そこで私は聞きたい “貴方の装置はそんなに優秀なんですか?” 更に聞きたい “貴方の手持ちのソフトはそんなに優秀な物ばかりですか?”
トーンコントローラーとは何も装置だけに効果を発揮する物ではありません。聞き辛いソフトまでも加工して聞き易くしてしまう魔法の小箱のような物なのです。例えば私の好きなマレーネ・ディートリッヒが歌う “リリー・マルレーン” これは恐らくドイツ語の録音も残っているのでは? 或いは残っていて欲しいと願っているのですが? ひょとすると爆撃で壊されたか? いずれにせよ私は未だ英語盤しか聞いた事がありません。
マレーネ・ディートリッヒなんて聞いても知らない人も多いでしょうね。女優であり歌手だったドイツの女性です。何せ彼女はスタイル重んじて何と肋骨を二本ずつ抜いてしまったのです。その後ナチスに追われアメリカに亡命し1949年に生涯を閉じます。
このように考えますとドイツ語の歌も相当に録音されていた筈です。しかし、見付かりません。どう探しても見付かりません。ドイツ語盤があったとしても恐らくSPでしょうね。そんな事もあり私は以前SP盤の再生に夢中になった時もありました。とは申せ現在はその熱も冷めましたがね。
例えばドイツ語盤があっとしても恐らくレコードの盤質は悪いと思います。これは我が国と状況は同じでした。要するに “レコードなどどうでもいいだろ!” です。
私の持っている彼女の録音はアメリカ録音の物で、更にCDの復刻版です。音質はそのまま聞くと最悪です。それをある程度の音質で聞こうとすると少々性能の悪いスピーカーでトーンコントローラーで補正して聞いています。こんな魔法の小箱がトーンコントローラーなんです。
次回に続きます。
両者の違いはボリューム位置による基点周波数の違いになります。で音質は? 何も気にしなければ別段変わりません。それを聞き分けるにはそれだけの内容を持ったスピーカーシステムと聞き分けられる耳と感性が要求されます。とは申せNF型を使った方が無難です。
ここで問題があります。それは可変範囲です。両者共に±12dBが普通です。しかし、高域に関しては12dB増幅しますと聞こえなくても良い高域ノイズが聞こえてしまうのです。
そこで私が作る物は下に示す特性にしております。これは手前味噌ですが正しい方法だと思っております。しかし、トーンコントローラーはあまり売れません。理由は簡単 “俺の装置には不要だ !” なんです。
この両者とも電源を繋げば立派に動作します。但し、右側のNF型はセンタータップ付きのボリュームが必要になりますのでそれを入手するのが少々厄介ですがね。但し、実際には大変な問題を抱えた両者なんです。それは出力インピーダンスです。共に出力回路がプレートフォロアーなのです。するとこの出力を正確に受け取るには500k~1Mオームの入力インピーターンスを持った回路が必要です。そうしませんと音質劣化の原因を造る結果となります。
この両者の出力特性にも違いがあります。それを下に示します。
2018/6/2
コントローラーを使おうとする場合に大前提が必要です。それは “希望とする音、或いは 音質 を自分自身が持っている事” 多くの人が “そんなの当ったり前だ
!” なんて言うでしょうね。しかし、しかしなんです。そのような質問をしますと多くのお方が “良い音” と答えます。そこて更に “貴方にとって良い音とはどんな音ですか?” すると多くのお方は何も答えません。 要するに私は皆様に何も機器だけを売っている訳ではありません。機器と同時に皆様にとって良い音も同時に売っているのです。その気持ちがありませんとコントローラーの販売は出来ません。
私は高校生時代に既に自作のトーンコントローラーを使っておりました。理由と言いますか? 原因と申しましょうか? 早い話が安い小型スピーカーから買えませんでしたので仕方なしの方策でした。
当時はハイライトが50円、ラーメンが70円の時代です。ダイアトーンP610Aが800円と1300円の二種類売っておりました。1300円の物はBTS規格合格品とかでした。前回の銀色の帯の物は1300円の物です。800円の物は青っぽかったように記憶しております。最初に買ったのは勿論800円の物です。
それをリンゴ箱だったと思いますが、多少なりとも加工してエンクロージャーとしてオーディオマニア? としての最初でした。勿論それまでに自分なり良い音を求めて変な事はもっともっと子供の頃からやっておりました。私の記憶では我が家で蓄音機でペギー・葉山の “南国土佐をあとにして” を最初に聞いたのは伊勢湾台風の年だったように記憶しております。その後10年経てようやくオーディオに芽生えたのだと思います。その後50年経て現在に至ります。
コントローラーとして最も一般的だし雰囲気を醸し出す最も有効な物はやはりトーンコントローラーだと思います。
一口にトーンコントローラーと言っても二種類あります。それは下に示すCR型とNF型です。
次回はコントロールの必要性についてです。
何ともこきたねーシステムに見えると思います。何せ私自身もそのように感じておりますのでね。例えば平面バッフルを緑色などに塗れば多少は良かったのかも知れません。それには緑色のオイルステインで処理すればそれなりの仕上げには出来上がると思います。
その計画は早ければ今夏にオールコーン型5チャンネルシステムを作ろうかと考えております。目的は優しい音の5チャンネルマルチシステムを求めての作るつもりにしているからです。ユニツトは全て用意してあります。ウーハーは恐らくは60年程度前の38cmウーハーです。ミッドローは写真に写っている30cmウーハーです。ミッドはダイアトーンにするか? LE8T にするか? 迷っております。ミッドハイは所蔵のコーン型トゥーイーターです。ハイはこれはホーン型で 2405 です。恐らく耳当たりが良く、更に軽快な音で鳴ってくれると願っております。
ここでワンポイントアドバイスです。私としては最も優秀な音質のユニットはダイアトーンP-610だと思っております。何せ非常に艶っぽい音なのです。その次は JBL
LE8T だと思っております。ダイアトーンと比べて艶っぽさは少々欠けますが全体としてしっとりとした聞疲れの無い非常に優れた音質のユニットだと思っております。
但しここで改めて申し上げておきます。いずれのユニットも全帯域ようとして使うにはコントロールが必要です。何も足さない、何も引かないでは無理です。
しかし、音圧の限界が少々低くなってしまいました。低くなったと言いましても私は基本的にはあまり大きな音では聞きません。更に私は仕事中のBGMとしての使い方がほとんどですので全く問題にはなりませんでした。更にお客さんが来ていても普通に会話出来る程度の音圧でしか鳴らしません。何せうるさい位の音圧ですとお客さんに対して失礼ですのでね。
このような改造をしますと多くのお方は音質に問題が起こるのでは? とお思いでしょうね。実際にはそのような事は無いのです。何故ならコルゲーションコーン紙の効果によるところが大きいのです。コルゲーションコーン紙とは低音はコーン紙全てが働きます。周波数が少々高くなりますとコルゲーションがエッジとして働きコーンの内径部分のみ働き始めます。更に周波数が高くなりますと更に内径部分のみ働くようになります。その段階に達しますと付け加えた赤い部分のコーン紙は無いのと同じ状態になります。皆様もエッジがボロボロに鳴ったダイアトーンP610A(B)をお持ちのお方は是非とも改造される事をお勧めします。
さてさて、肝心な周波数特性です。改造して更にコントロールする事により低音はとりあえず30Hzまでは再生しております。16cmユニットで30Hzまで再生していると云う事は素晴らしい事だと私は満足しております。自己満足かも知れませんがね !
このシステムの周波数特性による再生帯域は? と申しますと普通に考えれば30~14kHzが妥当な数値だと思います。16kHzも再生していると言えば再生はしています。しかし、その帯域に達しますと人の耳の特性は劣化しています。例え鳴っていたとしても音楽の一部としては感じないと思います。ここでこのユニットの取り付け状態もご紹介します。
この補正とは超低高域を補正した特性でそのユニットは右です。何とも不思議なユニットに見えると思います。赤く塗った部分は全てコーン紙の一部です。センターサポートは磁気回路のセンターポールに接着剤で固定してあります。この改造の目的は先ずはエッジがボロボロになり “駄目もと” の改造でした。とは申せ過去何回も行っておりますので決して駄目もとの気持ちはありません。
二番目の目的はコーン紙を重くしてオーバーシュートを増やす事です。すると低音感が得られます。よって、改造に利用した紙は少々薄めの厚紙です。
三番目の目的はエッジを取り払う事による稼動範囲の大幅確保です。確かに稼動範囲は大幅に広げる事が可能となりました。ところが、ところがなのであります。
所詮は16cmユニットなのです。確かにオリジナルでは絶対に出ない低音域は充分に確保されました。
補正後
補正前
上述の説明で後者を採用しますとこのユニットは大変な広帯域ユニットとなります。果たしてこのような規定が許されて良いものか? 普通に考えたら許されませんよね。しかし、それが許されてしまっているのがオーディオ業界なのです。オーディオ業界とは皆様が考えているよりずっとずっとラフな世界なのです。しかし、多くのオーディオマニアはカタログに記された内容を信じてしまいます。或いは信じるしかありません。淋しい淋しいオーディオ業界なのです。
しかし、長年オーディオに没頭しておりますと再生可能帯域は感覚として想像出来ます。ここで面白いお話をしましょうね。それは LL をお買い上げになったお方からの苦情のメールでした。LL は効果は何も無いと言うのです。私としては初めての苦情メールでした。
そのお方は何と LL の特性グラフまで付けて苦情のメールを送って来たのです。しかし、そのグラフは何故か±が逆なのです。そこでその理由とお客様のスピーカーシステムの内容を知らせて欲しいとの内容のメールをお送りしました。果たしてその結果は?
その後未だに何の返答もありません。理由は恐らくそのお方はグラフの見方が解らなかったのでは? 更に使っているスピーカーシステムのサイズはウーハーは10数センチの小型の物だったのでは? ではないかと考えております。
10数センチのウーハーでは元々基本的に満足出来る低音の再生は無理なのです。それは例えば我が国特有の16センチユニットでもそのまま使えば無理なのです。そこで私が改造したダイアトーンP-610A改の周波数特性を改めてご紹介します。以下です。
この特性から察しますとこのユニットは25~30cmのフルレンジユニットではないかと推測します。理由は先ずは fo の周波数です。60数Hzです。更に、4千数百Hzのピークです。恐らくダブルコーン型による共振周波数の表れではなかろうかと思います。そのような意味でグッドマンか、或いはリチャードアレンかも知れません。
このユニットの音圧レベルは果たして何dBか? 普通に考えますとグラフにも表記されているように 0dB ラインが音圧レベルと考えるのが一般的です。しかし、現在の再生帯域表記は違います。それは “平均再生レベルに対して±10dBまで再生ているとみなす“ の一言が加えられているのです。すると例えばピークの+8dBを平均とみなしたとするとそこからマイナス方向の20dBの音圧であっても再生していると表記しても間違いでは無い事になります。
或いは中音の谷間の千数百Hzを平均値とした場合には-8dBが基点とみなしても決して間違いではないのです。もし、これを表記したならば低域に関しては20Hzまで再生していると表記しても間違いでは無い事になります。
事ほど左様にスピーカーユニットの周波数特性に対する認識と言いましょうか? 表現の仕方と申しましょうか? 何でも有りと云う事になっているのです。
2018/6/1
前回の周波数特性グラフを再度登場させます。
あれは確かに事実上のSN比は抜群なんです。恐らくプログラムソース側のノイズも低減させているからだと思います。それが目的なプリアンプですので当然と言えば当然なのです。
プログラムソース側のノイズとは録音スタジオの調整卓にあります。多くの調整卓は72チャンネルだと思います。するとミキシング回路がノイズを発生させるのです。本来ミキシング回路とはせいぜい3~4チャンネルまでなのです。それ以上のミキシングをさせますとレベルが落ちてしまいます。当然増幅させる必要があります。その増幅回路がノイズの発生源なのです。
実際のCD製作現場では音楽が始まる寸前でCD録音を開始します。更に音楽が終わると直後に録音を停止します。問題はフェードアウトの録音です。確かにノイズが聞こえます。しかし、多くの人がそのノイズは気にしません。不思議ですね。
ここで先ずはプリアンプのフィルターコンデンサーの容量についてです。昔は50μFの二段が当たり前でした。その後コンデンサの容量表示が変更されて50⇒47μFになりました。しかし、それを二段で構成したπ型フィルターでは容量不足でハムノイズが乗ります。そこで私は47μFを10個並べて470μFにするようにしております。するとハムノイズはほぼ聞こえなくなります。
コンデンサーも現在は小型になりましたのでシャーシー加工も楽になりました。しかし、これはプリアンプだから許される事です。パワーアンプの場合は回路を一緒に考えて然るべきなのです。B級アンプの場合は禁物なのです。何せB級アンプはレギュレーションが音質を左右しますのでね。
このような事を色々と考慮しますとパワーアンプは設計が大変なのです。更にそこへ来て真空管式だからと言ってそれだけ音質的に効果があるか? 甚だ疑問なのです。そんな事よりも現実的にはパワーICを使いますと全てに渡って素晴らしい性能を示すのです。
確かに昔のパワーIC(パワーパック)の音質は許せる音質ではありませんでした。しかし、その後は大発展を遂げたのです。現在のパワーICは素晴らしいです。私はナショセミ(現在はテキサスに吸収されたようです)の物を使っております。東芝も多くの種類を作っているようです。しかし、それらのほとんどがカーオーディオ用のようで電源電圧は12Vが多いのです。何故ならカーオーディオの場合はクルマを入れ替えた時にオーディオ機器も一緒に処分してしまいますからね。当然需要は一般家庭用とは比較になりませんからね。
次回は周波数特性の大切さについてです。
左に示した周波数特性のスピーカーは4千数百Hzにピークがあります。この場合にアンプのノイズがその周波数と重なるとSN比の悪いアンプとして判断されてしまいます。
しかし、スピーカーシステムを入れ替えてみますとほとんどノイズは聞こえないなんて事が当たり前にあり得ます。これはノイズの不思議です。しかし、周波数特性を考えてみますと不思議などではありません。当たり前の事なのです。
実際にオーディオに於けるノイズとは30~13kHz程度だと思います。しかし、中には20kHzまでと言う人も居ります。確かに20kHzだけ聞きますと20kHzが聞こえるレベルまでを上げて聞いてしまいます。そこでそのレベルで音楽を聞きますと爆音になってしまうのです。しかし、 “俺は20kHzまで聞こえる” なんて頑固さを誇示するのです。私に言わせればあまり利口ではありませんね。
私に言わせれば普段聞いている音圧で普段聞いている位置で問題が無ければそれで好とすべきと思います。何も必要以上のSN比の良さは無用な物と考えます。しかし、私は何故か ウルトラ ローノイズ プリ などと称したプリアンプがあります。
2018/5/31
私が作る製品のディバイスのほとんどがリニアーICです。何せリニアーICはほとんど全ての領域に対して最も優秀な性能を示すからです。何せ歪み率に関しては歪み計でも感知しません。素晴らしいです。
しかし、未だにディスクリートの方が優秀だと言うお方がおります。その理由は簡単です。数十年前から一歩も先に進んでいないだけの話です。とは申せ現在でもディスクリートICが主流を占める世界があります。それは特殊回路の世界は今でもディスクリートICは必要不可欠なんです。数十年前はディスクリートICの市場規模は約50億円と言われておりました。しかし、一般のモノシリックによるリニアーICで済まされる物はリニアーICを使っているのが実情です。
さてさて、そこでリニアーICのノイズです。規格表を見ますと ウルトラ ローノイズ と表している物があります。私も当然試してみました。しかし、しかしなんです。
実際に使ってみますとちっともローノイズなどではないのです。実際に使ってみますと ザー だったり サー だったりなんです。そこで考えてみますとリニアーICの場合は一般工業用です。すると測定上ノイズが少ないと ウルトラ ローノイズ に分類されます。しかし、それは信号以外のノイズが少ないだけの話なのです。しかし、オーディオの場合は可聴域ノイズが全てのノイズです。要するに要するにノイズ成分が最も重要な項目となります。ウルトラ ローノイズ と言っても可聴域のノイズが多かったらオーディオ回路にとってローノイズなどではないのです。更にお使いのスピーカーシステムの周波数特性にも大いに影響されます。
しかし、自作マニアは何故か測定器を揃えようとしません。オーディオ機器はこれでもか? と買い揃えても測定器は蚊帳の外なんです。やはり自作マニアでも自分が果たしてどの程度の性能でどのような内容の物を作ったか? は自ら確認すべきと私は思います。そうしませんといつまで経っても一歩も進歩しないと私は思っております。
しかし、オーディオマニアは “問題は音質だ !” などと訳の解らない事を豪語します。私に言わせればそれは単なる言い訳でしかありません。使い方が解らないも測定器は音を出さないも単なる言い訳でしかありません。或いは苦し紛れの言い訳です。
次回はノイズを確認するには? です。
左の図を見て頂ければNFBの効果はお解かりと思います。要するに元々のアンプの性能を否定する事により最終的な性能改善をする働きをします。勿論12dB掛ければ約1/3のノイズ低減になります。更に周波数特性も改善されます。
しかし、だからと言ってむやみにNFBは掛けるものではありません。何せ位相の回り込みを発生させます。それを補正する場合はオシロシコープが必要です。よって、私はアンプを自作する場合は最低でも三種の神器が必要だと申し上げているのです。
とは申せ現在6ZDH3Aを入手するのは難しい事だと思います。6ZDH3Aはその昔の5球スーパーラジオで多様された真空管です。検波管と増幅管を兼務していた球だったと思います。いずれにせよ昔々のお話です。
ロフチンホワイトアンプを2A3で組もうとする場合はパワートランスに380Vの巻き線が必要です。果たして現在そのようなパワートランスがあるか? 甚だ疑問です。私の場合はトランス業者とお付き合いがありますので用意出来ますが一般には少々問題ありですね。更に整流管には耐圧1500Vの優秀な5R4が必要です。この優秀な5R4がまたまた問題なんです。これをダイオードで済ませようとしますとB電圧が少々高くなってしまいます。いずれにせよ現在まともなロフチンホワイトアンプを作るには色々と問題があります。
さてさて、大切な項目でありますノイズについてです。
ノイズはハムノイズにしても電子ノイズにしてもNFBは非常に有効です。何せ僅か6dBのNFBでも理論的にはノイズは半分に減ってしまいます。では、何故か?
NFBとは ネガティブ フィード バツク の略です。ネガティブですので否定です。要するに入力を否定する事により優秀な性能の物を作るのが目的です。それはノイズのみではありませんで周波数特性までも改善する機能を持ちます。これを説明したのが下図です。
ロフチンホワイトアンプは世界最初の直結アンプでした。しかし、正確には世界最初の直結アンプは50(250)による物でした。しかし、50(250)の場合はB電圧に570Vもの高電圧が必要でした。そんな理由でB電圧に440Vで済まされる2A3が持てはやされたのだと思います。
ここで少々しつこいお話です。ロフチンホワイトアンプで2A3の場合はプレート(アノード)に440Vもの電圧を掛けるからパワー管に無理が掛かり問題だと言うお方がおります。しかし、実際には2A3のカソード(ヒーター)の中点には195Vが印加されており実際の2A3のプレート(アノード)電圧は245Vなのです。
しかし、少々穿った事を申し上げますと2A3のヒーターが正常動作するまでの僅かな間は2A3に440Vの電圧が掛かっております。やはり現在このアンプを作るのであればプレート(アノード)のB電圧はタイムラグ回路を設けてパワー管の保護を考えるべきだと思います。
ここで少々面白いお話です。その昔は優秀なタイマーはありませんでした。よって、当時は左に示す回路をそのまま作りました。するとヒーターが正常動作するまでの僅かな時間の間に2A3のプレートは紫色になったり赤くなったりしたそうです。そこで当時付けられたあだ名は七面鳥アンプだったとか?
45(245)の場合は初段管に75を使用して単なるRC結合で非常に爽やかな音で鳴ってくれます。75は我が国の場合は6ZDH3Aで代用されます。
もう一つハムノイズから逃れる方法は電源を安定化する方法です。しかし、この方法はパワーアンプの場合は力無い音になってしまうようです。昔はパワーアンプでも大容量のパワートランジスターを使って安定化した物が流行った時代がありました。しかし、評判が悪く近年では見掛けなくなりました。それよりも電源のフィルターコンデンサーの容量を増やして対処するメーカーが増えたのだと思います。
しかし、プリアンプやその他電圧機器に関してはほとんど安定化電源を使用しております。理由は流れる電流が微小ですので安定化しても最終的なフィルターコンデンサーの容量で音質をカバー出来るからです。中にはPWM方式のパワーサプライを利用した物もあります。小型ですし安いからです。しかし、物によってはFM放送を聞きますとビートを起こす場合がありますので要注意です。
ここでちょっぴり面白く変なお話です。それはA級アンプの電源のお話です。ご存知のようにA級アンプの場合はその出力によりB電流の変動は極僅かです。すると電源のレギュレーションはほとんど音質に影響は与えないと云う事になります。しかし、中には電源のレギュレーションに妙にこだわるお方がおります。この話は変ですよね。私に言わせればこだわりと思い込みでしか無いと思います。
オーディオとはとかく妙な伝説的な言い回しやこだわりや思い込みが主流と成り得る不思議な世界です。その妙なこだわりや思い込みを他人から耳にしますと何故か信じてしまうこれまた不思議な世界なんです。私の場合はオーディオとは言え自然科学の世界です。私はそのような意味から可能な限り理化学的に考えるようにしております。
これはその人の気持は解らなくも無いお話ですが、直熱管A級アンプにこだわるお方が妙に多い事も確かな事だと思います。そのように言う私も管と回路によっては直熱管の音は好きです。例えば2A3のロフチンホワイトアンプ、45(245)によるRC結合シングルアンプです。両者とも非常に爽やかな音なのです。あの爽やかな音に迫る他の管や回路に出会った事がありません。しかし、私はこの両者のアンプは作りません。理由は優秀な球が無いからです。45(245)は勿論、2A3に至ってもいい加減な物ばかりでまとも物はまず出会った事がありません。そんな物を使っていい加減なアンプなど作らない方が得策だと思っているからです。
ここで2A3によるロフチンホワイトアンプの回路をご紹介しましょうね。
本来のハムノイズの犯人は左の破線の電位の揺れです。能率の良いアンプの場合はNFBを戻すとその分ハムノイズは減ります。例えば6dBのNFBを掛けますとハムノイズは半分になります。パワーアンプの場合はその残留電位は3~4mVであればほとんど問題は無いと思います。しかし、直熱管がお好きなお方の場合はほとんどNFBは掛けていないと思います。すると電源フィルターのコンデンサーの容量を増やすしか方法はありません。
コンデンサーは昔と比べると大変に小型になっておりますので改造は比較的楽だと思います。
しかし、中には小型の電解コンデンサーは音が悪いと嫌うお方も居ます。その場合は思い込みとこだわりから脱却するしか方法はありません。
2018/5/30
以前 “ハムノイズが出る” と苦情を言って来たお方が居りました。詳しく聞くとスピーカーに耳をくっ付けると聞こえるなんです。正直申しまして私は呆れました。まさかそのお方はスピーカーに耳をくっ付けて音楽を聞いている訳でもあるまいしね。
私はノイズは試聴位置で聞こえなければそれで善しと思っております。そこで今回はノイズの犯人についてです。
電子機器のアースとは各機器の基本電位を固定する為のものです。それは例えば我々がビルの一階に居たとします。その時は我々は一階の床が我々の基本位置です。しかし、二階の人は二階の床がその方々の基本位置です。それを司るのが各機器を繋ぐアースです。解り易く言いますとRCAコネクターのアース極です。3Pキャノンで言えば普通は一番ピンです。
皆様良く考えて下さいね。我々の言っているアースは各機器間を繋いでいる基本電位を意味します。しかし、強電(商用電源)の場合は大地の電位を意味しております。同じアースと云う言葉でも言っている内容は全く違った内容なのです。
次回はノイズの本質についてです。
名前はタローと言いました。ある日少々元気が無いので医者に行こうと車を走らせました。すると医者まで数百メーターの所で我がオードリーの懐の中で命絶えました。全く苦しむ事無く永眠致しました。14才でした。可能であれば私もそのように逝きたいと思っております。しかし、無理ですかね。何せいっぱい他人(ひと)に迷惑を掛けて来ましたのでね。
さてさて、話しをアースに戻しましょう。皆様は我々は数千ボルトに帯電しても大丈夫な事はご存知ですよね。理由は流れる所が無いからです。ところが金属部分に触れるとピリッと来ますよね。電位差により電流が流れるからです。それを利用したのがホーム分電盤の漏電ブレーカーです。あれは例えば洗濯機が絶縁不完全で人に電気が帯電した時も働きます。
センサーはゼロ相CT(カーレントトランス)が感知してブレーカーを落とします。勿論その時は人はピリッと感じます。原理は順方向の電流と逆方向の電流のバランスが崩れた時の差を検出して働きます。
しかし、我々オーディオマニアが言うアースとは基本的に異なります。
それはかつて私が電気工事材料を収めた東京武道館での出来事です。
東京武道館は綾瀬川のすぐ傍なんです。当然地下水位はせいぜい数十センチなんです。そこにFRP製のハンドホールを埋めようと穴を掘りました。当然水浸しの穴です。さて、FRP製のハンドホールです。軽いのです。埋めようとしてねプカプカなんです。そこで重機で押さえ付けて無理やり埋めてしまいました。
そのような場所のアースは簡単です。アース板を一枚埋めれば第一種アースは簡単に取れます。さてさて、そこで改めてアースです。
オーディオマニアの機器のアースは電気的には全く無意味なんです。元々機器のアースは電源に問題が発生した時に大地に電気を逃がしてしまうための物です。上の図の B点 に繋がっていませんといけません。しかし、一般家庭ではそのようなアースは取れているとは思えないから上の説明になるのです。
すると皆様のコンピューターのアースは? 無意味なんですね。よって、雷が落ちてもコンピューターは守れません。これを雷から逃れるのは大変に厄介な内容になります。私の場合は雷が鳴ったらコンピューターの電源は必ず落とします。危険ですのでね。
私が学校を卒業して最初の勤務地の栃木県真岡市では夏になりますと毎日のように夕方になりますと夕立と共に雷でした。それも凄い雷なんです。その会社にはキュポラがありましたので恐らく何回か雷が落ちていたと思います。しかし、キュポラは地中深く基礎がありますので実質的な被害はありません。しかし、私は余り真面目な社員ではありませんでしたのでそのような時はキュポラに近付きませんでした。やはり危険ですのでね。ここで危機管理について少々。
人は絶えず危機感を持って生活すべきと思っております。例えば私は駅のホームで電車待ちをしている時はホームの縁には近付きません。何せ何処にどんな人が居るか判りません。そこで私は柱を背にしたりホームの真ん中近くで電車待ちをしております。転ばぬ先の杖です。
よく混んだホームの縁を歩いている人が居りますが危険です。非常に危険です。何せちょっと押されたらそれでその人の人生は終わりです。やはり私はふかふかの布団の上で人生を終えたいと思っておりますのでね。
ここで去年の夏まで我が家の家族を癒してくれたワンちゃんの話しです。
皆様のお宅の水回りのコンセントは恐らくアースの付いた3Pコンセントになっていると思います。ではそのアースは?
恐らくアースは不完全だと思います。特にかつて水害で出来た平野部の場合は基本的に深くは砂地です。するとアースを取るのは非常に厄介なんです。一般のアース棒を二本繋いで3メーターまで差し込んでもまともなアースは取れません。地下水位にも依りますがアース板を埋めませんと無理だと思います。ここで面白いお話をしましょうね。
2018/5/3-2
一言にアースと申しましてもアースとは色々な分野があります。例えば電気工事の場合は電源アースを言います。この場合は電力会社の柱上トランスの中点(図面ではB点)と家庭のアースとの間のアースです。これが非常に難しい内容でして、そのアースの抵抗値を調べるにはアースガーと云う測定器が必要です。当然簡単には測定出来ません。そのアースの値に対して第一種アースから第三種アースまでに分かれておりまして、当然抵抗値により分けられております。
久々に “人は十人集まれば十個の才能。百人集まれば百個の才能” だと思っております。皆何らかの才能を持って産まれてきたのだと思っております。しかし、中には居るのです、どうしようも無い人が。
例えば営業に出るとその都度問題を起こして帰ってくる営業マンです。そんな営業マンは決まって自分のせいだとは思っておりません。全て他人(ひと)のせいなんです。
営業マンとは基本的に全てを丸く治めるのが仕事です。その結果信頼を得るのだと思います。基本的に営業マンとは品物を売るのが仕事です。しかし、その前に自分を売らなければ物は売れません。よって、営業マンは自分を売るのが仕事だと私は確信しております。
私の場合も基本的にはマルチチャンネルシステムを皆様に広めるのが仕事だと考えております。その為にはお客様にアドバイスが出来なければ私は失格です。そんな事もあり私はメールでは無く電話が欲しいと申し上げているのです。だってね、メールなんかでは詳しくは説明出来ませんからね。
何せ質問は僅か数行の内容でも説明するには何ページにも及ぶ内容になるのが普通です。それを果たして皆様が理解しながら読んでもらえるか? 甚だ疑問です。それよりも冗談を交えながらの説明が最も楽だしお互いに楽しいのではなかろうか? と私は思っております。
次回はハムノイズとアースの関係についてです。更にその他色々とアースについて述べてみたいと考えております。
左が両波整流回路です。この回路で整流した電圧グラフはあえて図示しません。皆様お解かりと思いますのでね。
上の回路はパワートランスに中点(センタータップ)が付いている場合です。下は中点が無い場合の回路です。各々の電流の流れ方は皆様お調べ下さい。これを調べておりますと解らない事が発生します。その場合はその解らない部分を更に調べて下さい。すると更に解らない部分が発生します。その繰り返しが勉強だと私は思っております。
その結果過去に点在していた知識が線で結ばれて来ます。要するに松本清張の “点と線” です。その繰り返しで各線が結ばれて来ます。面の知識となります。その面の広さが知識の広さになります。
更に進みますと面が移動して立体となります。要するに益々知識が深くなった事を意味します。その結果妙な思い込みもこだわりもなくなります。
私は時々妙な事を申し上げますが自分としては決して妙な事とは思っておりません。私の場合はたまたま電子の世界が好きだったものだから深く深く詮索しただけの話しです。それは何も電子の世界に限ったものでは無く、皆様の才能の世界だと思っております。
この回路で整流しますと左の波形になります。勿論コンデンサーが入っておりますと破線で示すようになります。但し、この場合は負荷がある場合です。負荷がありませんと電圧降下はありませんのでフラットになります。
P1とP2のサイクルは関東以北ですと1/50secです。関東以南ですと1/60secです。これが本来のハムノイズです。当然ブーと云う低い音です。
しかし、現在はダイオード整流が非常に多くなりましたので両波整流が主流です。両波整流には二種類あります。それを示します。
ご存知最も簡単な片(半)波整流回路です。原理は真空管(整流管)もダイオードも同じです。何故か真空管式の方が音が良いと言う人がおります。理由は恐らく内部抵抗値の問題であろうと推測致します。しかし、A級アンプの場合は絶えず一定のB電流が流れておりますのでそのような事は無い筈なんです。変ですよね。恐らく思い込みとこだわりの問題だと思います。
何せオーディオマニアは変な事を言う人が多いのです。理屈が合っていれば良いのですが全く無関係と思える事でも問題視してしまうのです。やはり趣味と道楽の世界ですので許されてしまうのでしょうね。
ここで当ホームページにBBSが無い理由です。以前はありました。しかし、妙な言い掛かりをつけて来る人がいっぱいいるのです。それも全く理屈が合わない内容でです。そんな理由で止めてしまいました。ご容赦下さい。
2018/5/3
少々日数を置いてしまいました。誠に申し訳こ゜ざいません。
さてさて。本当のハムノイズとは ブー と鳴ったり クーン と鳴ったりするノイズです。オーディオの黎明期には “ハムノイズこそ低音の証だ !” なんて事を言ったそうです。
ここで改めて申し上げますが多くのオーディオマニアはノイズがあると何故か全てハムノイズと呼ぶお方がおります。確かに真空管式の場合やトランジスター式でも電源のフィルター回路のコンデンサーの容量が足りないと本当のハムノイズを出す物があります。そんな場合はコンデンサーの容量を増やすしか方法はありません。現在はコンデンサーも相当に小型になりましたので改造も比較的楽になったと思います。
ここでワンポイントアドバイスです。真空管の場合は単にコンデンサーの容量を増やしますと整流管のダメージに繋がります。その場合は電源のレギュレーションを少々犠牲にしてダンパー約の抵抗を入れる事をお勧めします。
ここで初心に帰りましてハムノイズの発生原因について考えてみましょう。
ノイズの真面目な話しも良いと思いますが昔の今では考えられない話しも面白いと思いませんか?
次回は本当のハムノイズのお話です。
マツダとはピリケン球や自動車用電球のバヨネット式ソケットを企画したメーカーです。それに対してエジソンが企画したソケットはエジソンベースと言います。ネジ式の物です。ここで面白いお話をしましょうね。
時は戦後間もない頃です。当時は貧しくて貧しくて食べる物も無い頃です。そこで仕方がありませんので多くの人が着物やその他少々金目の物を持って田舎に物々交換で食料の調達に行きました。そんな時に汽車に付いている白熱球です。無くなってしまうのです。犯人は当然買出し連中です。困った国鉄は何と逆ねじの電球を作ったのです。成果は抜群だったそうです。
我が家ではそれ程の食糧難はありませんでした。理由は私のオヤジの故郷は新潟の山奥なんです。そこで我が家では小型のタンスを空箱で送るのです。するとオヤジのオフクロはタンスに米やその他食料を詰め込んで送り返してくれたのです。
私は1951年生まれですので実際にはその場に居た訳ではありませんがその後も色々と送ってくれました。ある日妙な物が入っているのです。聞いてみると何とマムシの骨を乾燥させた物だそうです。万病に効く薬になるとか?
それが左の写真の物でした。今は使われていたパワー管と整流管を残して処分しました。
この品物は基本的に非常に完成度の低い物で、設計その物に問題がありました。何せイコライザー回路がありませんでした。更に増幅率が元々足りませんでパワー管をほんの少ししかドライブ出来なかった回路でした。何せアメリカが禁酒時代の物ですので仕方がありませんよね。
これは最初は勿論音は出ませんでした。それを約一ヶ月程度掛けて取りあえず鳴るようにはしました。しかし、ショボイ音しか出ませんでした。そりゃそうですよね。何せイコライザー回路がないのですからね。
左の真空管が当時の物と思える RCA250 です。中は同じく RCA281 です。右は昇天して差し替えたのだと思いますがマツダの281です。マツダとは当時は東芝はエディスワンマツダと技術提携をしておりまして私も何本かマツダの名前の真空管を持っております。
2018/4/20
ノイズについてです。
ノイズにも色々とありますね。何処でも発生する可能性があるのが ジーノイズ です。さて、原因は?
これは多くの場合が電源の飛び付きノイズのようです。これは私の推測ですが、恐らく商用電源の交流の正方向と逆方向の切り替わり時のノイズが信号ケーブルに影響を与えてるのであろうと考えております。理由は各ケーブルの配線方法を少々入れ替えますとほとんどの場合に無くなってしまうのです。もし、悩んでいるお方が居りましたら試してみる事をお勧めします。
しかし、この場合に問題があります。それはオーナーの面倒くさいの気持から極一部を変えて “止まらなかった” なんです。すると当然機器を作った側の責任にしてしまうのです。そこで更に入れ替えを進めますと多くの場合に止まったようで、その時は何も言って来ません。淋しい現状なんです。
更に同じ ジーノイズ の場合にアースの不完全が考えられます。本来アースには電流は流れておりません。しかし、アースの不完全がありますとアースラインの電位差による電流が流れてしまいます。するとそれが原因で ジーノイズ が発生します。この場合は各コネクターをしっかりと差し込みますとほとんどの場合に止まります。しかし、この場合にも問題があります。それはRCAコネクターにはJISのような規格がありません。よって、各メーカーは “この位?” で作っているのです。すると相性の悪い同士の場合に接触不良が起こります。
この場合にアース側の接触不良の場合は色々なノイズが乗ります。多くの場合は ジーノイズ ですが中には ブーノイズ の場合もあります。すると当然機器を作った側の責任にしてしまいます。
最悪の場合はホット極が届かず音が出ないなんて場合もあります。当然機器を作った側の責任にしてしまいます。以前面白い事を言ったお方がおりました。それはやはりRCAコネクターの接触不良だったのですが、その時にそのお方は “コネクターに許容誤差を設ければ?” でした。しかし、皆様考えてみて下さい。許容誤差を設けると云う事は規格があるから出来る事であって、元々規格の無い物には許容誤差もひったくれもありません。変な事を言う人が居るんです。
私はRCAコネクターの事始は知りませんが恐らく “安いから” だったのでしょうね。犯人は当然RCAです。とは申せ私が以前持っていた1934年製のRCAエレクトローラにはRCAコネクターは使われておりませんでした。するとその後にRCAが勝手に作ったコネクターだったのでしょうね。
ここまでの話でバランスもアンバランスも音質には全く無関係である事がお解かりだと思います。それでもバランスの音質は良好だと言うのならそれは明らかに思い込みだと私は豪語します。もし、バランスは音質が良いと豪語するのであれば証明して頂きたく思います。恐らく証明出来ません。何せ変わらないのですからね。
そんな事にこだわるよりも私は軽快な音を再生する方法を考えた方がよっぽど現実的だと思います。何故なら現在のスピーカーシステムの発する低音は余りにも重過ぎます。その原因は私は永き経験の中でスピーカーの振動系の質量にあるし、更に使用帯域にあると結論付けます。
その内容に対してはほぼ結論は持っております。それはウーハーとミッドバスのユニットと再生帯域に大きく影響されると結論付けております。バスドラ(キック)の
ダッ ダッ と風圧を感じる音はウーハー帯域で再生しようとしても無理です。ダッ ダッ と風圧を感じる音はミッドバスにあると結論付けております。しかし、それを満足させるユニットがこれまた世の中に無いのです。ともかく軽く反応の良いユニットが必要なんです。
この件に関しては以前述べましたのであえて説明はしません。更にその時のダイナミックレンジが大きく関与しています。
これらを解決するのは難しいのです。ともかく難しいのです。更に録音の状態にも大きく影響されます。20年以上費やしたエキスパンダーも録音が悪ければ何の役にも立ちません。腹立たしく思いますが仕方がありません。解決策は録音する側の感性に期待するしか無いかも知れません。
次回は出来ればノイズの問題にしたいと考えております。
左の図画スルーレイトを現す図です。
入力波形に対して出力波形は左に示すように遅れが生じます。この値をスルーレイトと言います。単位は ___V/μsec です。要するに1マイクロ秒で何ボルト立ち上がるか? を意味します。
一般的な回路の場合は数ボルト~数十ボルトになります。これは高域特性に直接関係します。しかし、一般的には余り話題になりません。理由は人の耳にはほとんど無関係な領域での話しだからです。これを論じるとすればコウモリの世界だと思います。
遅れ時間
出力波形
入力波形
スルーレイトとは立ち上がり特性の事です。下の図示します。
この回路は最も基本的なコンプリメンタリー(相互補償)によるSEPP回路です。パワー回路は終段の2SC494と2SB482が行います。
コンプリメンタリーとは我々を写す鏡のような物だとお考え下さい。右手を上げれば鏡の中の自分は左手を上げます。要するに裏返しの動作をするのです。簡単に申し上げますと両方のトランジスターに同じ信号を与えると片や押し、片や引くのです。結果としてプッシュプル動作をするのです。要するに基本的にアンバランス信号で動作を司っているのです。にも関わらずバランスを好むのは単にこだわりだけであると云う事になります。
もし本当にバランス・アンバランスで音質が異なるとすればその原因は変換回路による性能が何か関与しているのかも知れません。だとすればそれはスルーレイトかも知れません。
さてさて、オーディオマニアの一部のお方は “バランスは音が良い” と豪語するお方がおります。しかし、そんな事はあり得ないのです。それは下図を観れば解ると思います。
左側の二つのリニアーICと右側の二つのリニアーICで行います。バランス信号を受けるには右側の回路で行います。
トランスで受けないのはトランスの場合は音質の劣化を伴いますのでトランスは使いません。リニアーICの場合は入力信号と出力信号がほぼ同一です。更に約100kHzまでフラットの伝達致します。
中にはトランスは音質良好と思っている(こだわっている)お方も居ようかと思います。しかし、トランスの場合は使い方で結果が推測不能の場合がほとんどです。よって、トランスを不用意に使う事は非常に危険を伴うとお考え下さい。
2018/4/13
多くのお方はバランス信号はそのままホット・コールド側の信号を別々に処理すると思っているでしょうね。それは例えばプリアンプの場合であればバランス専用プリアンプとして可能です。但し4連のボリュームが必要ですので一般的ではありません。更にパワーアンプの場合はSEPPであれば不可能なのです。それは後程説明しましょう。
下図は私どもの バランス⇒アンバランス アンバランス⇒バランス 実際の回路図です。
昔はプリアンプに2台のパワーアンプを繋いだら出力は半分になってしまったなんて話がいっぱいありました。理由はプリアンプの出力インピーダンスだったのです。とは申せその現象は過去の当たり前の真空管回路であれば今でも当然起こります。それは真空管回路の宿命です。真空管にこだわる人の気持は良く解ります。しかし、真空管はその内部抵抗の関係で基本的な宿命を負っている事を理解して使う必要があります。
更に、各放送局はライントランス出力のライントランス受けは決して音質を考慮しての結果などでは無い事も理解しておく必要があります。全て理由があっての結果なのです。そんな理由で現在のデジタル放送局の場合の安全策に疑問を抱いている訳です。
次回は現在のバランス受けの回路についてです。
ホットは普通は 2番、コールドは 3番 です。しかし、これは決して決まっている訳ではありませんで中には逆の物もあります。但しアースは1番です。
正相バッファーも逆相バッファーも普通は SEPP(シングル エンデッド プッシュプル) で組むのが普通です。理由は負荷は最低でもライントランスの600オームに対応する必要があるからです。私の場合もリニアーICを利用して400オームまで対応可能です。すると例えば入力インピーダンス50kオームの機器に対して 50kオーム÷400オーム=125 で何と125台まで接続してもドライブ出来る事になります。そんな理由で4Vなどのプリアンプは3個の出力を持たせているのです。何せ多くのオーディオマニアは複数のシステムを使っておりますのでね。
2018/4/8
一般的な現在のバランス回路は下図のようにします。
余談ですが No.9