写真は自家用のシステムです。拡大写真は1メーター角の平面バッフルに取り付けたマグナボックスの30cmフルレンジユニットです。これは 50Hz の LH相当品 を入れております。その結果50Hzまでフラットに再生しています。勿論軽快な低音で50Hzまで見事に再生しています。
更にここでワンポイントアドバイスです。それは多くの人が LL と LH とでは LL を選ぶであろうと云う事へのアドバイスです。
LL は 30Hz LH は 50Hz がピークですから当然聞え方は変ります。しかし、その時に果たしてその周波数に応答するだけの能力があるかの問題です。
ユニットの最低再生周波数はコーン紙のサイズでほぼ決まってしまいます。しかし、同じサイズのユニットでも低音の聞え方にかなりの差があります。その原因はコーン紙の質量の差が発生させる聞え方の差です。
例えば質量の大きいユニットの場合は当然オーバーシュートも大きくなります。するとそのオーバーシュートのお陰で低音に量感が増します。結果としてあたかも低音が良く出ているように聞えてしまいます。コーン紙の質量が小さい物は逆に淋しく聞えてしまいます。しかし、実際に再生している最低音域には差はほとんど無いのが実際です。
さて、30cmユニットの場合は私の実験の結果では 50Hz が限界のようです。それ以下の周波数はコーン紙は動いても実際には音には変換されていないのです。そのようなユニットに 30Hz を強引に入れてもコーン紙はフラフラと動いて歪みの原因となってしまいます。
これが 38cm ユニットとなると 30Hz まで可能なようです。要するに “サイズによる限界” があるのです。では 46cmユニット では?
私は 46cmユニット を使っておりますが限界はやはり 30Hz です。 20Hz をいくら入れてもコーン紙は反応しますが音としては応答してくれません。よって、私のメインシステムには 30Hz のエフェクターを入れております。では 76~80cmユニットでは?
私の親しい知人は 80cmユニット を2本使っております。すると 20Hz に見事に応答します。それはそれは大変な低音です。しかし、果たして 20Hz の音を発する楽器があるのか? の問題です。確かにベーゼンドルファーはその程度の音を発しているようです。しかし、その分弊害も目立ってしまっています。要するに “聞えなくても良い音まで再生してしまう” のです。よって、私は皆様には巨大ウーハーはお勧めしません。
私は皆様には 38cmユニット をお勧めします。このサイズはウーハーとして最も妥当だと思えるからです。しかし、爽やかな低音を希望するのであれば 30cmユニット をお勧めします。 30cmユニット はとっても爽やかな低音を再生します。私のお勧めはアルテックの414ですが、現在は中々入手が難しいのが難点ではあります。
しかし、アルテック414を入れた場合は LH で補正する事もお勧めします。そのままではやはり低音は不足しますのでね。
皆様には本機を入れてオーディオライフをより楽しいものにして頂きたいと思っております。
ここでワンポイントアドバイスです。写真のボードはオーディオマニアが言う米松合板です。専門的にはラーチと言います。要するに近年の家に使う壁材です。厚みは 9m/m と 12m/m の二種類があります。値段は 12m/m の物で1000円前後です。黒く塗る必要はありませんが私の場合はボロ隠しの意味で墨汁で染めました。この時にスプレー式のラッカーは禁物です。板目まで綺麗に塗れません。
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オーディオは “低音に始まり、低音に終る” と言われます。確かに低音の再生は難しい事です。市販のスピーカーシステムは特性上は 20~20kHz となっている物が非常に多くあります。しかし、あれは表現上のトリックのような物でJISでは “平均値に対して±10dBまでは再生しているとみなす” と規定されております。言い替えますとフラット部分を 0dB としますと -20dB までは再生していると表示しても間違いではありません。しかし -20dB の音で再生しているとみなせるのか? 甚だ疑問です。
LL も LH も共に最大値で 31dB ブーストします。この事により充分満足行く低音が再生されます。
使い方としては何処に挿入しても良いのですが、出来ればプリアンプとパワーアンプの間に入れる事をお勧めします。例えば CDプレーヤー と プリアンプ(プリメインアンプ)の間に入れますと最大音の時にクリップしてしまう危険があります。勿論ボリュームである程度絞っていればスピーカーを壊す事はありません。しかし、歪んだ音となってしまいます。
注意点としては爆音での使用は危険です。ウーハーを壊す危険があります。
効果的な使い方としては後面開放型エンクロージャーか平面バッフルによるシステムが最も効果が発揮されます。
上記二機種はウーハーに背圧が掛かりませんので伸び伸びとした音質の低音が再生されます。しかし、低音はダラ下がりの特性になってしまいます。そこで本機を使うのです。伸び伸びとした清々しい低音が楽しめます。
多くのオーディマニアは超低域ブースターと聞くとドンシャリ型の音を想像すると思います。しかし、ドンシャリ型とは70Hz近辺を持ち上げた音なのです。その音は近年の小型ウーハーによるトールボーイ型のスピーカーシステムがそれに相当します。要するにAV用スピーカーシステムです。
ここにご紹介する LL と LH はそれよりも低い周波数を重点的にブーストします。すると結果として普通に会話ができる程度の音圧で低音楽器が ズズズズー と響き渡る音に変貌します。