった値などありません。お好みの音質になる値でお使いになる事をお勧めします。

極一部のMC型カートリッジについて

 例えばかつての名機であるサテンのカートリッジの場合です。サテンのカートリッジはMC型カートリッジにも関わらず出力電圧はかなり高いカートリッジでした。そこで皆様が47kΩの一般的なMM型カートリッジと同じように使われておりました。しかし、その場合の音質として高域が強調された音質となり悪評に繋がりました。このような場合は増幅率を下げて、更に負荷抵抗も1kΩ程度で使うと非常に爽やかな音質となります。是非ともお試し下さい。 

   BS6H