おそらく無理だと思います。同じ事が高域ユニットにも言えます。すると実際の再生特性は右のグラフとは相当に異なる結果となる事が推測出来ます。

 さて、この時にこの緩やかな特性が意味を持つ場合が多々にしてあります。要するにゆったりとした音をかもし出してくれるのです。これはこれで大変に意味のある事なのだと思います。しかし、特性が余りにも緩やかであるため3チャンネルまでが限度となります。特性上仕方がありません。

 私は個人的には NF型 の -12dB/oct のチャンネルディバイダーをお勧めしますがゆったりとした豊かで更に CR型 独特な爽やかな音を求める人の場合は3チャンネルを上限に CR型 をお勧めしても良いかなとも思っております。しかし、現在は世の中にそのような商品は存在しません。やはり CR型 のチャンネルディバイダーを製品化する必要があるかも知れません。

 以上の説明でチャンネルディバイダーのおおよその内容はお解かり頂けたと思います。

 マルチチャンネルシステムはネットワークシステムでは表現不可能な音楽の細かいニュアンスを伝えてくれます。それでこそのマルチチャンネルシステムです。しかし、少々難しさは伴います。それはカメラにも共通した部分があります。最近はコンパクトデジタルカメラが主流です。しかし、それはそれだけの物でしか無くそれ以上にはなりません。しかし、デジタル一眼レフカメラの場合は確かに高価ですがそれなりの価値が存在します。更に扱い方が少々難しさが伴います。しかし、それを克服するからこそ趣味なのだと思います。

 このホームページの “余談ですが” に載っている写真には最近私が撮影した写真が時として載せております。オリジナルのデーターは多くの写真が5メガを越える写真です。しかし、それを1/10~1/100 に圧縮して載せている写真です。それでも鮮明さにコンパクトデジタルカメラとの差は歴然としています。原因はレンズにあります。デジタル一眼レフカメラの交換レンズはコンパクトデジタルカメラ二台分程度の価格になります。最近では高画質のコンパクトデジタルカメラがありますがレンズの性能が伴いませんと全く意味の無い物となってしまいます。これがネットワークシステムとマルチチャンネルシステムの差と言えるかと思います。

 興味のある方は是非とも電話連絡を欲しく思います。


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 右に示したグラフは -6dB/oct の遮断特性です。要するに C と R で一段構成させた回路です。二段構成としてもこのグラフとほとんど変わらない特性にしかなりません。

 さて、この時に問題が存在します。例えば右のグラフで fc が 1kHz だったとします。するとグラフの最終点の周波数は 10kHz となります。その時に果たして低い周波数を受け持つユニットがそこまでの周波数を正確に再生するか? の問題です。 
 さて CR型 の回路ですが少々古い資料ですが右に示す回路がそれです。要するに前段のカソードフォロアーで送り出された信号を C と R で自然減衰させてやろうとする回路です。一段目は 0.01μ と 50kΩ です。二段目は 0.001μ と 500kΩ(250k+250kΩボリューム)で構成されております。

 この場合一段目と二段目の時定数は10倍以上にすべきと言われておりました。すると一段目で -6dB 二段目で -6dB で合計 -12dB/oct となると言われておりました。

 しかし、これは単なる伝説にしか過ぎず実際は二段重ねても最大で -8dB/oct にしかなりません。
 もう一つの方法はデジタル式によるものです。結果としてはバターワースの特性に近いようです。確かに遮断特性を調べてみると非常に素直な特性を示します。更に遮断特性が自由自在に変えられるのは便利です。極端な話ですが -96dB/oct も可能です。しかし、この事は周波数の輪切りに近い状態を作ってしまいます。最終的な音質に問題が起こってしまって私は賛成しません。更にデジタル式の場合は周波数により絶えず位相の回り込みが観測されます。原因はおそらく信号の処理速度にあるのではないかと推測いたします。更に私の試聴した範囲では音質的に自然さに欠けるように聞えます。

 さて、遮断特性による音質の差ですがこれは性能では示せない内容となります。試聴に頼るしか方法はありません。しかし、いかなるユニットを使用しても最も自然であり失敗が無いと云う意味で -12dB/oct をお勧めします。

 そのような意味で私どもでは -12dB/oct の バターワースを採用しております。
 その特性の違いを表したグラフが右です。このグラフの中で注目すべきはバターワースです。クロス点の fo点 で -3dB を示しております。更に非常に素直な特性である事がお解かりと思います。

 しかし、過去全ての特性の物を比較試聴しましたが結果としてほとんど差が生じない事も確認済みです。

 とは申せ私どもでは最も素直な特性のバターワース定数を使用しております。

※ 右のグラフは見易くするために4次のLPFを表示しております。
 チャンネルディバイダーの回路方式は大別して三種類あります。一つは昔ながらの CR型 です。CR型 は音質は清々しい音で好感は持てます。しかし、電気的性能に問題があり現在では極一部を除いて市場には無いと思います。

 もう一つは NF型 です。NF型 は性能抜群で CR型 と異なり確実に狙った性能を発揮してくれます。NF型 と一口に言いましてもその回路の定数の違いで三種類に分かれます。それは チェビシェフ・バターワース・ベッセル です。これら三種類は回路構成そのものは同じです。しかし、その定数の違いにより多少異なった特性が得られます。

チャンネルディバイダーについて