市販品、自作品に限らずほとんどのスピーカーシステムは超低域と超高域は不足しております。これはユニットの元々の特性ですので仕方の無い事です。しかし、そのシステムから発せられる音は当然腰高になり落ち着きがありません。更に高域に関しても不足しているものですから楽器の放つ繊細で清々しい音が出ていません。
それらを一気に解決してしまうのが本機 NFM です。NFM を使う事により低音楽器の持つ落ち着きと、高域楽器の放つ緻密な音が既存の貴方のスピーカーシステムから発せられます。
例えばベーゼンドルファーは一般のピアノの最低域に加えて更に3個のキーがあります。当然弦も張ってあります。しかし、そのキーを使う音楽はこの世にはありません。当然無駄のように思えます。しかし、実際にはその低音弦が物を言います。音楽の広がりと雄大さです。
しかし、一般のスピーカーシステムで聞きますとベーゼンドルファーかヤマハか聞き分けられないのが普通です。この事は例えどのような高価なスピーカーシステムでも同じ事が言えます。ここで物を言うのが NFM です。ベーゼンドルファーの広がりと雄大さが当たり前のように再現されます。
高域に関しては楽器は基音とは別に高い弾き音のような音を伴って音楽を奏でます。しかし、一般のスピーカーシステムは高域の再生が不得手なものですからその音を再現しません。すると “つまらい音” として聞えてしまいます。そこで物を言うのが NFM です。各楽器の放つほとんど全ての音を再現します。すると結果として輪郭のハッキリとした清々しく爽やかな音として我々の耳に響きます。ここで問題になるのがピークの周波数です。
多くの人は20kHz程度まで聞えると思っております。しかし、一般の成人のほとんど全ての人は高域の限界は13kHz前後です。私の場合も13kHzまでです。13kHzと申しますと交差点近辺でクルマのブレーキが放つ音に近い周波数です。試しに気を付けて耳をそば立てて聞いてみて下さい。ブレーキがディスクとシューがこすれて高い音を出しております。もし、聞えなければ13kHzまでは聞えないと思って下さい。
そこで高域は10kHzにピークを持たせます。するとほとんどの楽器が放つ音を忠実に再現する結果となります。
実際には更に高い周波数で更に効果をもたらす方法もあります。しかし、それは5~6チャンネルマルチにのみ許された内容になってしまい、一般のスピーカーシステムでは無理があります。
NFM は可能であれば30~38cmのウーハーで、更に可能であれば裏蓋を外してお使い頂きたいと思います。非常に開放的な伸び伸びとした低音が楽しめます。高域は一般のホーン型であればほとんどの物が追随します。
過去に経験の無い素晴らしい音で音楽をお楽しみ下さい。
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グラフはMAXを表示しております。
本機は更に右に示すブースターを内蔵しております。
低域は30Hz、高域は10kHzです。最大で約32dBブーストします。
Q1 は入力用の反転バッファーです。ここでは増幅率は稼ぎません。その出力は反転回路で構成した Q2 に入れます。反転回路の増幅率は
μ=R2/R1
となります。この時に R2 をボリュームに置き換えます。すると絞り切った状態では R2=0 となります。当然 μ=0 となります。本来は乗除計算には 0 は入れてはいけない約束事がありますが実際には理論が先行した結果となります。
以上の事でボリュームでは音声信号を分圧する事無く音量調整が可能となります。
このようにしますと周波数特性は Q1 及び Q2 のディバイスの特性その物が結果として現れます。最終的には 1MHz までフラットな特性のプリアンプが出来上がります。
この NFM には -10・0・+10dB の三段階のゲイン調整回路を持たせました。この事により使い勝手の非常に良い物に仕上がっております。
R2
R1
Q2
Q1
一般的にオーディオ機器の部品で音質に最も悪影響を与えるのはボリュームだと言われております。私もそのように思います。
この場合に多くの人は
“だったらどのメーカーの何が良いのか?”
の論理になってしまいます。しかし、ボリュームとは音声信号を分圧する事により音量調整を行います。するとそこには必ず周波数特性を持ってしまいます。例えば測定器の場合はそれは命取りの内容です。そこで測定器の場合は10dBステップとしてアッテネーターにコンデンサーを並列に接続する事により解決しています。しかし、オーディオ機器の場合は10dBステップと云う訳には行きません。もっともっと緻密な調整が要求されます。それではボリュームで音声信号を分圧させなければ問題は発生しません。ではその方法は?
あるのです。一つは私が EP の型番で出品している電子式ボリューム回路です。この回路はナショナルセミコンダクター社のLM1036Nと云う専用ICで構成しております。このICは非常に優秀な音質です。私も自家用で使っております。何せ非常に新鮮な音なのです。
もう一つの方法はNFBを利用するのです。例えば真空管式でこれを実現しようとしますと不可能です。それは位相の廻り込みが災いして発振してしまいます。その発振を止める為にコンデンサーを並列に接続しますと今度は周波数特性が悪化してしまいます。更に、過渡特性が悪化してしまいます。これはオーディオ機器にとっては致命傷となります。
しかし、現在のリニアーICの場合は位相特性は非常に優秀です。一部の品種を除いて発振の不安はありません。当然位相補正の必要もありません。すると結果として非常に優秀な音質と電気的性能が約束されます。
しかし、問題もあります。それは正相回路の場合は増幅率は 1 以下にならない事です。これは何もICに限った事ではありません。真空管式でも条件は同じです。
しかし、逆相回路の場合は増幅率はゼロまで持って行けます。その特性を利用するのです。すると理論的には増幅率ゼロからほぼ無限大まで可能です。
しかし、問題もあります。それは増幅率を下げますと入力インピーダンスが下がってしまうのです。さて、これをどのように解決するか?
答えは簡単です。増幅率 1 のバッファーで受けるのです。現在のリニアーICは負荷として1kΩ程度あれば全く問題無く動作します。この性能を利用するのです。回路としては下記になります。
フィードバックボリューム式プリアンプ(NFP)に超低域及び超高域のブースターをドッキングさせました。
更に入力は5回路を設けました。NFP同様ゲイン調整も設けてあります。写真でお解かりのように -10(約1/3倍)・0(1倍)・+10(約3倍)dBの3点です。この事によりほとんど全てのシステムで使い易い状態になると思います。
NFM