200W×40H×150D(筐体サイズ)
 一般的にMCカートリッジの最適負荷抵抗として表している数値は直流抵抗値を表示しております。理由は交流の場合は周波数によってその数値は大変に変動しますので表しようが無いのです。

 この数値は恐らく数キロΩから数十キロΩに及ぶと考えております。

 本機の場合はカートリッジの負荷抵抗は単なる固定抵抗です。すると直流に対しても交流に対してもその示す値は一定です。インピーダンス特性は示しません。要するに電気的特性は非常にシンプルであると言えます。

 本機の場合はその値は 1kΩ~51kΩ の範囲で無段階です。この負荷抵抗は値により微妙に音質に影響を与えます。これは皆様がお使いのシステムの音質の傾向に合わせられる事を意味します。

 この値は極々一般的なカートリッジの構造であるオルトフォンタイプの場合は最低の1kΩでほとんどの場合に非常にフラットな音質になるようです。逆に高抵抗にしますと高域にピークを持った音質になります。どちらを選ぶかは皆様の好みとシステムの音質に依り大きく左右されます。

 これらの自由度を持たせたのが本機であるとお考え下さい。

オーディオ機器の考え方について
 一部のオーディオマニアの場合はオーディオ機器を調度品として扱っているようです。すると各メーカーはその方々向けに豪華絢爛重厚長大の物づくりとなり、価格も豪華絢爛重厚長大となります。しかし、現実としてはそのような方々は極一部に過ぎません。多くの方々はそのようなオーディオ機器を見てビックリ、価格を見てのけぞってしまいます。果たしてそれで良いのか?

 良い訳ありません。オーディオ機器とは本来は各個人の好む音楽を楽しむ為の単なる道具です。要するに必要にして充分な機能を持っていればそれで善しとすべきだと思います。

 当方の提供するオーディオ機器はそのような意味で軽薄短小な物ばかりです。理由はそれで充分だと思うからです。

 しかし、性能は抜群です。エフェクターを含めたコントローラー類は必要にして充分な機能と性能を持たせております。パワーアンプなども必要以上な内容は全て省いております。

 当方のオーディオ機器は非常に安価だと思います。その理由は上述に徹しているからです。やはり単なる道具である以上それで良いのだと私は思います。

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 左に示すのが昇圧トランスとお考え下さい。しかし、これは勿論一次側のみを表しております。実際には二次側の巻き線の出力をフォノイコライザーに送り出します。

 トランスは交流素子です。直流に対しては単に直流抵抗としてしか働きません。このトランスに交流を流しますと状況は一変します。それは左に示す 逆起電力 が発生するのです。この働きが実際の電子回路ではインピーダンスとして作用します。この値は直流抵抗とは桁違いの値となって現れます。
逆起電力
入力信号
負荷抵抗調整
増幅率調整
増幅率のついて 
 多くのフォノイコライザーの増幅率は約40dB(100倍)です。この値はかつては一般的なオーディオシステムに対して妥当な数値だったと思います。では現在では?

 現在はかつてと状況が全く異なります。理由は先ずはパワーアンプの大変なパワーです。真空管式では不可能だったハイパワーアンプが当たり前になりました。そこへ来てかつての高能率スピーカーシステムをお使いのユーザーも大勢様居ります。するとシステム全体のバランスが崩れている事になります。要するにアンプ部分で余りにも効率が良過ぎているのです。

 その結果プリアンプのボリュームは上げられない事になります。本来であれば

プリアンプ⇒ゲインコントローラー⇒パワーアンプ

 とすればほとんどの問題は解決します。しかし、ゲインコントローラーは当方以外には販売しておりません。そこで本機の場合はカートリッジの出力電圧に合わせた増幅率を調整する回路を設けました。

 その増幅率の可変範囲は 21dB(約11倍)~60dB(1000倍) としております。この事はほとんど全ての方式のカートリッジに対応している考えて間違いありません。

 調整方法としては決まった事などありません。皆様がお使いのシステムに合わせて使い易い位置でお使い頂けます。

負荷抵抗について
 一般的にMMカートリッジの場合は負荷抵抗として47kΩを推奨しております。これは何も決まっている訳ではありません。各メーカーが妥当だとして47kΩを推奨しているだけの話です。この場合に負荷抵抗が固定されておりますと各システムの音質に合わせる事が出来ません。

 MMカートリッジの場合も負荷抵抗を調整する事に依り微妙ではありますが音質調整が可能です。

 MCカートリッジの場合は多くのメーカーが数Ωから数十Ωを推奨しております。しかし、この値はあくまでも昇圧トランスの直流抵抗値を表しております。

 実はトランスとは実際は非常に複雑怪奇な働きをするものなのです。

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