本機の場合は本来ボリュームの種類による音質の変化はありません。しかし、NFH の場合は二連の誤差が非常に少ないアルプスのデテントボリュームを使用しております。更に音質に影響があるであろうと思われる電源のフィルターコンデンサーにはオーディオ用の高品位コンデンサーであるニチコンのファインゴールドを使用しております。
更に、抵抗も音声信号が通過する回路には高制度抵抗を使用しております。
本機の場合は入力回路は5回路、出力回路は3回路持たせております。出力回路は本機の場合は出力インピーダンスは極端に低いので約400オームまでドライブします。よって、出力には数十個のパワーアンプを接続しても全て充分ドライブします。
VUメーターはスタジオやPAの場合は0dBを入力した場合に0dBを示すのが本来のVUメーターです。しかし、一般家庭の場合はそれは意味がありません。何故なら0dBの入力は一般家庭ではあり得ないからです。そこで本機の場合は入力信号に対応する指針と出力信号に対応する切り替えスイッチを設けました。
←はその切り替えスイッチで IN に倒しますと入力信号、OUT に倒しますと出力信号で動作します。更に
←はその時のメーター感度の調整です。
尚、本機のVUメーターは本来の規定されたメーターではありません。しかし、参考にはなります。更に入力感度に関しては正確に動作します。但し、周波数特性に少々問題があります。正確なVUメーターに関してはご質問願います。
本機の電源コネクターはミゼットヒューズ内臓の3Pコネクター仕様ですが電源ケーブルは付属させませんのでご用意願います。
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一般的にオーディオ機器の部品で音質に最も悪影響を与えるのはボリュームだと言われております。私もそのように思います。
この場合に多くの人は
“だったらどのメーカーの何が良いのか?”
の論理になってしまいます。しかし、ボリュームとは音声信号を分圧する事により音量調整を行います。するとそこには必ず周波数特性を持ってしまいます。例えば測定器の場合はそれは命取りの内容です。そこで測定器の場合は10dBステップとしてアッテネーターにコンデンサーを並列に接続する事により解決しています。しかし、オーディオ機器の場合は10dBステップと云う訳には行きません。もっともっと緻密な調整が要求されます。それではボリュームで音声信号を分圧させなければ問題は発生しません。ではその方法は?
あるのです。一つは私が EP の型番で出品している電子式ボリューム回路です。この回路はナショナルセミコンダクター社のLM1036Nと云う専用ICで構成しております。このICは非常に優秀な音質です。私も自家用で使っております。何せ非常に新鮮な音なのです。
もう一つの方法はNFBを利用するのです。例えば真空管式でこれを実現しようとしますと不可能です。それは位相の廻り込みが災いして発振してしまいます。その発振を止める為にコンデンサーを並列に接続しますと今度は周波数特性が悪化してしまいます。更に、過渡特性が悪化してしまいます。これはオーディオ機器にとっては致命傷となります。
しかし、現在のリニアーICの場合は位相特性は非常に優秀です。一部の品種を除いて発振の不安はありません。当然位相補正の必要もありません。すると結果として非常に優秀な音質と電気的性能が約束されます。
しかし、問題もあります。それは正相回路の場合は増幅率は 1 以下にならない事です。これは何もICに限った事ではありません。真空管式でも条件は同じです。
しかし、逆相回路の場合は増幅率はゼロまで持って行けます。その特性を利用するのです。すると理論的には増幅率ゼロからほぼ無限大まで可能です。
しかし、問題もあります。それは増幅率を下げますと入力インピーダンスが下がってしまうのです。さて、これをどのように解決するか?
答えは簡単です。増幅率 1 のバッファーで受けるのです。現在のリニアーICは負荷として1kΩ程度あれば全く問題無く動作します。この性能を利用するのです。回路としては下記になります。